「北海の白クマ」というよりは
「角海老のバタービーン」の方が
言い得て妙な気がする鎌田卓 選手が
来月2日(金)に開催される
第1試合に出場する核弾頭役を務めます。
復帰3戦目で初のインタビューをお届けします。
―白樺学園高校時代、03年の静岡国体少年の部で準優勝しているんだよね?既に8年も前のことになりますけど(笑)。
鎌田:一応、インターハイなど主要な大会には全部出ているんですよ。1回戦で負けちゃいましたけど(苦笑)。国体の時は凄い真面目に(練習を)やったんです。
―白樺学園OBということは、スピードスケートの清水宏保の後輩だ。
鎌田:(スピード)スケートでオリンピックに出る選手は大体、白樺学園出身なんですよ。清水宏保が知ったら、「こいつは俺の後輩じゃない」って言うでしょうね(笑)。
―そして04年9月にプロデビュー。榎洋之選手が日本フェザー級王座を獲得した興行の第1試合でしたよね。その後、1試合を消化してから、長期ブランクを作っていますが、ボクシングから離れた理由は?
鎌田:1度投げだしちゃったんです。嫌になってしまったというか、ボクシング自体やりたくなくなってしまいました。
―カムバックしようと発起したのは何故?
鎌田:中途半端で終わってしまったという気持ちからですね。
―ブランク中に身体を動かす機会は?
鎌田:(スポーツジムで)筋トレをしていたくらいです。
―何故筋トレを?
鎌田:運動不足で太ってきていたからですね。
―ブランク前のトレーナーは?
鎌田:(フセイン・)シャー です。
―カムバックしてからは木内(勲) さんがトレーナーだよね。
鎌田:ジムに行かなくなってからも、「寿し常 」(ジム近所の寿司屋)でバイトしていたんですけど、店の前を木内さんが通りかかる度に「「俺が見てやるから練習来いよ」と言ってくれて、で、「またお願いします」という流れですね。(木内さんには)文句言ったこともあるけど、やっぱ俺、木内さんじゃないとダメだなって思いますね。
―竹内護選手(ヨネクラ)は昨年6月に新人王予選で対戦して、今年の新人王予選でも対戦を予定していたものの、誰かさんが肋骨を負傷してキャンセルになり、仕切り直しで対戦が決まりました。何か縁があるよね。
鎌田:そうなんですよねぇ。
―前回対戦した際の竹内選手の印象は?
鎌田:前に出て、手を出してくるタイプですね。
―自分の得意パンチは何ですか?
鎌田:左ボディですかね。
―出身は北海道帯広市ということですが、最後に里帰りしたのはいつ?
鎌田:実を言うと、土曜日に結婚式で、金曜日の練習終わってから、帰っていたんですよ(笑)。土曜日は結婚式前にスポーツジムで練習して、で、今日(取材日は11月21日)帰ってきたばっかりなんです。
―地元の空気はやっぱり格別だった?
鎌田:やっぱ静かで良いですねぇ。
―帯広自慢は?
鎌田:花畑牧場ですね。バイトしていたこともあるんですよ。あと豚丼も自慢できますね。
―木内さんからどんな技術を重点的に教わっていますか?
鎌田:教わっていることはないんですけど(笑)、居てくれるだけで良いお父さんみたいな存在ですね。
―木内さんは「角海老更生道場」みたいなもんだもんね。
鎌田:そうなっちゃいますかね(笑)。
―帯広から上京するにあたり、どうして角海老を選択したんですか?
鎌田:俺のイメージだと「角海老=ファイター」だったんで、ファイター(の自分)が行けば強くなれるんじゃないかと思いました。
―デビュー戦以来、実に7年ぶりの勝利となった10月の佐藤竜平戦(新宿イマオカ)。
鎌田:そうですね。出てこなかった分、自分のボクシングができたと思います。
―過去の2勝はいずれもKOで挙げていますが、今回もKOする展開に運びたい?
鎌田:別にKOを狙うつもりはないんですけど、ファイターなもんで中入って連打しないと負けちゃうし、そこしか良いところがないんで、そのボクシングができれば勝てると思います。負けた試合は減量に失敗して負けているんで、それさえできれば、勝てた試合だったと思うんです。
―前回は緒方勇希
選手(日本フェザー級7位)のトランクスを拝借して試合に臨みましたが、今回は自前?
鎌田:あっ、そうだ。ボクシングシューズも買わなくちゃいけないんですよね。ビリビリに破れてしまったんで。去年の試合の時は普通の靴で試合をしたら、怒られてしまいました。
―最後に意気込みをお願いします。
鎌田:初戦なんで、お客さんが沸くような試合したいです。
「ドカベン」の岩鬼が山田太郎を
「や~まだ~」と呼ぶのと同じイントネーションで
木内トレーナーから「か~また~」と呼ばれる鎌田選手。
とはいっても、正式には「かまだ」と読むんですけどね。