
年度末の最後の日。この日は春の嵐となりました。電車を降りて駅の外に出ると暴風雨。あっという間に傘の骨が曲がってしまった。
火曜日のカドベヤの日に傘が壊れることはしょっちゅうで、雨のことばかり記憶に残って晴れのカドベヤのことは忘れがち。でもこういった暴れん坊の天気も嫌いじゃありません。この日はレインコートのフードをかぶってびしょぬれになりながらカドベヤに向かう。加賀さんがちゃんと新聞紙を広げていてくれて、デイパックごとそこにまずおいて、ほっと一息。
迎えてくれる恵子さんと加賀さん。それにいい匂い。この甘い香りは??
「ラングドシャ―を焼いているんだって!」と恵子さん。

ホッカホカのラングドシャ―。恵子さんが作ってくれたマーマレードを載せて食べると苦みと甘さの競演となります。
今までの嵐がほろほろととろけてしまいそうな気持になります。
明日は新しい仕事場での仕事始まりの恵子さん。出来立てのラングドシャ―を食べてエネルギーチャージして、一足先にかえることになった。
恵子さんが帰る少し前に来てくれたやちよさん。こちらも懐かしいお菓子を持ってきてくださいました。キョロちゃんで有名な森永のチョコボール。くちばし部分に金のエンジェルが描かれていると、「おもちゃの缶詰」がもらえるのは昔から変わりません。

そして地道さんもこの雨の中、やってきてくださいました。「お疲れさまでした」の一言に、こちらも胸がほっこりします。
この天気だし、年度末だからもちろん人は少ないのだけれど、それでもやるぞ!のシェイクスピア。
今日は有名な「ロミオとジュリエット」をダイジェストでやってしまおうという、初の試みです。
話は知っていても細かくは知らないシェイクスピアの有名な劇。
今日集まった4人がいれば、どうにかできると早速リハーサル開始です。

お話は簡単に言うとこんな感じです。
「舞台は花の都、ヴェローナ。長く争う二つの名家、モンタギュー家とキャピュレット家。その中で出会ってしまった若い二人——ロミオとジュリエット。許されない恋は、やがて悲劇へと向かってまいります。」
ということで今回の登場人物は以下の4人に設定
•ジュリエット (キャピュレット家の令嬢。もうすぐ14歳の押しまくり女子!)
•ロミオ (モンタギュー家の一人っ子。優しい男の子だが、仮面舞踏会でジュリエットに一目ぼれ)
•マキューシオ (ロミオの大親友。お調子者だが実は複雑系)
•ティボルト (キャピュレット家。ジュリエットのいとこ。剣の名人。カッとなりやすい)
場面は以下の通りに分けました。
1.ナレーション
2.モンタギュー家とキャピュレット家の喧嘩シーン
3.キャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込んだロミオ。ジュリエットに一目ぼれ
4.バルコニーのシーン。ジュリエットもロミオにほれ込んで、あっという間に結婚の約束
5.マキューシオの死とティボルトの死
6.ロミオとジュリエットの死
考えてみるとシェイクスピアの劇ってすごくうまい構成となっています。
上の2から6の部分はちゃんと
1.喧嘩 (お話の紹介部分。大げさに!)
2.出会い (ドキドキ感)
3.愛が深まる!(しっとり感)
4.ハッピーからあっという間に悲劇に転換!(クライマックス)
5.主人公の死とある意味での愛の成就(動から静へ)
と緩急があるんだね。
今回は私も入ってそれぞれの場面をみんなで演じてみました。4人しかいないので、みんなそれぞれロミオになったりジュリエットになったりと忙しい。
今回はシェイクスピアの台本からセリフをいくつか抜き出して、それを使って演じます。

ナレーターを演じる地道さん。さすが、大学で身体知の授業をとっていただけあって身振り手振りも堂に入っている。
1.喧嘩のシーン
「モンタギューの犬っころを見ても頭にくる!」
「俺たちを侮辱しているのか?」
「男だったら剣を抜け!」

モンタギュー家とキャピュレット家のにらみ合い

(言葉の応酬はみんなその場で考えます。こっちが犬ならそっちは猫だ!)
場の設定や動きは各自で考えていきます。最初のうちは動けないみんなもやがて興が乗ってくると
「何か臭くないか。野良犬臭いぞ。あ、モンタギューの奴らだ」とか「そっちこそ、ネコの肉球みたいにぶよぶよしやがって」といろんな言葉が飛び交います。
2の仮面舞踏会のシーンは
ロミオ「あの人は、夜に輝く松明のようだ・・・今まで愛したことなどなかった。」
ジュリエット「ねえ、今出ていった人は誰?」
乳母「ロミオよ、モンタギュー家の」
ジュリエット「ああ、私の初めての愛の相手が敵だなんて」
ここはなんといってもダンスのシーンです。本当は音楽をかけることができればよかったけれど、音楽無しでも踊れてしまうカドベヤ劇団です。
3.有名なバルコニーのシーン
バルコニーに見立てた椅子の上に立ってため息をつくジュリエットの場面から始まります。
「ああ、ロミオロミオ、あなたはどうしてロミオなの?モンタギューの名前を捨てて私を受け取って!」

