今年は震災の影響で授業が始まるのが遅れてしまった日吉キャンパス。なんと4月25日から授業が開始して、明日5月1日が入学式という類例のない新学期となった。

学生の履修申告も固まりつつある。


私の今年の授業はなぜかしらいろいろな意味でカドベヤと切っても切れないものとなってきた。ethical livingがテーマのイギリス地域文化論は前期集中の授業だけれど、最後の講義ではコミュニティの再生について話を持っていく。自分の頭の中では19世紀から21世紀にかけてのイギリスをはじめ、世界のコミュニティ再生の動きをきちんと横浜へとつなげていきたいという気持ちがある。


たぶん授業を行いつつ、世界でおこっているいろいろな動きをこの小さな町につなげていきたいという非常に欲張ったものの見方が今自分の中でおこっているのだと思う。


ethical livingをテーマにここ3年ほどこの授業を行ってきたのだけれど、結局教えることが私を実行へと突き動かしたのだし、実行していることをまた教えることに還元していきたいと思うのも当然のことだ。とはいえ、今まで表面的な生き方の一枚裏をめくると野放図な生き方しかできなかった自分だから、やっぱりはた目から見ればこのあまりに自然なことがまたまた突飛な行動に同僚たちにはうつっているのかもしれません。しかたないよ、この生き方しかできないんだから。


でも仕方ないよ、と思いつつ進むしかないよ、という気持ちにさせるほど、このカドベヤという小さな存在は大きんだなあ。


ということで、今年もクラスが始まります。

去年に引き続き今年も火曜日3時間目に武藤さんと一緒に開講している「人文科学特論」は今年はたったの4名の履修者。でもどのメンバーもそれこそ小さな炎みたい。今年は寿地区での独居老人のみまもり活動以外にこの町から自分のテーマを見つけてくることが大きな課題。何か大きなものをつかみ取ってくれるような気がしている。


そして月曜日5時間目の人文科学研究会はまさにこのカドベヤをメインキャンパスにしてしまう。こちらも人はたぶん少ないだろうけれど(今のところ3名)、どんな試みも大人数から始まって先細りになるよりも、少人数でも身軽にそしてたっぷりと一緒に動き回れるほうがいい。岡部さんやさなぎたちのみんな、そして地域の人々と一緒になって何かことを起こしていこうと思う。


派手なことはできません。小さくても自分も誰か他人も変えていけるようなそんな「こと」を起こせれば学生にも私にも自分の物語の中の大切な1ページ、いや、大切な一言になるのだと思うけれど、これからが大変だ。でも楽しむつもりです。