素読・音読・遊んどく?8(案内人:渡辺恵子)

今夜のテーマは「みみをすます」

いつもは「声に出して読む楽しみ」ということに焦点をあててやってきましたが、
今回は「集中して聴く楽しみ」を味わおう、そして自分が「何にみみをすませたいのか?」を発見しよう!という試みです。




まず最初はウォーミングアップ。
3分間、何もしないでただただ聴こえてくる音にみみをすませてみました。

いつもは意識しない外から聞こえてくる車の音、人の声…。

人によって3分が長かったり、短かったり、音の感じ方が違ったり、意外な発見があったようです。



次は案内人がラジオで偶然聴き、初めてなのに思いっきり一緒に歌ってしまった曲を何の前情報も無しに流して聴いてもらい、聞いたことのない言語で歌われている歌詞を繰り返してみよう!という試み。

日本語でも英語でもない、知っている他の外国語でもなさそうな不思議な歌詞と旋律
みみをすませてみるとなんとなく繰り返せてしまう言語。

この曲はアイヌ語で歌われている「イヨマンテウポポ」という民謡をスペシャルアザーズが現代風にアレンジしたものでした。
歌詞はこちら↓

http://www.uta-net.com/movie/123286/

言葉の意味を考えずに聴こえてくる響きに身を委ねるのも楽しいものですね。




次は本日のお題である「みみをすます」という詩の輪読。
作者は谷川俊太郎さん。
「~にみみをすます」という表現がたくさん出てくる長めの詩ですが、全部ひらがなで書かれていて大人も子どもも一緒に読むことができます。

http://www.dcn.ne.jp/~nmizu/xiai/tintin.html

輪になってみんなで1冊の本を順番に回して読みました。
人が読む声にみみをすませながら。



最後は谷川さんの作品を参考に「カドベヤでみみをすます」という詩をみんなで作り、声に出して読みました。
1人1人が「・・・にみみをすます」という文章を書き、つなげてひとつの詩にしてみると、とても素敵な言葉のネックレスができましたよ~。




「カドベヤでみみをすます」 

トランプにみみをすます

大切な人にみみをすませる

みみそうじにみみをすます

冷蔵庫のうなりにみみをすます

愛するハハの美しいあの時の声にみみをすます

夏のせみの鳴き声にみみをすます

今夜のスープのコトコトにみみをすます
小宮さんのおなかのグウグウにみみをすます

ねこのなきごえに
みみをすます

じぶんのなかのおくの
おくの おくの おくの
おくの おくの おくの
おくの おくの おくの
おくの おくの おくの
ふかく ふかく ふかく
ふかく ふかく ふかく
ふかくにしまいこまれている
じぶんのほんとうのおとに
みみをすます

わたしのなかに
ずっとずっとねむっていた
こどものこえに
みみをすます

食器を洗う音に
みみをすます

みみをすます
自分のなかの
夜と朝にみみをすます

大切な人にみみをすまし
友だちにみみをすます
大切なものにみみをすます
先生にみみをすます
アイスクリームにみみをすますと
みみにアイスクリームがつく


 ~2016年6月14日夜、カドベヤに集った人々による~



今夜もご参加いただきありがとうございました。


案内人 わたなべけーこ








↑この日の夕めしです。