奈良県:世界遺産を目指す飛鳥を歩く | 趣味悠遊・古代を訪ねて

奈良県:世界遺産を目指す飛鳥を歩く

世界遺産を目指して飛鳥は頑張っている。宮殿・都城をはじめ、祭祀空間・庭園・寺院・古墳などの貴重な資料が地下に、現在に至るまでおよそ1300年余り続く「日本国」誕生の記憶が刻まれている特殊なエリアだ。冒頭写真は藤原京跡と耳成山が見える。

そして今年の舞台はいよいよ飛鳥だ。中国古典ではなく「国書」から引用された新元号「令和」。日本最古の歌集・万葉集から選ばれた。これからは万葉のふるさと・飛鳥の世界を求めて歩く人が多くなるに違いない。漢字を習得しながら独自の万葉仮名を生み出し、無限の美の世界を創出した飛鳥人を思い起す。

そのような流れの中で我々、明治大学博物館友の会「藤原・飛鳥を学び会」一同は、桜見ごろの歴史の里を探索する。現地を案内する先生は、今や講演などで人気筆頭の今尾文昭・考古学者(写真)である。現地発掘・調査を手掛けた長年の実績、その第一人者で飛鳥の細部まで詳細に把握。そして現地での説明は当事者でなければ語れな

最新の発掘成果などを織り交ぜる。その姿勢にはベテラン連中も納得、特に女性群からは大拍手である。その3日間の歴史探訪は中

身の深いものであった。私は前述の飛鳥宮エリア地域(耳成山麓)にはかつて20年余り居住したことがあり、懐かしき土地でもある。その後も何度も現地に来ているが、そのたびに新たな印象を持つ。

一方、高松塚古墳・キトラ古墳の装飾壁画、国上げての保存設備は整い歴史公園として新たな存在を示す。私個人としては、今回は古代の政治や文化に多大な影響を与えた飛鳥宮・藤原京や古代寺院などに興味を持つ。いか、デジカメで納めたいくつかのショットを列記してみる。

・まず飛鳥宮跡(写真3)と言えば伝飛鳥板葺宮である。その整備された遺構の前で、往時の宮殿様式の詳細を説明受ける。かなりの石組にこだわる飛鳥人、豊浦宮跡や稲渕宮等の宮跡にも同じ様式を取り入れ、当事者の意気込みが感じられる。

・石舞台と桜(写真4)、教科書では必ず習う蘇我馬子の墓、野外学習の場として各地の小学校からの学童で賑う。

・日本最古の飛鳥寺と飛鳥大仏(5枚目)、火災によって大きく破損し、頭部と右手指の一部のみが創建当時のままである。この寺の歴史

的意義は大きい。

原寺復元図(6枚目)、当時の飛鳥寺・大官大寺・薬師寺と並ぶ仏教イデオロギーの四大寺。

・○○朝臣(7枚目)、藤原京の民部省(今でいう大蔵省)の役人姿、万葉仮名で木簡に。

・吉野の桜見学(8枚目)、今年の中千本は訪問時見頃であった。小型マイクロバスに乗り換え、吉野山や吉野宮滝後迄足を伸ばす。

このように、非常に密度の高いスケジュールを組立て運営した「藤原・飛鳥を学ぶ」友の会の幹事の皆様にも感謝するとともに、最後に難波の宮(大阪市)を探索し無事に散策終えた。そして新大阪駅にて解散する。