無碍、無碍、無碍随鏡〜〜
(むげ、むげ、むげのずい〜きょう〜〜♪)
本日、随鏡さんのショットをいただきました
蛮甲も少し映りましたね(笑)
シネマ歌舞伎『阿弖流為』の休憩中のスクリーンです。
♪蝦夷に〜化けて都の〜人に恐怖を植え付け♪
(パラリ〜!ヒュルリ〜!)
♪あまつさえ 罪なき〜人を惨殺し!♪
何回か観ると覚えてしまいそうです
市川染五郎さんが花道で大見得をする直前に歌う歌です(笑)
ちなみに大見得の後に自分で『高麗屋〜」って言うところ、染五郎さんがどんどんおもしろい顔をするようになって、私が観劇した回では勘九郎さんが吹き出していたりもしましたが(笑)シネマ歌舞伎の時は若干…若干?? マジメですね(そうかな?)
無碍随鏡。澤村宗之助さんといえば私は『美人の女形さん』というイメージでしたが、「阿弖流為」ではコミカル三枚目の無碍随鏡!そして今年の「沙門空海」でも妻が化け猫になって気がふれたような旦那さんのお役でしたよね〜。
義経の四天王などもよくお勤めですが。兼ねる役者さんなのかなとふと今頃になって思いました
変則的に始まりました本日のブログですが、シネマ歌舞伎「阿弖流為」
今日も人の入りが多くて、こんな平日なのに60%くらいお席が埋まってて!200人くらい入ってました〜(こないだより多かったです)
おかげで私が取ろうと思ってたお席は取られており、前の方で観ました
前の方も悪くはなかったですよ〜。
まるで最前列でお芝居を観ている気分で
こないだ泣いたばかりですが、今日もめっちゃ泣けました
竜神となったアラハバキの神との邂逅、感動します涙ボロボロの私です(笑)
こんなに猿翁旦那のスーパー歌舞伎の熱を持った舞台!と新橋演舞場で観ていた時もかなり感動したんですよ〜
そういえば生ドラムス(ドラマーさんの姿)は3階からしか見られなくて、ドラマーさん目当てに3階に座っていた人もいたと聞いたことを思い出したりしました。
今日は観劇していた時のあれやこれやを思い出してしまいました〜シネマで観ると自分が観た舞台のことも思い出しますね〜。
新橋演舞場で観劇した時はアラハバキ(立烏帽子)が主人公のように感じてましたが(中村七之助さんの存在感が素晴らしかったので)、映画になるとこの物語は阿弖流為の物語だなぁという風に再認識しました。
シネマ歌舞伎となり、阿弖流為目線で染五郎さんを観ていると、阿弖流為という主人公がなんと魅力的に描かれているものかと改めて思いました
最後、阿弖流為は蝦夷のために自らを生贄(祟り神と為すため)とする覚悟でわざと反撃せずに斬られてたんですね(舞台でもあんなにわざと斬られてましたっけ?)
蝦夷のために鬼となり独りだけで宮中に乗り込み闘うところ、泣けます
あとやっぱり、田村麻呂が鈴鹿の形見を阿弖流為に渡す前の思い入れが好きです。これは舞台で観ていた時には気づかなかった心の動きでして、シネマ化されて初めて気づいたところ。
田村麻呂は自分を助けてくれた鈴鹿に恋心があったと思います鈴鹿の形見を自分が大切に持っていたところでお察しですよ〜。
一瞬考えるところの田村麻呂のアップショットが好きです。シネマ歌舞伎ならではですね〜
こんな苦悩、舞台観劇の時には気づきませんでした。(後ろ姿しか見えず、前を歩いていた田村麻呂は見えなかったですからね)
それから、「帝に会いたい」と言う阿弖流為が田村麻呂と一緒に蝦夷の地を去るところ。
舞台には阿毛斗(坂東新悟さん)
劇場では花道を歩いて行く田村麻呂と阿弖流為をずっと見送っていましたが、舞台上の坂東新悟さんも良いお芝居をしていたんだなと改めて気づいたシネマ歌舞伎。阿毛斗にとっては自分たちの将が敵方に捕らわれて行くも同然。悲しそうで無念そうだったんだなと今回初めて気づきました。そして何回も観ている私は、これで阿弖流為は2度と故郷の地を踏むことはないと知っているので余計に悲しい泣いてしまいました
あとシネマ歌舞伎では客席からの拍手とか笑い声をカットしてますね〜(残しているところもあるけれど)
私が一番残しておいて欲しかった拍手は、蛮甲と熊子が再会するところ。
「くまこ…?熊子か〜〜!!」
(ピアノ音楽が流れピンクの照明、スローモーションで駆け寄る片岡亀蔵さんと熊子)
絵面はシュールなんですが、あのシーンで客席からいつも温かい拍手が起こっていたことは忘れません
あの有無を言わさぬ「おお、良かったね」と思ってしまう説得力!
