大人の世界に足を踏み入れようとする女子高生の揺れる心を描いた作品で、監督は森谷司郎さん、主演は栗田ひろみさん、共演は地井武男さん等です。
（1973年度：東宝）
これ以降、ラストシーンについて触れています。ご注意してください。女子高生が年の離れた男性に恋心を抱くという、よくありがちなストーリーですが、暗めの映像が独特の雰囲気を醸し出していて、少女の無垢な心、青春時代の一種の残酷さが描かれています。ヒロインの栗田ひろみさんの演技、特にセリフにはつたなさが感じられますが、小悪魔的な表情が魅力的でした。『いつのまにか少女は』（井上陽水）が流れる中、大人に一歩近づいた少女がテニスに没頭するラストシーンが印象的で、いい余韻を残してくれました。70年代のダーク系青春映画の佳作だと思います。