林田学監修薬事法ドットコム 課徴金データブック

林田学監修薬事法ドットコム 課徴金データブック

弁護士出身の実業家・林田学です。景表法に基づく課徴金納付命令についてお伝えしていきます。

< はじめに >
1. このサイトでは景表法に基づく課徴金納付命令についてお伝えして行きます。


2. 課徴金に関するお問合せ・ご相談は薬事法ドットコム(YDC)にお任せください。
 高級官僚OB・法律家(・場合により医学者)がチームを組んで対応します。
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3. 見方
 1)「課徴金対象期間」とは文字通り課徴金の対象となる期間で、
  その間の違反広告からの売り上げの3%が対象金額になります。


 2)「課徴金対象行為をした期間」とは、わかりやすく言えば、
  違反広告をしていた期間です。


 3)違反広告を止めて、即、商品の販売も止めれば
  「課徴金対象行為をした期間」と「課徴金対象期間」は一致しますが、
  そうでない場合は、以前の違反広告を見て購入するというケースが
  ありえます。
  その際は「課徴金対象期間」はその最後の取引までとなります。


  但し、このエクステンションは最大6か月※です。
  (※違反広告を止めてから6カ月以内)
  また、その前に誤認解消措置 ― 全国紙に「昔の広告を信じて
  買わないで下さい」という社告を載せる ―を取れば、そこまで。





4)最大3年です(ENDから遡る)




5)違反が事実であったとしても、課徴金が減免される場合もあります。

a.対象となる売上から5000万未満のとき →課徴金は0
b.事業者が不当表示の防止について相当の注意をしていたと認められるとき →課徴金は0
c. 調査を開始する旨の通知を受ける前に違反事案を事業者が自主的に申告したとき →課徴金は1/2>
d. 景表法に定められた手続きに沿って返金措置を実施したとき(最後の弁明書の提出期限までに返済計画を消費者庁に提出し認定(承認)されることが必要)→返金額を課徴金から減じる

4. 課徴金額ベスト5

  1. 2023年4月11日 大幸薬品株式会社 6億744万円

  2. 2020年6月24日 フィリップ・モリス・ジャパン合同会社 5億5274万円

  3. 2017年1月27日 三菱自動車燃費偽造事件(普通車) 4億8507万円

  4. 2020年12月16日 株式会社ダッドウェイ 3億7478万円

  5. 2020年3月17日 ジェイフロンティア株式会社事件 2億4988万円



5. 異議申立(審査請求)・取消訴訟

これまでの異議申立(審査請求)・取消訴訟事例はコチラ



6. 課徴金事例数の推移

年度ごとの課徴金事例数の推移はコチラ



7. 自主報告の件数

  • 2016年度 11件

  • 2017年度 9件

  • 2018年度 10件

  • 2019年度 11件

  • 2020年度 3件

  • 2021年度 2件




8.リーディングケース
「三菱自動車燃費偽装事件」
概要は下記から
三菱自動車燃費偽装事件(普通自動車)

三菱自動車・日産自動車燃費偽装事件(軽自動車)


三菱自動車・日産自動車燃費偽装事件のまとめ(表)

その後、日産自動車の課徴金命令は取り消された。>>(詳しくはコチラ)



ご相談・お問合せはコチラまで。





林田学について

大学教授・弁護士を経て現在薬事法ドットコム社主、一般財団法人日本遠隔健康管理学会 理事長(NY)。東大法大学院卒(法学博士)。ハーバード大(医)単位取得。
平成14年度薬事法改正のための委員会委員
1995年から600社以上の薬事法・景表法に関するコンサル経験を持つスペシャリスト。

株式会社バンザン(2023年8月1日発令)

 

課徴金納付命令の概要

 (1) 課徴金対象行為(違反行為)に係る役務

アないしウの各役務

ア「メガスタ高校生」と称するオンライン個別学習指導に係る役務

イ「メガスタ中学生」と称するオンライン個別学習指導に係る役務

ウ「メガスタ私立」と称するオンライン個別学習指導に係る役務

(2) 課徴金対象行為 

ア 表示媒体 

別表1ないし別表5「表示媒体」欄記載の表示媒体 

イ 課徴金対象行為をした期間

別表6「課徴金対象行為をした期間」欄記載の期間 

 

ウ優良誤認表示

(ア)表示内容(表示例:別紙1ないし別紙5 別紙6ないし別紙11 別紙12ないし別紙16) 

a  本件3役務について、例えば、令和4年4月4日及び同年5月10日から同年6月21日までの間、「オンラインプロ教師のメガスタ」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウェブサイト」という。)において、「オンライン家庭教師で利用者満足度No.1に選ばれました!」、「第1位 オンライン家庭教師 利用者満足度」等と表示するなど、別表1「対象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、バンザンが提供する本件3役務及び他の事業者が提供する同種又は類似の役務(以下「同種役務」という。)を利用した者に対する利用者の満足度を客観的な調査方法で調査した結果において、同社が提供する本件3役務に係る利用者の満足度の順位が第1位であるかのように示す表示をしていた。

