雨ばっかりで寒いですねぇ
三月の歌舞伎座の興行も始まりましたので、私も近いうちに市川猿之助さんの弁天小僧を観に行ってきま〜す
さて。忘れないうちに、忘れたくない演目「暗闇の丑松」のレポを書いておきます
一言で言うと竜雲、めちゃめちゃ好みの演目でした〜
昔の暮らしを覗き見するような面白さ、そして主演俳優さん(今回は尾上菊五郎パパです)がかっこよかった
これは、よっぽど魅せられる人でないとこの丑松のダークなかっこよさは見せられないだろうなぁ菊五郎パパのかっこよさだけでも満足してしまう演目でした〜
「刺青奇偶」や「一本刀土俵入」の長谷川伸の書いたもので、昭和9年に六代目の尾上菊五郎が初演したものということで、新しい作品ですねぇ
幕が開く前にはご近所さんが覗き見をしていたりする市井の様子が。
そしてお米=中村時蔵さんの家。
時蔵さんはめっちゃやつれたお役ですうらぶれた感がすごいけれど、似合ってらっしゃるわ…
お米が厄介になっていた「おかあさん」という人(意地悪!)と「先生」(カタギには見えない)という人が余りにも意地悪なので、お米の恋人の丑松が二人を殺してしまいました!
そこで、二人は死のうか…という話になるのですが、二人は生きている道を選びます
愛の逃避行なのです
テーマはダークめだけどロマンチックだわぁ竜雲はロマンのある演目が好きなのですよ
「死ぬ時はこの手を握れ、俺も…握るよ」
みたいな台詞があって…
菊五郎パパ、めっちゃかっこいい
そして二人は屋根の上を逃避行…幕。
なんかロマンチックな作品だなぁ、というか菊五郎パパがかっこいいからそれでいいわ
丑松ってかっこいいお役なのでかっこいい役者さんが演ってくれたら乙女はキュンキュンするでしょうね〜
ネットを彷徨っていたら中村橋之助時代の中村芝翫さんが暗闇の丑松をされた画像がありました観たかったなぁ〜
うらぶれた感がたまらなく風情があって良いです〜
梅花さんと片岡亀蔵さんがそこの従業員かな?
その置屋に菊五郎パパが来ました〜粋でかっこいいわ〜もうこの演目、菊五郎パパが本当にかっこいい
そして尾上松也さんもやって来ました!
松也さんの衣装は変わってて、褌と腹巻きが一緒になったみたいな、脚は丸出しの格好でして
私の友達の松也ファンの友達もそのインパクトに打たれていたみたいです(笑)
松也さんのお役、料理人祐次は短気で、お気に入りの女郎をけなした男を殺す勢いで包丁を振り回していました
結局は菊五郎パパ=丑松の知り合いで、諌められて一件落着して去って行きました
そして菊五郎パパ=丑松にあてがわれたおきよという女郎が、なんとお米(よね)!
「俺はずっとお前を想っていたのに、お前は俺のことを忘れて女郎になったのか」と怒り心頭な丑松…
お米は、四郎兵衛という丑松の兄貴分に騙されて、丑松はもうお前のことは捨てただの、お金を用意しないと丑松の居場所をお上に教えるなどと脅して、お米を汚し、女郎にならせたのです。
そのことを切々とお米は話すのですが、丑松は「嘘をつくのか!四郎兵衛アニキはそんな人じゃない!」って聞く耳持たなかったんです。
…でも観客の私にはお米の話は本当だと思えました。「この話ってきっとホントだよねぇ丑松、信じてあげればいいのになぁ」って思ってました。
結局、丑松は信じてあげないで…でも片岡亀蔵さんのお役におきよ(お米)が売られてきた経緯を聞くと、やはり騙されて来たのだと…
お酒を飲ませて聞き出そうとする丑松やっぱりお米のことが気になって仕方ないんだなと思いましたウフフ(๑´ω`๑)♡←こんな能天気な思考で歌舞伎を観ております(笑)
そのうち、「大変だー!!」という金切り声
なんと、おきよ=お米が裏の銀杏の樹に首を吊って死んでしまったのですって
お米は好きな人に信じてもらえなくて、何もかも終わりだと思って自殺したのだと思います…かわいそうに
そして、お米を騙した四郎兵衛に怒りを露わにする丑松
「四郎兵衛の畜生俺の女房を…」
いや、お米を信じなかったあなたも悪いんだけど、菊五郎パパがかっこいいのでそこは観劇中は不問といたしました
怒りに燃える丑松。幕。
ああ、なんてドラマチックなお話なのでしょう〜
つづく