K-1からの黒船襲来!藤本京太郎インタビューPART1 | エビ☆ログ

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角海老ボクシングジム公式ブログ

いよいよ今年も残すところ3日。

関東では横浜文化体育館、関西では大阪府立体育会館で

世界タイトルマッチが開催される大晦日、

ボクシングファンの皆様は嬉しい悲鳴を

あげることになりますが、

角海老宝石ジムが参戦するのは後者。


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第2代K-1ヘビー級チャンピオン

藤本京太郎 選手がマイケル・オドネル(豪)との

プロボクサー転向初戦に挑み注目の一戦です。

昨日(28日)、練習を打ち上げた京太郎選手の帰り際に

突撃インタビューを敢行したので、

2回に分けてお送りいたします。

でもちゃんとした金のとれるインタビューは

スポナビさん の方にUPされているようなので、

そちらを御覧下され。

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―今年6月、全日本プロレスの両国国技館大会に参戦して、一時はプロレスラー転向という報道がありましたが、最終的にはプロボクサーの道を志すことになりました。小堀佑介をWBA世界ライト級チャンピオンに押し上げた萩森健一専属マネージャーの熱心な誘いがあったと伺っていますが、差し支えなければ、その経緯を教えてもらえますか?

京太郎:僕自身、年が明けてプラプラしてたんですけど、「そろそろ決めなきゃヤバイ」と夏頃に思い、プロレスの練習をさせてもらうことになりました。プロレスは昔から好きで、(全日本プロレスの)人たちも良くしてくれて、環境も素晴らしかったです。ただ「僕じゃなくても、(プロレス界に自分の)代わりはたくさんいるんじゃないか」という気になって・・・。周りの人はK-1(ファイター)としての僕を見ているんで、本当に悩みました。その頃、萩森さんと話をする機会があって、僕の6月の両国大会の試合を見たらしいんですが、ボクシングに来た方が良いんじゃないかと思ったらしいんです。あの時は人生で一番悩みましたね。当初は全日本プロレスに入団する予定で、10月の(両国)大会に出てから、もう1度進路を決めようと思っていました。K-1が復活するんじゃないかという期待もあったし。でも、もう1回世界を目指るところでやりたい、10年後・20年後を考えたら、ボクシングが一番人間として成長できるんじゃないかと思いました。始める前はボクシングは地味だと思っていたし、人の試合も見たこともなかったし、興味がなかったんです。「何でこんなしんどいことをやっているんだろう?」と思っていたくらいで。でもやってみたら、楽しいんですよ。


―プロボクサー転向会見では「K-1は強いんだということを証明したい」と仰っていました。個人的には秩序が乱れない範疇でボクシング界と他格闘技が交流していく方向に進むのが望ましいと思うんですが、K-1ヘビー級チャンピオンの看板を背負う京太郎選手を「外敵」と見なす関係者やファンも少なからずいると思います。

京太郎:K-1に出始めた頃も批判の塊でしたからね。批判を受けるのは全然苦じゃないです。ボクシングは結果だと思うんで、試合を見て判断してもらえたらと思います。K-1(での実績が)あったから、ボクシングに来ても、優遇してもらえているのは事実だし、今は冷やかしでも良いんで、試合を見てもらえたら嬉しいですね。他競技からボクシングに転向する人が少ないのは、ボクシング界のレベルが高い証拠でもあると思うんです。(K-1の世界で)夢がなくなった人の手本になれれば良いなと思います。そういう世界もあるんだというのを、見せてみたいですよね。


―プロボクシング転向第1戦、否が応にも注目を浴びています。人知れずデビューし、人知れずグローブを吊るすプロボクサーが大半を占める中、大きな期待を託されて初陣に臨む状況は幸せであるとともに、我々には想像し得ない「下手は打てない」というプレッシャーも圧し掛かっているのではないでしょうか?

