給料前やからかな。
10時前からひとっ子一人来なかった。
相方はオープンからやる気ナッシングで、
陸揚げされたマグロみたいな目で
控え室のコタツに入って眠ったまま出て来ない。
おかげで昼飯も食べに入れんし、
フロントに一人で立ちっぱなしで疲れてきた。
くっそ、ちょっとはやる気出せよ。
いつもやる気満々の店長といるのも
たいがい気疲れするんやけど、
こんなあからさまにやる気ない態度だと
いい加減にしろと言いたくなる。
夜の８時を回ってもゼロ。
B'zの歌が頭でエンドレスリピート。
ゼロがいい、ゼロになろう～🎵
いやいや、良くねーし！！
目標の人数どころか坊主やん。
店長にラインで報告して
指示をあおいだら９時まで待って
ゼロやったら再度ラインしろと。
９時までの一時間祈る気持ちやった。
でも、やっぱりゼロやった。
ここで働きはじめて初のゼロかよ。
相方は一時間ほど玄関ホールで
クイックマッサージ行ってくれたが、
受けた客は一人も来店せず。
単なるマッサージ無料サービス。
いよいよ覚悟しつつ相方と
マッサージの練習をしていたとき、
店に人影が見えた。
常連の近所のお寺の坊さんやった。
信じられんけど冗談みたいな話や。
坊主に坊主を救われた瞬間やった。
『まさに仏様のお助けですね！』
相方が満面の笑顔になった。
お客さんの担当の権利は朝の
オープン作業をした相方やったけど、
その坊さんは俺を気に入って通ってくれてたから
担当の権利は指名でなくてもこっちに。
もともとやる気のない相方なので
先に帰れる方が嬉しいのだ。
実は心で坊さんが来てくれるのを
イメージしながら念じてた。
まさかホンマに来てくれるなんて。
神様…いや、仏様を信じたくなった。
なんか、ハラハラさせられたけど、
面白いオチやった。
坊さんには20分ほど長めに揉んであげた。
このぐらいしても足らんぐらい感謝や。
『ようけ揉んでくれて楽なったわ、
ありがとう🎵』
『こちらこそ感謝ですわ。
危ないとこ助けて頂いて、
神様仏様ですわ～！(*´∀｀)』
なーんか、凹むことかなり続いたから
こんな奇跡的なヘルプされて、
心にちっさな灯りが点いた。
おーきに。