人付き合いが苦手で自分の殻に閉じこもっている青年が恋した女性はリアルドールだった…。監督はクレイグ・ギレスピー、主演はライアン・ゴズリング、共演はエミリー・モーティマー、ポール・シュナイダー、パトリシア・クラークソン、ケリ・ガーナー等です。
（2007年度：アメリカ）
『マネキン』（1987年度：アンドリュー・マッカーシー主演）というファンタジー系ラブコメディーの佳作がありましたが、本作はそれを上回る秀作です。前半こそビアンカ（リアルドールの名前）と初対面した人々の驚きのリアクションで笑いを誘う演出がなされていますが、安易なドタバタ・コメディーやラブコメにはせず、至って真面目なヒューマンドラマに仕上げている点が秀逸です。ラースを変人扱いすることなく、彼の一途な純愛を優しく見守る周りの人々の愛情が静かな感動を呼ぶストーリー内容となっており、ちょっぴり切なく、そしてホッコリさせてくれる大人の寓話です。
（IMAGICA BSで鑑賞）
本作を観て『探偵ナイトスクープ』の「マネキンに恋した女性」というネタを思い出しました。マネキンに一目惚れし、その後、行方不明となった「彼」を捜索してほしいという依頼で、最後には親族、友人を招いて盛大な結婚式まであげていました。異様なフェチぶりが笑いを呼び、同時に感動すら覚える傑作ネタでした。事あるごとに何度も放送されている番組史上屈指の名作なので、観たことがある関西在住の方、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。