眠たい目をこすりながら電話に出ました。

 

父からの電話でした。

 

 

「寝てたか。ごめんな、起こして。じいちゃんがね、昨日の夜息を引き取ったよ」

 

 

まだ夢の中にいるようで、全く実感がわきませんでした。

 

その日の夜、実家に帰り、介護ベッドに横たわるおじいちゃんに対面しました。

 

安らかな顔にほっとしましたが、頬に手をのばすと冷たく、

 

一気にお別れは現実になり、涙が溢れてきました。

 

 

 

私が最後におじいちゃんに会ったのはお盆の帰省の時でした。

 

だんだん食べられなくなり、寝ている時間が増え、

 

会えるのはこれが最後かもしれないと、別れ際覚悟しながら

 

おじいちゃんの手を握りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟はしていたけれど、もう一回おじいちゃんの笑顔が見たかった。

 

あったかい手を握りたかったよ、おじいちゃん。

 

認知が進んでいたおじいちゃんだけれど、

 

ひ孫の名前を覚えていてくれたね。

 

やさしい声で「空、空」って呼びかけて、

 

いつもとびきりの笑顔で抱っこしてくれたね。

 

 

 

 

下の写真がおじいちゃんの遺影になりました。

 

 

 

おじいちゃんのために切った果物を、

 

「ほら、食べろ」と空に食べさせてあげるおじいちゃんを見て、

 

目頭が熱くなったよ。

 

と、同時にこの瞬間は残さなくてはと慌ててカメラを手にしました。

 

 

おじいちゃん、この写真は一生の宝物だよ。

 

空にしっかり伝えていくからね。

 

 

 

「も〜は〜(もはや)」が口癖だったおじいちゃん。

 

お刺身にお醤油びたびたにつけちゃうおじいちゃん。

 

火の始末には誰より厳しくて火がついている間は

コンロを絶対離れなかったおじいちゃん。

 

 

ガラクタばっかり集めて、おばあちゃんに怒られてたおじいちゃん。

 

畑作業が大好きで、蚊取り線香くさかったおじいちゃん。

 

広告が大好きだったおじいちゃん。

 

金婚式の時におばあちゃんに贈ったメッセージカードに

「私より先に死んではだめですよ」と書いたおじいちゃん。

 

ずっと覚えておくからね。

 

涙出てきたからこのへんにするわ。

 

 

 

最後に、私が小学校6年生の時におじいちゃんについて書いた作文

 

よかったら読んでみてください。

 

亡くなった今、改めて読んでみて、

 

やっぱり世界一のおじいちゃんだなって思います。

 

 

 

おじいちゃん、ありったけの大好きとありがとうを贈るよ。

 

 

 



(おじいちゃんがあやすと、1番笑う空でした)


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Photo Writer かどまどか  / Kado Madoka

 

 

上から読んでも下から読んでも、かどまどか。
撮り手で書き手。
主に旅、ライフストーリー、文化、家族をテーマに執筆。
教科書の教材やインタビュー記事も執筆している。
執筆テーマに沿った素材の撮影はもちろんのこと、家族写真も撮影。
写真ストックの中から写真提供も行っている。
中学校で命、生き方、国際理解をテーマにした出前授業も行う。

 

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