さて、通し狂言『妹背山婦女庭訓』。
所作事の『道行恋苧環』が終わって30分の幕間です。友達たちとは階を隔てていましたので、探しても合流できなくて『いない』『寂しい』『悲しい』とコントのように強引なLINEを送って合流できました強引アピール、可笑しいでしょう(笑)?
友達2人は2階の売店で美味しそうなものを食べてました~。なんでも、2階の売店でカレーライスやオムライスやパニーニを売り始めたんですって!いつから?知りませんでした
ただ、歌舞伎座は休めるところが少ないので立ち食い蕎麦状態で食べなければなりません。それかお席で食べるか。お手頃なカフェテリア的なものがあったらいいですのにね。
さて。『三笠山御殿』からは麗しい坂東玉三郎さんのお三輪なのです
最初は蘇我入鹿の屋敷。入鹿役は竜雲と誕生日が同じの中村歌六さんです←勝手に親しみを(笑)
臣下の赤っ面は坂東亀三郎さん、白塗り臣下は坂東亀寿さん。このご兄弟は美声ですよね~。
そこへ藤原側の家臣、鱶七(ふかしち)がやって来ます。尾上松緑さん。松緑さんが気持ち的に大変な立場だったことを最近知りました。紀尾井町ファンの方は熱く熱く毎日のように応援して差し上げてください 竜雲からもお願いいたしますm(_ _)m
松緑さん、随分お痩せになられていたような。
入鹿は藍隈で、この場面は見たことがなかったので、もしかしたらこの入鹿が殺されるところまで上演してくれるのかなぁ?とチラチラ思いながら見てました。
※そこまでは上演されませんでした。
入鹿と鱶七の件は動きはあんまりないのですが、藤原淡海たちは入鹿の家来にはならないよ。みたいなことを伝えに来たのが鱶七です。後の場面にも出てきます。
入鹿たちが引っ込んだら、橘姫が屋敷へ戻ってくる場面です。平成中村座ではここからの上演でした。
姫を迎える『姫戻りの官女』は嬉しい顔ぶれでした
中村芝のぶさん、市川笑野さん、市川喜昇さん、市川猿紫さん、あとのお二人はわかりませんでした
竜雲はおもだか屋さんと成駒屋さんはわかるようです
芝のぶさん、久しぶりに拝見しました
キレイ~、でもあれあれ?随分丸くなられたような!貫禄のある姿になられていて驚きました
笑野さんの美しさを見るとほっとします 『ワンピース』でも宝塚風で素敵でしたが、やっぱりこの古典的な美しさの方が竜雲は好きです~
喜昇さんは『喜昇の会』で言われていたとおり『笑野、喜昇』の並び順でいらっしゃいましたそして喜昇さんの後ろには猿紫さんが続きます。
並び順ひとつにも、誰が先に名前を貰ったかという序列が表れていて、歌舞伎は面白いものです。
児太郎さん=橘姫も少し痩せられたような。
松也さん=求女が橘姫を追って屋敷まで来るのですが、姫は敵の入鹿の妹でした。
『敵の妹です、殺してください』と手を合わせる橘姫を求女は殺しませんでしたが、今度は姫の心につけ込んで『私と夫婦になりたくば家宝の剣を盗んできなさい』と言うのです。
「そんなの自分で盗んだら?自分がムリなら、姫を危険に遭わせずに手下に盗ませたら?」
と突っ込んではいけないのですね
悪い男です女を利用しまくってます(笑)
それにお三輪と将来を誓ったことはどこへやら。いつの間にか結婚をちらつかせて橘姫の心を試します。
イヤな男…現代の感覚で観れば二股サイテー男なんですが、昔の人はこれが当たり前だったのでしょうか?
源氏物語の光源氏の君は、一度契った女人はちゃんと面倒見てますからね!
軽薄な求女とは違うのでそこが良いのですよ …ということは、やっぱりこの求女がろくでなしなだけなんじゃないのかな。
橘姫は求女に惚れているので「わかりました、命がけで取ってきます」と言います。
児太郎さんは演技の間、相手の顔を見ないで、ある一点をずっと見ていらっしゃるのが気になりました。どうしてだろう?と思いました。客席に誰かいるのかな?
終演後に友達と話したところ、前から見るとあれが児太郎さんが一番美しく見える角度だからそうしているのだろうということでした なんと…知りませんでした、そういう理由だろうとは。
橘姫は「命を落としたとしてもあの世の蓮の上では一緒だよ」と求女に言われて「嬉しい」と喜びます… う~ん。性悪な男です 松也さんがこのお役が良くて、ほんとに「イヤな男だなぁ」とムカムカしてしまいました(笑)
二人が引っ込んだら、花道から玉三郎さんのお三輪です
求女に会いたい一心でやって来たお三輪!なんと行動的なヒロインなのでしょうか
玉三郎さん、可愛い
そこに通りがかるのが豆腐買のおむら
なんと、市川中車さんですよ~
最初は薄衣を頭からかけての登場です。中車さんの初めての女形。
あら、うまいじゃん!と思いました
布を取って、表れた女形のお顔は…猿翁旦那の女形を思い出しました
笑ったら破壊力が凄い
このパワフルさ、やはり市川中車=香川照之さん!!素敵だ…
少し踊りのような動きがありますが、ものすごくお稽古なさったのでしょう。うまかったですよ中車さんはとても頭の良い方ですし、きっと集中力も凄いのでしょうね。
舞台に大好きな玉三郎さんがいらっしゃいましたが、なんだか私も中車さんに釘付けになってしまいました
初日の舞台でしたが、会場中の目をさらって、会場の熱が上がっているのを感じました。すごい…魅せるなぁ、中車さん
短い、ごちそうみたいな豆腐買のおむらですが、インパクト大
花道を軽快に去ってゆく中車さんのおむらには歌舞伎座も大喝采でした
いつもおもだか屋の舞台の時にいる、女性の大向こうの人も三等A席で、掛け声をかけてましたね。特に大向こうの会の人ではないのだな。普通にお席に座ってらしたので(笑)
短い出番ですが、さらって行きました!中車さん… あのニカッと笑った愛嬌、猿翁旦那のそれでしたよ。さすが猿翁旦那の息子さんか!とこの時ばかりは本当に思いました
新たな中車さんの才能を引き出す配役にされた坂東玉三郎さんには乾杯ですね
玉三郎さん、奥が深い…
配役もそれぞれの役者さんを生かす配役にされているのだわ。
そうなると昼の部で美形の門之助さんをゲジゲジ眉毛のおやじに配役された玉三郎さんは、門之助さんの新たな魅力を引き出してくださっているに違いない(笑)
観劇の日が楽しみです
ドキドキしてきました(笑)
さあ、ここからは玉三郎さんのお三輪ちゃんが主役です
長くなったので、今はここまででレポを切りますね☆
それでは、皆さん今日も良い一日を~