ケンカ | kaeのブログ

kaeのブログ

ブログの説明を入力します。

状況はどんどん変わる。

日々変わる。

直接仕事の依頼を受け、テンションがあがりっぱなしの毎日。

たいしたことでもないのに、電話をしてみたり、
電話をするのを躊躇してみたり。

ふわふわした感じで進んで行く毎日。

私の分野の説明を求められ、同行する事になったある日。

先方の要望を聞き、出来る出来ない、それはこういうことと説明、
具体的な提案も交えつつ、話は進んで行きます。

「ありがとうね。先方も理解できて安心してたし助かったよ」

『いえいえ、よかったです』

「これからも頼りにしてるから(笑)」

『…ありがとうございます』

「今の間は何?」

『いえ…なんでもないです』

「気にしてるの?彼女の事」

『そうじゃなくて…』

「実は…、まだ言っちゃいけないんですけど…」

『言うの?』

「私、会社辞めるんです」

『え…』

「すみません」

『辞めるのに、仕事引き受けたの?』

「今の仕事が完了するまではいます。ちゃんと最後までやります」

『…なんで、今言うの…』

「…」

『…』

そこから終止無言。

『お疲れさま。気をつけて帰ってね』

目も合わせてくれない。

背中が怒ってる。

「お疲れ様でした…」

タイミングが悪かった。中途半端な気持ちで仕事してると思われた。
この仕事も降りなきゃいけないのかも…な。

なんで今、口にしたんだろ…。
なんで今、顔に出したんだろ…。

頭の中に、彼の顔がよみがえる。
無表情な、気持ちが見えない、帰り際に見た顔。

気づいたら、あの場所にやってきていた。
ふたりで見た夜景。
今日は少し早い。
まっかな夕焼けが輝いている。

ここで見たあの日。
ぐちゃぐちゃだった気持ちを整頓してくれた。
壊れかけた心を戻してくれた。
彼の優しさが私を癒してくれた。

少しづつ関係が深くなって、気づいたら別の感情も生まれてた。
それが良くなかったのかもしれない。
そんな事、考えちゃいけなかったのかもしれない。
踏み込んじゃいけなかったのかもしれない。

夕焼けが沈む間、そんな事を考えていた。
言ってしまったものはしょうがない。
もう引き返せない。切り替えよう。

帰ろうとした時、車がきた。
知らぬ間に流していた涙で顔がヒドイ。
見られないように顔を隠して、自分の車に引き返した。

『来てたの』

「あ…」

『僕だけの場所だったのになぁ』

「…」

『夕焼け見れた?』

「はい。夕焼けもきれいでした」

『そう。会社に戻ったら、夕日が見えたから来てみたけど。
 間に合わなかった。残念』

「写メ撮りました。見ますか?」

『うん』

ふたりの距離が近くなった。

『手、冷たい。寒い?』

「いえ…あの…」

『さっきはごめん』

少し薄暗がりの中、手を握りしめ、うつむきながら彼は言った。

『驚いた。それから寂しくなった。
 もう会えないって知ったら、泣きたくなったよ』

「…」

『全然わからなかった。そんなに頻繁に会う訳じゃないけど、
 いつも元気だし、明るいし、笑ってるから』

「…」

『ずっと悩んでたんでしょ?』

「…」

『頼りにならなくて、ごめんね』

「そんな…!」

『相談にのってあげれなかった。
 すごい決断をひとりで決めたんでしょ。
 それを思ったら、また落ち込んでさ…で、ここにきた』

「私…」

『君に会えたからいい。こうして目の前にいるから。
 今日は僕が癒された(笑)』

「…」

『もう少し、このままこうしてていい?』

「(うなずく私)」

『よかった』

嬉しそうに笑った彼。
私の事なんかにかまってる暇なんてないはずなのに。
多くを聞かず、自分の素をさらけだし、そんな姿に愛おしさを感じた。

始まったばかりの関係は、まだ終わらなかった。