本日SoftBankが2012年の秋以降にFDD-LTE方式の次世代データ通信サービスを開始するということを発表しました
ここで「あれっ??」
って思う人もいるかも知れません
SoftBankってLTEもうやってましたよね~
そうなんでSoftBankはすでに「SoftBank4G」と違ってLTEのサービスを開始しています
何故そんなことをまた発表するの?? と思われるかもしれません
しかしSoftBankが「SoftBank4G」という名前でやっているLTEは「FDD-LTE」ではなく「TDD-LTE」というものです
なんじゃそれ?? っていう人もいると思うので少し説明をしたいと思います
まず間違えないで欲しいのは両方とも「LTE」であるということです
このTDD-LTEという方式はPHSを高速化して作られた「XGP」という規格を改良して作られた規格です
このTDD-LTE方式を別名「AXGP」と言ったりします
正直ココらへんはあまり関係ないと言ってもいいですね
問題は「TDD」「FDD」という部分ですね
ではこの「TDD」と「FDD」の違いについて紹介していこうと思います
その前に知っておいてほしいことがあるので書いておきます
携帯電話というのは基地局と端末の間で単方向の通信ではなく双方向の通信が必要になりますよね??
しかし性質上同一の周波数で両方向に通信することはできないんです
これらを解決するためにできたのがこの「TDD」と「FDD」なんです
では「TDD」から説明していきたいと思います
TDDというのは「Time Division Duplex」の略で日本語では「時分割複信」と言われています
この方式では上に書いたことを解決するために短時間に送信と受信を何度も切り替えることにより擬似的に両方向で通信することを実現しています
こちらのいいところというのは
・送受信を同時に行わないので送受信信号間の干渉がない
ということですね
悪いところというのは
・この送信と受信を切り替える回路が複雑なため若干遅延時間がある
というところです
ちなみに帯域利用効率はひとつの周波数で送受信を行うので効率はいいですね
このTDDが使われているのは この記事の上の方で書いた「PHS」
そしてauが実施している「+WiMAX」(モバイルWiMAX)でも採用されています
つぎに「FDD」の説明をしていきたいと思います
FDDは「Frequency Division Duplex」の略で日本語では「周波数分割複信」と言います
こちらはTDDが時間で双方向通信を実現しているのに対しこちらは送信と受信の周波数を分けてしまうという方法です
こちらは比較的簡単ですね
単純に送信と受信の周波数を分けるだけですから
こちらの特徴は
・TDDと比べ回路が簡単なため遅延が発生しにくい
という点があります
しかし周波数帯利用効率は送信と受信の電波が違うために効率は悪いです
こちらは現在日本の携帯電話の3G通信の「CDMA2000」「W-CDMA」がFDD方式を採用しています
一見TDD方式のほうがいいように見られますがそうではありません
あくまでもTDD方式は「擬似的に」双方向通信をできるようにしただけです
擬似的にと言っても送受信の交互に行なっているだけ
確かに一対一であれば非常に効率的でいいと思います
しかし携帯電話と基地局は一対一ではありませんよね??
もし基地局から発する電波と端末が発する電波が衝突してしまったら・・・
もちろん通信ができなくなってしまいます
どうやらこれで事故を起こしてしまったところが日本国内であったようです
それは当時のDDIポケット(現在のウィルコム)だったそうです
それは本来のPHSよりも高出力な基地局を配備していたためだったそうです(詳細不明)
しかしウィルコムはこれを乗り越えようとしました
そのために日本国内で「下りの時間」と「上りの時間」を統一しよう という考えでした
これをおこなってもまだひとつ問題があるわけです
それは近くではなく「遠くにある基地局からの電波」ですね
遠くても電波はある程度届きますから
その電波を端末側が受けてしまうとまた衝突が起こってしまいます
このようなことが起こってしまうため現在では中国以外ではFDD方式が採用されていますねほとんど
この問題もあって現在海外で発売されている端末の殆どは「FDD」方式のLTEにしか対応していないんです
つまり現在SoftBankが採用する「TDD-LTE」ではもしiphoneがLTEに対応してなおかつ周波数も対応してくれても
SoftBankのためだけにTDD方式に対応する
なんてことは絶対にありません
そのためにFDD方式にも対応するということを発表したんだと思われます(ただし現在発売されているthe new ipadはFDD方式でも周波数が違うので使用できません)
ただしauやドコモと同じ方式になったからといってSIMフリーの端末でLTEが使えるようになるという訳ではありませんのでご注意ください
これはLTEの宿命かもしれませんね
周波数の違いで海外からのものも国内でauのLTE対応機種をドコモで使おうとしてもドコモのLTE対応の端末をauで使おうとしても使うことはできません
そう考えるともう4G通信でのSIMフリーというのは日本ではありえなくなりますね
海外でもそうなる可能性が高いです(あくまで個人の推測です)
結構わかりにくい説明だったと思いますがわかってくださる方がいるとうれしいです
今日はこれぐらいで
それでは