(恋する乙女の地道さん)
「君のためならモンタギューの名前を捨てる!」
ただ、この二つだけのセリフだけれど、間合いが大切。さすが、カドベヤ劇団。ため息のつき方や恋する乙女の様子、そして一世一代に決断するロミオ(やちよさん)を見事に再現。
4.マキューシオの死とティボルトの死
ハッピーなはずの劇が一気に悲劇に転ずる場面。
立ち回りが大切。みんな思い切って演じてくれました。
•ロミオ「ティボルト、お前を愛さねばならぬ理由がある……」
•マキューシオ「ティボルト、俺が相手だ!」
•マキューシオが刺される「両家に呪いあれ!!!」
•ロミオ「マキューシオ~~~。ティボルト、待て~~~」
セリフの合間に動きを入れ込んで、なかなかの白熱の演技が出来上がりました。もうあっという間にみんなシェイクスピアの世界に入り込んでいる。

(ジュリエットとの結婚を伝えようとルンルン気分でやってきたロミオ!)

(しかし、出迎えたティボルトにぼこぼこにされる羽目に。「ロミオ、昨日は俺たちを馬鹿にしに来たな!」さすが順子さん、とっさにいろいろなセリフが出ます)

(ティボルトにぼこぼこにされるロミオ。もちろん手は出していません。あくまで演技。みかねたマキューシオのやちよさんが割って入る「俺が相手だ!」)

(ところがロミオの代わりに刺されてしまう)

(死ぬ間際のマキューシオのことば、「両家に呪いあれ!」)

(友を殺され怒り狂ったロミオ、ティボルトを刺す!刺される順子さんの刺されっぷりが素敵)
6.ロミオとジュリエットの死
ティボルトを怒りに駆られて殺してしまったロミオは島流しに会う羽目に。その間、二人を結婚させた牧師さんのアイディアで薬の力で仮死状態になったジュリエット。うまく情報が伝わらずロミオは愛する人が本当に悲しみのあまりに死んだと思いこんでしまう。戻ってジュリエットの前で服毒自殺を図るも一瞬の差でジュリエットが目を覚ましてしまうその場面です。セリフは二つ。
•ロミオ「こうして口づけをして死のう」
•ジュリエット「あなたの唇にまだ温もりが・・・さあ、剣よ、私をロミオのもとに連れて行って!」

(死んでいるジュリエットのそばで服毒自殺を図るロミオ)

(一瞬差で目覚めたジュリエット!)

(恋する乙女はロミオの短剣で自分を刺します。やちよさんの迫真の演技です)
最後は今までのシーンを全部繋げて「5分でロミオとジュリエット」を演じました。
観客がいなかったことが残念だけれど、かえってはっちゃけたかな。
みんなくるくると配役を変えながらも全員がキャラクターになり切った!
終わって明かりがつくと、おいしいご飯の競演です。こちらも劇と同じ6シーンです。
・マグロのカマと柵のねぎソース
・マグロの切り身の竜田揚げ
・切り干し大根
・水菜とカニカマのサラダ
・シメジと舞茸の卵スープ
・待ってましたのラングドシャーとやちよさんの持ってきてくださった猫クッキー

マグロの刺身の柵でねぎソースを作ります

こちらは切り干し大根の煮物。優しいお味です。

マグロの刺身を漬け込んで竜田揚げに

竜田揚げの右隣は堂々のマグロのカマ。順子さんが持ってきてくださったものです。
後ろはねぎソース。たっぷりのねぎと柵で作りました。



やちよさんが差し入れてくれた猫のかわいいクッキー。加賀さんが作ってくれたラングドシャ―はフランス語で「ネコの舌」だから今日は猫つながりですね。

ちなみに地道さんのチョコボールのくちばしは銀のエンジェルが付いていました。でも5枚集めないとおもちゃの缶詰はもらえないんだよね。とはいえ、なんだかいいことが起こりそうな予感です!
次はどんな劇をやろうかな???皆さんもカドベヤ劇団に入団してね。音楽担当も大歓迎です!