-LAST HEAVEN 031011-
日本屈指のライブバンドと称され、2003年に惜しまれつつ解散したミッシェル・ガン・エレファントのドキュメンタリー映画です。幕張メッセでのラストライブを中心に、過去のライブの模様、インタビュー等で構成され、メジャーデビューした頃の初々しい？表情も見られます。ミッシェルの歴史を語る上で避けては通れない「フジロック事件」の生々しい映像もありました。1998年のフジロック・フェスティバルで、熱狂した観客がモッシュし過ぎて非常に危険な状態となり、何度も演奏が中断。この状況下でボーカルのチバユウスケは「せっかくだから倒れてるヤツはちゃんと起こしてやろうぜ」というメッセージを観客に投げかけました。見た目も口のきき方もガラの悪いチバですが、根はいい人なんですよね。彼の人間性がよく出ています。「せっかくだから」の使い方が間違ってるのはご愛嬌です（笑）。そしてもう一つ大きな事件がありました。同じく1998年の「仙台WASSE事件」です。いつものように熱狂する会場。しかし、ハコ全体が大きく揺れて、釣り下がっている照明がグラグラ状態。これではライブを続けるわけにはいかず、やむなく中止に。「お前らの中から死人を出すわけにはいかねぇ。申し訳ない」と頭を下げる4人。もちろんミッシェルが悪いのではなく、観客も悪くはない。こんな会場でライブを企画したヤツが悪いです。この二つの事件は彼らのライブの熱狂ぶりを物語っています。そして本作のクライマックス、ラストライブの最終曲『世界の終わり』を演奏中のアベフトシのギターの弦が切れるハプニングが発生。それでも熱いプレイを続けるアベの姿が感動を呼びます。そのアベさんは42歳の若さで2年前に急逝されました。非常に残念です。もう完全な形で復活することはありませんが、今からでも聴いてくれるファンが増えてほしい魅力的なロックバンドです。
（日本映画専門チャンネルで鑑賞）