幸福 | まーのブログ

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妻に逃げられて幼い二人の子供に手を焼いている刑事と、恋人を殺された若い刑事が難事件に挑む様と、「幸福」とは何か?を問うた作品で、原案はエド・マクベインの『クレアが死んでいる』、監督は市川崑、主演は水谷豊と永島敏行、共演は谷啓、中原理恵、市原悦子、浜村純、草笛光子等です。

1981年度:東宝)

これ以降、犯人のネタバレはしていませんが、ラストシーンについて語っています。ご注意してください。本屋で射殺事件が発生し、被害者は3人。その中に北刑事(永島敏行)の恋人(中原理恵)がいました。怒りに震える北は、村上刑事(水谷豊)と共に捜査を開始。その過程で様々な人間模様と接していくことになります。北の恋人と接触があった女(市原悦子)の二人の子供たちと、村上の子供たちとを対比してみると、興味深いものが見えてきました。村上の子供たちは、母親がいなくなってから父親に反抗的な態度を取るも、そこには確かな親子の愛情が存在しており、ホッとさせられました。しかし、もう一方の親子は…。ラストシーンで村上親子はレストランで食事をします。何気ない日常の中の小さな幸福が余韻を残します。水谷豊といえば、今や『相棒』の杉下右京役で大人気ですが、それとはまた違った人間臭いキャラを好演しています。それと少し前にアップした『おとうと』でも触れましたが、本作でも市川監督のお家芸「銀残し」の手法が採用されています。『おとうと』よりも更にダークで、カラーとモノクロの中間あたりの映像が独特の雰囲気を醸し出しています。

(日本映画専門チャンネルで鑑賞)