言葉はいらない
胸が熱くなったエピソードがあります
皆様はご存知ですか?
華やかな国際舞台や公務の場。
世界のリーダーたちが
豪華な高級ブランドを纏うなか、
天皇陛下がそっと胸元に
差された一本のネクタイがあります。
その値段は、およそ1万円。
一見するとシンプルなそのネクタイには、
ある深い物語と、
国民に対する静かな覚悟が
込められていました。
絶望の淵にあった伝統の街
「福島県川俣町」
そのネクタイの産地は、
福島県川俣町(かわまたまち)。
古くから世界最高峰の
極薄絹織物「川俣シルク」で
知られる伝統の街です。
しかし、
2011年の東日本大震災、
そして原発事故の影響により、
街は大きな打撃を受けました。
長年受け継がれてきた伝統産業も、
廃業寸前の危機に追い込まれていたのです。
誰もが深い失意と不安の中にいた、
そんな時でした。
言葉よりも強く語りかける「胸元」
陛下は、
あえてその川俣シルクで
作られたネクタイを締め、
公の場へと姿を現されました。
何の説明もありません
ただ
「私は忘れていない」
「いつも共にあります」
大々的なスピーチや言葉はありません。
けれど、
その胸元に添えられた絹の輝きは、
どんな言葉よりも強く、
被災地の人々の心に届いたのです。
自分の身を飾るためではなく、
傷ついた人々の痛みを
自らの胸に抱くための装い。
そこには、
国民に寄り添い続ける
深い慈愛と覚悟がありました。
職人の涙と、蘇った街の誇り
このエピソードが知られると、
全国から川俣シルクへの注文が
瞬く間に殺到しました。
途絶えかけていた職人たちの
手仕事に再び光が当たり、
涙とともに街の誇りが
息を吹き返したのです。
モノを愛でるのではなく、
人を慈しむ。
真の気品や格調高さとは、
ブランドの価値や価格に
よって決まるものではありません。
大切なのは、
その装いの奥にある「心」なのだと、
陛下の胸元が静かに教えてくれています。
胸が熱くなるようなこの優しさこそ、
私たちが誇るべき
「最高のおしゃれ」なのかもしれません。
僕は
このエピソードを聞いて
胸が熱くなりました

