子供が産まれたことは言っていた。


出産祝いも貰ったし、お返しもした。


年賀状も送っていたし、電話もしていた。


母は神経質で、電話をかけても出なかった。


相手が誰か分かって、出てもいい相手なら途中で出る。


いつも通り、留守電に入れている途中で出た母。


お宮参りで姉に借りた子供の着物のことを話していた。

それを少し手直しして、3歳の七五三に使うつもりだった。



母は、


姉の長女の時にきちんとしてあるから、あんたもしてもらいなさいと言った。



母と姉は、長女の雛人形購入の件とオムツを宅急便で送った件から、全くの疎遠だった。


その時のことを私にも恨みがましく話していたが、私はどちらがどうとか、どう言えばいいのか分からなかった。


でも、雛人形を買おうとしていたことは私も実際店で見ているし、オムツが箱で届いたことは姉宅で見ている。


何でそうなったのかまでは経緯は私にはわからない。姉の話から聞いただけだが


実際に起きたことは間違いなかった。


母に、離婚して家を出た母親が雛人形を買うっていうのは、姉と義家族との関係を悪くする可能性もあったかもしれんで。


と、離婚したことで義家族から色々言われた私は母に言った。


オムツの件も頑なに言い張る。


留守電入れた!絶対に入れた!こっちの履歴は残ってたから事実だ!


だからって、宅急便で送りつけたのはやりすぎじゃないか?と言えば


オムツが残ったままだとイライラするから送った


そう言うのだった。


姉と言い争いをしたことも聞いていたし、もう何もしん!と電話をガチャ切りしたことも聞いている。



そこに、母がまた離婚したのは私のせいだ。


あの時、あんたが言ったから離婚したんや。


と、私に恨み節を言った。



相変わらずの母。



当時の感情が蘇る。


父にも姉にも母に言われたことを伝えた。


父は目を剥いて、


それは違う!お前がいったからやないで!ほんまに違うからな!


と、母の言葉を全否定していたが


私が、離婚のタイミングを作ったことは間違いない。



ひょっとして、当時から何か精神的な疾患を持っていたのかもしれないと


心配になった。


母に、病院は行ってるか聞いた。


ちゃんと寝られているかも聞いた。


母は、何の病院かは言わなかったが、


睡眠薬を常用していると言った。


ちょっと落ち着いてからまた話そうと言ったら



もう、いい。


あんたまで私を悪もんにして。


もうあんたにも何もせん!


私からも連絡せんから!


そう言ってガチャ切りされた。





それが、母と私の親子としての最後の会話になった。




それ以降、私も連絡していない。



年賀状も送るのをやめた。



母の心に、暗い影を落としたのは


20年以上の父の不倫が招いた後遺症なのか


元々の性格なのかは正直わからない。


両方かもしれない。



母は父を恨んでいるだろう。


自分が孤独になったのは、父だけじゃなく、姉も私も同罪だと思っているかもしれない。


義兄が、何回か話していたことがある。


実は、離婚してから二度、父に復縁を求めている。


一度目は、私の入院中に姉がお膳立てした。このブログでも書いたが


二度目もあったのだ。


二度目も姉がお膳立てした。


場所は建て替え前の我が家だ。


当時は私と父で二人暮らしだった。


姉は臨月間近だった。


大きなお腹で辛そうに座敷の絨毯に座っていた記憶がある。


義兄は、父がやり直しはせん!と二度とも言ったことにホッとしたと言っていた。


神経質な母との暮らしは、自分は耐えられないと思ってたらしい。



母は、復縁を断られたことも腹を立てているのかもしれない。


そもそも、離婚したのは私のせいだから。


離婚しなければ、こんな思いしなくてよかったと思っているのかも。



そんな思いが私にまたのしかかった。


思いがくるくる回る。


あの時、私は耐えられなかったから離婚を勧めた。


離婚したのは、私が言ったせいだと思ってる母は、本当は離婚したくなかったのかもしれない。


でも、しょうがなかったんだ。



でも、もし私があの時我慢できていたら、他の未来があったのかもしれない。



その考えが、グルグルと回る。


自分の割り切れない優柔不断さが嫌だったが


母が自分から私を遠ざけたんだから


もういいや。


そういう気持ちもあった。


離婚前に私に色んな悪態をついていた母。


この電話の母も同じだった。


あの時のことが思い出される。


電話の向こうに、


良く見てた顔を歪めた涙目の母が見えた気がした。


母自身、どこにもぶつけられないものがあるのと一緒で


私もどこにもやれないものがある。


辛いだろうと思う。


頑なな母には、何を言っても無駄だろうと思った。



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