母が亡くなり3週間が経ちました。




七夕の笹を見ると悲しくなりました。


誕生日、クリスマス、母の日。


これからたくさんある行事に母の姿はないんだって。


悲しい、さみしい、苦しいって言葉が、気持ちを表すには重さが全然足りてません。





母のこと語らせてください。


これは8年前に撮った母との写真です。

 

 

 

 

この日は私たち親子にとって特別な日でした。

 

8年前のFacebookに、この時のことを書いていたことを思い出しました。

 

ブログにも残しておこうと思います。

 

 

 

着物、袴を着ているけど大学の卒業式ではありません。

 

私の教え子を送り出す卒業式の日に撮影した写真なんです。

 

私は大学から地元を離れ、大阪の大学へ進学し、

 

そのまま大阪で中学校の先生という職に就きました。

 

中学生からの夢が叶ったことを母はとても喜んでくれていました。

 

 

 

そして、初めて3年間持ち上がりで受け持った生徒を送る卒業式に、

 

母が出席したいと言ったのです。

 

はじめ聞いたときは、そんなん恥ずかしいって思いました。

 

自分の卒業式でなく、娘の職場の卒業式に親が来るなんて、、、と。

 

でもお母さんの想いはもっと深いところにありました。

 

 

「小学校も中学校も、まどかの卒業式を見てあげられなかったから」

 

 

実は私の両親は、私が10歳の時に離婚しています。

 

離れて暮らしていた母と私。

 

私の卒業式を見られなかったから

 

先生として初めて送り出す子たちの大切な卒業式を

 

見たいと言ってくれたのです。

 

母の気持ちに寄り添おうと思い、校長先生に母と私の想いを伝え、

 

お願いをしました。

 

そして迎えた卒業式当日。

 

生徒の親は、子どもが内緒で親宛に書いた手紙を渡されるという

 

サプライズがありました。

 

親御さんは子どもの入場を待つ開式前の体育館でその手紙を読みます。

 

私も母へ手紙を書き、私の大切な方に託し、同じように母に渡してもらったんです。

 

 

手紙は、卒業式の前日、静まり返った放課後の教室で泣きながら書きました。

 


母に会えない日々が苦しかったこと。

 

さみしかったこと。

 

一緒に見たいけどみられなかったもの。

 

いま親孝行できていないこと。

 

振り返れば全ての経験が私の宝ものであること。

 


溢れる想いを言葉にするのが大変でした。

 

やっとの思いで書き上げた手紙を母に渡すことができました。

 

 

 

 

その日の夜、お母さんと2人で

 

今までのこと、これからのことゆっくり話すことができました。

 

 

 


ママと私。

 

あの日は、2人の卒業式でした。

 

 

 

あの日から8年。

 

母の姿はありません。

 

先日、家族で母を懐かしみながら写真を見ていた時に、

 

あの時私が母へ宛てた手紙が見つかりました。

 

大切にとっておいてくれたのです。

 

一緒に暮らしていた時の写真、

 

離れて暮らしていた時に撮ったプリクラ、

 

高校を卒業する時に一緒に行った北海道旅行の写真、

 

今までの手紙と一緒に、あの手紙が保管されていたことを知りました。

 

ママの深い愛を感じ、あったかい気持ちになりました。

 

 

 

 

母が亡くなり3週間が経ちました。

 

お別れする前に最後に手を握った感触、

 

頰と頬を寄せ合った感触、

 

おでこにキスをした感触、

 

冷ややかな温度、

 

まだはっきりと覚えています。

 

時間が経つとともにぼんやりに、そしていつか完全に忘れてしまうのかな。

 

そうだと、とっても悲しいな。

 

 

 

みなさん、たくさんのメッセージありがとうございます。

 

心を寄せてくださること、ほんとに、ほんとにうれしいです。

 

母にも、そして私、私の家族みんなに想いを馳せてくださることに

 

心からのありがとうを伝えたいです。

 

『大変だったね』

『かける言葉が見つからなくてごめん』

『お母さんの話、もっと聴かせてね』

『まどかを産んでくれてありがとうってお母さんに伝えたいよ』

『お母さんの愛はずっとあなたの中にある。

 あなたが空ちゃんに愛を注げば、お母さんの愛も引き継がれていくんだよ』

 

こういう言葉、うれしかったな。

 

ほんとに救われました。

 

大切な方を亡くした痛みを共有してくださる方もいらっしゃいました。

 

痛みを伴うのに、話を聴かせてくれてありがとう。

 

たくさんの『生きる』を私に教えてくれました。

 

みなさん、ありがとう、ありがとう。ほんとにありがとう。

 

 

 

少しだけ弱音を吐かせてください。

 

正直……

 

『がんばらないとね』『日常を取り戻さないとね』『少し元気になったかな』

 

っていう言葉はまだまだ辛いです。

 

そこに向かってがんばりたいけど、気持ちが追いつきません。

 

『〜しなきゃ』『元気』という言葉は今の私にとって、なんだかあんまり近づきたくない言葉です。

 

自分でもはっきりとした理由はわからないけど、

 

きっと、私の気持ちをわかってもらえていない寂しさがあるんだと思います。

 

 

 

自分のペースで、笑ったり、泣いたり、楽しいことを満喫したり、

 

いきなり落ち込んだり、また復活してがんばったり、怒りをぶつけたり、

 

喜んだり、懐かしんだり、また泣いたり……

 

あるがままに1日1日、重ねていきたいと思います。

 

 

 

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Photo Writer かどまどか  / Kado Madoka

 

 

上から読んでも下から読んでも、かどまどか。
撮り手で書き手。
主に旅、ライフストーリー、文化、家族をテーマに執筆。
教科書の教材やインタビュー記事も執筆している。
執筆テーマに沿った素材の撮影はもちろんのこと、家族写真も撮影。
写真ストックの中から写真提供も行っている。
中学校で命、生き方、国際理解をテーマにした出前授業も行う。

 

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HP: http://kadomadoka.com/

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