あのシーンの客席からのじわじわと沸き起こる拍手はカットして欲しくなかったです〜
あと、田村麻呂の明るい気性を表す屈託のない台詞への笑い声がカットされていますね。
「バカじゃないぞ〜 こう見えても」って自分のことを言う台詞。ここは劇場ではクスッと笑ってしまうような可笑しさがあったんですが、シネマ歌舞伎だと笑うところじゃなくなってますね!
あと「わかった! 難しいことは考えない!!」って言うところも、勘九郎さんの言い方が屈託がなくて思わず客席が笑ってしまった台詞でしたが、シネマ歌舞伎だとなぜか笑うところではない!!
田村麻呂に関しては、舞台の時より若干シリアス化されているようなシネマ歌舞伎ですね〜。
かっこよさが前面に出されていると言うべきか。
舞台ではなかなかファニーなところがあって、でもやる時にはやる、そんなイメージだったんですよね。シネマ歌舞伎だと二枚目寄りですよね
それから鈴鹿。
立派なヒロインでした〜
劇場で観た時にはアラハバキがどうしても良過ぎて鈴鹿の影は少し薄めでしたが、なんのなんの!!
田村麻呂と阿弖流為、二人に愛されるヒロインです そして鈴鹿のヒミツを今日私は知りました!鈴鹿は「ハ」の字に眉毛を描いているものかと思っていたんですが、あれはなんと…普通に描いた眉毛を、表情を作ってハの字にしていたんです
今日気づきました!!衝撃でしたハの字に描いていたんじゃないんだ!
七之助さんあのハの字眉毛の能力は素晴らしいちなみに竜雲はどんなにがんばっても眉毛をハの字にできません(>_<)不可能です〜〜
竜雲は困っても 『 \ / 』こんな眉毛です。悲しくて泣いても『 \ / 』こんな(笑)眉尻が下がりません…
それから画像エフェクトについてですが。
蟄居の身となった田村麻呂のところに幽霊の鈴鹿が現れて阿弖流為の剣を指差すところ。
ここは幽霊だからってぼんやりさせるエフェクトをかけられてましたが、、、
七之助さんがこの鈴鹿の時にどんな表情をしていたかハッキリ見たかったんですけど〜〜残念!!
と思ったのは私だけでしょうか??
あと、藤原稀継(坂東彌十郎さん)や御霊御前(市村萬次郎さん)が霊力を使う時にエフェクトがかかってましたが、エフェクトなんてかかっていない舞台で観ていても充分に納得させられるだけの迫力のある演技をされてましたよ、お二人とも
シネマだから分かりやすくするためだと思いますが、舞台でも一切違和感がなかったことを記しておきますm(_ _)m
それから阿弖流為(染五郎さん)が鈴鹿(七之助さん)を守って神の化身の獣(「ヤマトタケル」のイノシシがダークサイドに堕ちたようなあの獣です)を殺すところですが、あの場面も もしエフェクトなしで、そのままカメラの切り替えだけで映していてもかっこよかったと思います。
実際に舞台で観てるときもかっこよかったですからね。でもここはエフェクトがあった方が気味悪さと怖さは増すのかな かなり禍々しい獣なんだなと思いました。
しかし何度観てもアラハバキの神が最期に必死になるところが泣けます…
でも今日はシネマ歌舞伎2回目でしたから、アラハバキの神の時の七之助さんの紅の入れ方とか見ちゃったりしましたね〜(少し余裕ができました)
相変わらず涙は止まらなかったですけど
劇場内に置いてあるアンケート用紙に「アテルイ、DVD化してください!!」とだけ書いて来たのは私です(笑)劇場の接客や設備についてのアンケートみたいでしたがスミマセン
やっぱり松竹にお手紙書かないとダメかしら(笑)
描きたい角度(また例によって自分の一番好きな瞬間で止めて描くアレです)、描きたいシーンがいっぱいあって、ぜひぜひDVD化していただきたいです!
「阿弖流為」はヴィジュアル的にも美しいので大好きです ぜひぜひ幕内の方は内側からもDVD化をおよろしく〜m(_ _)m
それでは皆さん、良い夜を〜