11月9日に行われた『角海老ボクシング』で、
日本ライト級チャンピオン・加藤喜孝が
指名挑戦者の同級1位・川瀬昭二(松田)を
5回TKOでマットに沈め、見事3度目の防衛に成功した。
前回7月の小池戦に続くKO防衛に、
試合後のインタビューでも「倒し方のコツが分かってきたかも」と
自信を覗かせた加藤。
ランカー時代から「良いパンチを当てても詰めきれない、
倒しきれない」ことが課題だった加藤にとって、
この2連続KOはチャンピオンとしての成長を感じさせる。
仕掛けていった川瀬に対して、
加藤はジャブを突いて冷静な立ち上がり。
加藤のボクシングは基本的にワンツー主体の
パワーボクシングで、川瀬のような打ち合ってくる選手とは
相性が良く、距離感も合う。
この日も2回以降はアグレッシブに攻め、
2、3回には早くも右の強打、
左フックを当てて川瀬を2度ぐらつかせた。
そして4回に右ストレートで計2度のダウンを奪うが、詰め切れず。
5回に入って川瀬が持ち直しかけたが、
ラウンド終了10秒前でクロス気味に加藤の右がヒット。
3度目のダウンを追加したところでレフリーが試合を止めた。
指名挑戦者相手に快勝と言っていい内容だったが、
あれだけ川瀬を効かせていたのだから、
もう少し早く試合を決めても良かった。
過去何度もそういう場面で決めきれなかった加藤を見ているだけに、
チャンスにどう攻撃をまとめるか、
決定力を磨き上げることは今後も加藤の課題になるだろう。
チャンピオンの誇りや意地も出てきたのだろう。
ここ最近はジムでも風格が出てきたと評判の加藤。
次戦は来年のチャンピオンカーニバルということで、
またしても指名挑戦者を迎えることになるが、
厳しい防衛ロードはチャンピオンを強くするはずだ。
1勝1敗のライバル、東洋太平洋同級チャンピオン・
荒川仁人(八王子中屋)は今月24日、
メキシコで同級2位のダニエル・エストラと
世界挑戦者決定戦を行うことが決定。
荒川の背中を追いかける加藤は試合後のリングで
「これから東洋、そして世界を狙っていきたい」と強い口調で、
黄色いTシャツを着た応援団が見守る会場にアピールした。
最近ブログで妻の懐妊を報告した加藤。
父として一家を守る身にもなり、
チャンピオンとしてさらにひと回り、二回り大きくなってもらいたい。