栃木県:まだ夢の途中なんですけれども、ウイルスに負けない | 趣味悠遊・古代を訪ねて

栃木県:まだ夢の途中なんですけれども、ウイルスに負けない

自称「門ちゃん」こと私は考古学マニアである。令和日本は静かに幕開け、今年も古代・歴史ロマンを追い求めて行きたいと思っていた矢先であった。その夢は破れた。

一度は乗ってみたい、憧れの最高に贅沢な時間を演出する豪華客船。だが横浜市のふ頭に着岸したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」(写真)の悲劇が連日マスコミに報道。乗員・乗客約3700名の内135人が新型肺炎コロナウイルス感染に(写真)、さらに拡大するとのニュース。

 

 

必要な法に元づく水際の措置とはいえ、14日間の足止めされた人の不安はいかほどか。気がかりなのは中国・武漢で発生した新型肺炎ウイルス拡大とその収束が見通せないことで、死者は千人超えだという。新型肺炎という新たなリスクに見舞われ、にわかに不透明感が増している。一方で、パニックに恐れず冷静に、かつ正しく恐れよ、ということだが。SNSの普及で、誰もが情報を発信できる時代。誤った情報の広がりが恐ろしい。

人類よりもはるかに長い歴史を持つウイルスの生命体とは何なのか。ウイルスの感染症は有史以来、人類を悩ませてきた厄介者だ。紀元前1500年には、サンスクリットの医学書に天然痘と思われる病気の流行が書かれており、カイロ博物館に展示されているエジプトの王、ラムセス5世のミイラもウイルスが起因の天然痘発疹の後が残っているという。

さて私事ながら、今年正月早々、2度も大学病院(写真)に手術入院と闘病生活を余儀なくされた。通された特別個室(写真)は身の丈以上の豪華さ、だが空室待ちの仮住まい。このように8回目の肝細胞ガンも無事耐えた。一生ガンとの戦いだが、完治は無理な病なのだ。平癒とは何事も

ない状態に快復すること、そこまで望まないが退院し無事帰宅。しばらく順調であったが突然体調異変が起き緊急再入院となった。今は快復に向い静養中である。私の病原もウイルスだ。B型肝炎ウイルスが起因で肝細胞癌に侵されている。今回で8度目の治療だ。自己免疫力とウイルスとの一生の戦いだと医者はいう。我々はウイルスとどのように対処し向き合えばよいのか、点滴漬けの病室ベットの中で考えた。病室では時間はゆっくりと流れる、下世話の喧噪とは隔離、生命力とは、先端医学の発展は、などと思いを巡らす。「鬼は外、福は内」と節分の豆まきの行事、いや恐れられる邪気「ウイルスは外、ワクチンは内」とつぶやきたくなる。持ち込んだタブレットからせめてもの癒しのBGM、聴こえてきたのが懐かしき昭和メロディである。ご存知、河島英五の「時代おくれで」である。特に阿久悠作詞の「一日二杯の酒を飲み・・・似合ぬことは無理をせず・・・人の心を見つめつつ時代遅れの男になりたい」には迅と病の奥底の心に響いた。そういえば作詞

家・阿久悠記念館(写真)は何時も考古学を学びに行く明治大学博物館地下にある。一度じっくりと阿久悠の時代感を探ってみたい。

喜寿を迎え、健康維持に努め、家族や周りには迷惑を掛けねぬように「不器用だけどしらけずに・・・目立たぬようにはしゃがずに」と時代遅れの男でははないが、それ相応に生きていきたい。

この感染状況が落ち着いて、我が身の快復も進めば日本三大縁切り神社で有名な栃木県足利市の門田稲荷神社にて縁切り祈願(ガン闘病からの)に出向きたい。その神社裏にも古墳群が存在し、そして足利市は北関東でもユニークな古墳の世界を持つ特徴的なエリアでもあるのだ。そして「考古学友の会」有志と共に古代・歴史ロマンを追い続け、ウイルスには負けない「気まぐれな、大いなる世代、門ちゃん」と夢を見続けて行きたい。