晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す「仕掛人」の活躍を描いた人気時代劇の劇場版。原作は池波正太郎、監督は渡邊祐介、出演は緒形拳、林与一、山村聰、佐藤慶、小池朝雄他です。
(1973年度:松竹)
ドラマ版『必殺仕掛人』は長年続いた人気シリーズの元祖です。後発の作品群と比較すると、依頼される仕事は総体的に困難であり、ターゲットが強敵の場合が多く、「仕掛けて仕損じなし」と言いながらも結構失敗するし、ピンチに陥る場面が多々あります。言うなれば時代劇版『ミッション:インポッシブル』。ストーリーがしっかりしている上に、スリリングさもシリーズ屈指。個人的には『必殺仕置屋稼業』と『新・必殺仕置人』も大好きですが、やはりシリーズ最高傑作は元祖である『必殺仕掛人』でしょう。
で、この劇場版ですが、残念ながら凡作と言わざるを得ません。45分で解決しそうな話を無理やり90分に引き延ばしているのでテンポ悪すぎ。しかも敵方が仕掛けた罠がショボすぎ。あの程度で何が「蟻地獄」やねん(苦笑)。それにドラマでお馴染みのカッコいいBGMがあまり流れないので、敵との対決シーン、仕掛シーンも盛り上がりに欠けます。ドラマは素晴らしいけど、劇場版はコケた典型例ですね。
(時代劇専門チャンネルで鑑賞)