私の……楽しかった2月が終わってしまいました しかし、なってみると4月の遠征のことや先の遠征のことなどを考えたりしており、気の抜ける時間は全くないものですね(笑)がんばるしかないわ〜〜
二月大歌舞伎の「熊谷陣屋」の感想などを書いておきたいと思います
私は今回はとにかく吉右衛門さんに注目して観ました
中村吉右衛門さんの熊谷次郎直実だったんです ずっと、当たり役であることは知っておりました。そして中村芝翫さんが芝翫型の「熊谷陣屋」を復活させた時に一緒に昔の資料を紐解く協力をしてくださったのが吉右衛門さんなんですその吉右衛門さんの熊谷陣屋を見られるなんて
義太夫は葵太夫さんでした
(楽日の前日に観た時の大向うは声も良くまともなものでしてホッとしました)
「花の盛りの敦盛を 討って戻る もののあはれを今ぞ知る」
そんな義太夫の中を花道から登場してくる熊谷次郎直実の吉右衛門さん! 足取りは重く、沈鬱な雰囲気で… 寂しそうです。客席もみんな固唾を呑んで静まり返って見守るくらいです
桜の木を見上げるところも、背中が寂しげで…
YouTubeにシネマ歌舞伎「熊谷陣屋」の予告編の映像がありますので、皆様ご覧いただきたい
堤軍司は中村又五郎さん、上手い
相模とのやりとりや、熊谷へ仕えている心の様子など本当に上手いなと思いました
熊谷次郎直実は大変なお役だと思いますが、吉右衛門さんは涼しげにやっていらっしゃる…
物語するところも。
源義経は尾上菊之助さんでした
若く、飛ぶ鳥を落とす勢いの大将義経の姿にふさわしく、よく似合ってらっしゃるお役でしたしかも声音が
菊之助さん、こんな声も出されるんだ〜と思いました。優雅さと大らかさのある美声でした!
菊之助さんてこんな演じ方もされるんだと良い意味で驚いた源義経でした
首桶を携えた熊谷直実。
実検するので、首桶の蓋を取り…
藤の御方(中村雀右衛門さん)と相模(中村魁春さん)が狼狽えて寄ってくるのを
「女房、騒ぐな! お騒ぎあるな! 騒ぐな 、お騒ぎあるな お〜さ〜わ〜ぎ〜 あ〜る〜な〜〜」
ここはわりとゆっくりめのトーンでそれぞれに言い聞かせるように言われてました。
そして制札の見得
竜雲の、歌舞伎の見得の中のお気に入りのひとつです美しくて、かっこいい
吉右衛門さん、絵のようでした〜
吉右衛門さんと菊之助さんの関係も舞台相性も良く、かなり最高の場面でした
中村魁春さんの相模が我が子の首を抱いて嘆くクドキのところは、熊谷次郎直実はとても見ていられないという辛さを堪えた顔で、耐えるように相模から視線をそらしていました。
相模もつらいだろうけど、熊谷次郎直実もつらいですよね…
それで、私が絶賛したいのは吉右衛門さんの剃髪してからの熊谷次郎直実です!
露骨なスクショですみませんが、歌舞伎美人です。どれだけかっこいいか皆様にもまず目でも納得いただきたい坊主頭になってまでこんなにもかっこいい吉右衛門さんに釘づけになり
そして花道に歩んで行くのですが…
花道で義経がじっと熊谷を見つめて、手には直実の子の小次郎の首を持って見せて…
ぐらつく心で小次郎の方につい駆け寄りそうになるところを踏みとどまる
そして幕が閉まり…
(う〜ん、菊之助さんの義経が予想以上に良かった)
花外でひとり。
「十六年は一昔… 夢だ…ああ、 夢だ」
その溢れんばかりの悲しみ、どうしようもない気持ち、全てを失った自分、楽しかった日々、全てが内包された悲しい悲しい笑顔、自分の頭を軽く叩いた右手…
竜雲も客席で涙ボロボロでした
熊谷次郎直実の抑えきれない哀しい気持ち
吉右衛門さんの熊谷次郎直実、素晴らしかった…
胸に迫りました
良かった…
そして、なんとお昼の部の最後の演目の尾上菊五郎さんの「暗闇の丑松」もとっても面白かったんですよ
近いうちにレポ書きます!
それでは皆さん、今日も良い一日を〜