京太郎:少なからずボクシング界に(ヘビー級の)日本人がいない(=少ない)というのが一番良いです。K-1の放送がなくなって、ヘビー級の選手の試合をテレビで見る機会がなくなっているので、ヘビー級のボクシングを見せられるのは大きいと思います。でもK-1時代は1回1回の試合で負けたら全て終わりという気持ちでやっていたんで、K-1の頃のプレッシャーに比べたら大したことはないです。大晦日にやれるというのは自分も何か持っているかもしれませんね。今回(大晦日に)やれることで、昨年負けたことも何かの意味があるんじゃないかと思えるし、必ず意味があったという風にしたいですね。(プロボクサーの幕開けを)大阪でできるというのも嬉しいですね。  


―K-1時代に故郷・大阪で凱戦試合をした経験は?

京太郎:ないんです。自分がK-1に出る前は大阪ドームで(興行を)やっていたんですが、ここ最近はなかったので、ずっとやりたかったんです。こういうタイミングでできるというのは、自分も恵まれていますよね。


―ヘビー級での試合となりますが、より動きをシャープにするために減量に取り組んだりは?

京太郎:やりました。(ボクシングを始めるまでの)10ヵ月間、本格的に身体を動かしていなかったんで、6.5kgくらい落としましたよ。今は飛べそうですよ(笑)。人生で一番身体が軽い感じがします。何で今までこうしなかったんだろうって。去年、ピーター・アーツとやった時が100kg契約だったんですが、その時が一番動けましたからね。このくらいの体重が一番良いんだと思います。


―現在は田中栄民トレーナーの指導を仰いでいますが、プロ格闘家京太郎の礎を築いてくれたのはチームドラゴンの総帥・前田憲作さんですよね。

京太郎:田中先生と前田先生は性格が180度違いますね。前田先生は「これぞ格闘家」というようなストイックな方ですけど、それに比べたら田中先生はチャラい感じですね(笑)。自分は前田先生から入っているんで、田中先生が凄くユルく感じますね。もちろんボクシングに関しては厳しくやっていただいてますけど、(田中先生は)誰が来ても柔軟に対応されますよね。前田先生はムエタイの世界チャンピオンになって、人気がないところからキックボクシングの人気を一気に押し上げた侍みたいな雰囲気の方なんで、常に練習でも選手がピリピリしているし、本当に「師匠」という感じですね。田中先生は「先生」という感じですよね。


―当然、究極の目標は日本人初の世界ヘビー級チャンピオン。ただ今はヘビー級と決めつけず、クルーザー級も視野に入れながら、適正を見極めていくべきではないかという声もあります。それでもヘビーに拘っていきたい?

京太郎:僕は人と違うことをやりたいと思っているので、1個の下のクルーザーでも良いとも思っているんです。まず最初の大きな目標が東洋チャンピオンになること、次が世界ランクに入る、最終的には世界挑戦ですけど、長い歴史でもミドル級以上で世界チャンピオンになったのは日本人では竹原(慎二)さんしかいないですからね。よく日本人は世界に通用しないと言うじゃないですか。皆は日本vs世界という見方をしますけど、(世界チャンピオンは)何百ヵ国の中の1番なわけですよね。それを見せられると、世界って凄いなと思うし、(自分が世界を目指して)日本を熱くしたいという気持ちになりますよね。こんなに偉そうなことを言っていますが、K-1(の実績)を捨てて、これからは目の前を1個1個のハードルをクリアして、それらを乗り越えて行くことができたら、また何かが見えてくるんじゃないかと思います。  


―やはり一度は世界を極めているだけに、言葉にも説得力を感じます。

京太郎:K-1の中で一番になったわけではない(=K-1グランプリを制したわけではない)し、自分の中では満足したことはないんです。果たして世界チャンピオンになったら、満足できるのかどうかは分かりませんけど、満足したら終わりだと思うし、満足していたら(ボクシングを)一から始めることはできないと思います。こういう環境を与えて下さっている周りの人のお陰でボクシングができているんで、感謝しています。


※宜しかったら、PART2を御拝読を。続く