4/21(木)に、上の巻、5/11(水)に、下の巻 を見に、シアター東劇へ行ってきました。
 


お芝居を沢山見ているけれど、なぜか歌舞伎を見た事がない。
歌舞伎の方が出演している別の舞台は、色々見ているけれど…
歌舞伎関連という意味ならば、随分前に日生劇場で「夢の仲蔵」を見たくらいでした。

今回、シネマ歌舞伎を見る事にしたのは、「36年ぶりに上演され」という言葉と、
片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんが出演しているから…

そんなに長く上演されなかった理由はわからないけれど、シネマ歌舞伎として見る事ができるなら、初心者の私には、ちょうどいいのかな?と思いました。

珍しく、HPで簡単に書いてあるあらすじを読んでおきました。

新橋演舞場へ行く時に、目にはいるので存在は知ってましたが、
初めて行ったシアター東劇は、シネコンとは違い、懐かしい雰囲気の映画館でした。
ロビーの壁に、こんな風にしてあったのが、そう思わせてのかもしれないです。
 



シネマ歌舞伎の良さは、他の舞台の配信同様、表情をハッキリと見る事が出来る良さですよね。

鶴屋南北原作とはいえ、今でいうBLあり、ストーカーありと、強盗や殺人、

とにかく色々な人間の悪事がてんこ盛りといった感じでした。

その中で、玉三郎さん演じる桜姫が、実に一途に好きな人を想っていて、そのためには身を犠牲にしても、尽くしていたのに、その人こそが、親や兄弟の敵であり、お家を没落させた張本人とわかった時、わが子さえも手にかけて、好きだった人をも殺す怒涛の展開。
可愛さ余って、憎さ百倍といおうか、なんというべきか…

玉三郎さんが、本当に美しくて、素敵でした。
そして、舞台での色々なポーズの時に、着物を着てるから、ハッキリとはわからないけれど、相当、肉体的には苦しいに違いない姿勢だろうなぁ~と何度か思いました。
勿論、そんな表情はみじんも感じさせていないですが…

一方、一人二役の仁左衛門さんは(玉三郎さんも稚児役でしたが、その後はずっと桜姫だけなので)、さぞかし大変だと思いました。
早変わりもでしょうが、演じる役柄が全く違うから、見ているだけでも忙しく感じる。
大変さを考えると、36年上演されなかったのは、そのせいもあるのかと思ってしまいましたあせる

シネマ歌舞伎は、冒頭に、お2人のお話が少しあったのですが、それを見てから見ると、当たり前ですが、お芝居では話し方も全く違うし、とくに仁左衛門さんは、声質までも少ししゃがれた感じになっているから、演じ分けが凄いなぁ~としみじみ思いました。

今回、シネマ歌舞伎を見て思ったのは、歌舞伎って、決めポーズみたいなシーンが、ポイントごとにある感じですね。
それが、いわゆる見せ場というものなんでしょうかね。

去年4月に上演されたから、ちらっとうつる客席は、間隔をあけて人が座っている感じでしたから、さぞかしプラチナチケットだったんでしょうね。

遠い昔、仁左衛門さんの「ハムレット」や玉三郎さんがセゾン劇場でやったお芝居をいくつか見た事もあわせて、懐かしく思いだしました。