 

b  本件3役務について、例えば、令和4年4月4日及び同年5月10日から同年6月21日までの間、自社ウェブサイトにおいて、「第1位 オンライン家庭教師 口コミ人気度」と表示するなど、別表2「対象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、バンザンが提供する本件3役務及び他の事業者が提供する同種役務に関する口コミの人気度を客観的な調査方法で調査した結果において、同社が提供する本件3役務に係る口コミの人気度の順位が第1位であるかのように示す表示をしていた。

 

c  メガスタ高校生について、例えば、令和4年4月4日及び同年5月10日から同年6月21日までの間、自社ウェブサイトにおいて、「第1位 AO・推薦入試にお勧め出来るオンライン家庭教師」と表示するなど、別表3「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、バンザンが提供するメガスタ高校生及び他の事業者が提供する同種役務について、AO・推薦入試対策のための役務として推奨できるものであるかを客観的な調査方法で調査した結果において、同社が提供するメガスタ高校生の順位が第1位であるかのように示す表示をしていた。

 

(イ)実際

a 前記(ア)aについて、バンザンが委託した事業者による調査は、回答者にバンザンが提供する本件3役務及び他の事業者が提供する同種役務の利用の有無を確認することなく実施したものであり、バンザンが提供する本件3役務及び他の事業者が提供する同種役務を利用した者の満足度を客観的な調査方法で調査したものではなかった。

 

b 前記(ア)bについて、バンザンが委託した事業者による調査は、回答者の条件を付さずに当該事業者に登録している会員全員を対象に、設定した回答者数に到達するまで実施したものであり、バンザンが提供する本件3役務及び他の事業者が提供する同種役務に関して口コミの人気度を客観的な調査方法で調査したものではなかった。

 

c 前記(ア)cについて、バンザンが委託した事業者による調査は、回答者の条件を付さずに当該事業者に登録している会員全員を対象に、設定した回答者数に到達するまで実施したものであり、バンザンが提供するメガスタ高校生及び他の事業者が提供する同種役務に関してAO・推薦入試対策のための役務として推奨できるものであるかを客観的な調査方法で調査したものではなかった。 

 

エ有利誤認表示

(ア)表示内容(表示例:別紙1ないし別紙5別紙6ないし別紙11別紙12ないし別紙16) 

 

a 本件3役務について、例えば、令和4年4月12日及び同月30日に、自社ウェブサイトにおいて、「オンラインプロ教師メガスタ 『返金保証』と『成績保証』」、「ご不安なく始めていただくために、2つの保証制度をご用意しています。」、「返金保証」、「4/30まで」等と表示するなど、別表4「対象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、同欄記載の期限までに申し込んだ場合又は入会前の学習面談を受けた場合に限り、入会金及び4回分の授業料が返金される「返金保証」と称する制度(以下「返金保証制度」という。)を利用できるかのように表示をしていた。

 

b 本件3役務について、例えば、令和4年4月12日及び同月30日に、自社ウェブサイトにおいて、「オンラインプロ教師メガスタ 『返金保証』と『成績保証』」、「ご不安なく始めていただくために、2つの保証制度をご用意しています。」、「成績保証」、「4/30まで」等と表示するなど、別表5「対象役務」欄記載の役務について、同表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、同欄記載の期限までに申し込んだ場合に限り、通常授業1か月分と同時間分の追加授業を無料で受けられる「成績保証」と称する制度(以下「成績保証制度」という。)を利用できるかのように表示をしていた。 

 

(イ)実際

a 前記(ア)aについて、別表4「表示内容」欄記載の期限後に申し込んだ場合であっても、返金保証制度を利用できるものであった。 

b 前記(ア)bについて、別表5「表示内容」欄記載の期限後に申し込んだ場合であっても、成績保証制度を利用できるものであった。 

 

(3) 課徴金対象期間

令和元年5月7日から令和3年10月4日までの間 

(4) 景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由

バンザンは、本件3役務について、前記⑵ウ及びエの表示の裏付けとなる根拠資料を十分に確認することなく、前記⑵の課徴金対象行為をしていた

(5) 命令の概要(課徴金の額)

バンザンは、令和6年3月4日までに、別表6「課徴金額」欄記載の額を合計した6346万円を支払わなければならない。 

 

※YDCからのコメント