とある茶屋を舞台に、奇妙な仕事を依頼された浪人と、そこに集まった奇妙な連中とのやりとり、そして隠された陰謀を描いた作品。監督は稲垣浩、出演は三船敏郎、石原裕次郎、勝新太郎、中村錦之助、浅丘ルリ子他です。
（1970年度：三船プロ）
何この無駄に豪華な俳優陣は！ いや、全然ダメというわけではなく、それなりに楽しめましたが、如何せん内容が地味。これだけのスターを集めたんだったら、アクション満載のスカッとする娯楽時代劇にしてほしかったです。もっとも映画産業が斜陽の時代に入っていたので、派手な娯楽作を撮りたくても予算的に不可能だったのかもしれませんが…。主役のミフネと、粗暴な医者くずれの男を演じた勝新は流石の存在感で、錦之助が小心者の役人侍をユーモラスに演じています。一番損な役回りは渡世人役の裕次郎で、これといった見せ場がありません。よくこの役を引き受けましたね。それだけミフネとの友情に厚かったということでしょうか。
（日本映画専門チャンネルで鑑賞）