初めて、ふたりで会った。
弱っているとメールしたら、癒してあげると返って来て、飛び出した。
会いたい。
ただ会いたい。
待ち合わせ場所に行ったら、笑って迎えてくれた。
いつもの通り、あまり口数も多くなく、
「このあいだは昼まで寝ちゃてさ…」
「あ、美味しいお菓子みつけたよ」
「教えてくれた映画、見て来たよ」
他愛無い話。
しばらくその時間だけに集中できた。
そうさせてくれたのかもしれない。
「着いた」
目の前に広がる夜景。
光が街並を型どり、光から空へのグラデーション。
見た事の無い風景。
どこの街にでもあるけど、特別な夜景。
「たまに来るんだ。でもいつもひとり。
嫌な事があったり、疲れたり、気分がモヤモヤしたら晴らしにくる場所」
言葉が出ない。
目の前がぼやけてきた。
涙があふれてきた。
「普通に生活して、仕事して、生きてるだけでもいろいろあるよね」
「僕だって落ち込むし。誰かに聞いてほしい時もある」
「あんまり言わないけど。言えない…の方かな」
「いつも元気で、真面目で一生懸命。
どんな事でも楽しそうにやってる姿見てて、
それはそれでスゴい子だなぁって思ってた」
「でもさ、初めてだろ。弱音見せてくれたの。
それが嬉しかったんだ」
「こうやって一緒にこの夜景見て、元気でたらいいなって」
「たいした事無いけど(笑)」
『そんなこと…ないです』
『スゴくキレイ』
「いてくれると安心するんだよね、君って。
都合が合わなくていない時、すごく…残念な気持ちになる」
「君がいるから、僕は他の仕事を調整して必ず顔出すんだよ(笑)」
「そう思わせるのは、君が魅力的だから。
強いところだけじゃなくて、今回、君の素が見えたような気がして、
もっと気になる存在になったよ」
『罪な女…(笑)』
「ほんと。参ってる」
「どうしようか、ちょっと困ってる」
『困らせてしまったのは…罪ですね』
「君を…知りたい…と思うんだけど…」
『私も、会いたくて今日は来ました。
強くなろうと決めてきたのに、ねじがゆるんだみたいです』
『タイミングがよかったのか、ちょうどメールもらって、
笑いながら泣けてきて』
「聞こえたんだよ、君の声。辛いよ~って(笑)」
『(笑)元気になるように、甘えていいですか』
あたたかい。
包み込む優しさが、たまらなくあたたかい。
我慢しないで泣いたのは、いつぶりだろう。
ずっとその間、彼は抱きしめてくれていた。
私の心は、癒されたようです。