今日は歌舞伎座の初日、昼の部を観劇してまいりました~。
中村勘三郎さんの追善興行ですので、建物の中の様子などはまた別の記事で・・・
まずは観劇レポを書こうと思います。
「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」
野崎村・・・名前は聞いたことがありましたが、見たことがなかった演目です。
なんと義太夫狂言のよう。義太夫さんに大向こう「待ってましたー!○○~」
(○○部分聞き取れず)
お光のお役は中村七之助さん。大根を切っているんですが、なんと本物の大根を切ってます
スパン!って葉っぱを落とした時「えっ、本物だ!」ってちょっと笑ってしまいました。
花道から中村児太郎さん。ちょっと見ないうちにお父様の福助さんによく似てきてらっしゃいました。
思うに、口紅の形と、目の紅の入れ方が福助さんっぽかったのかもしれません。
大根を切り続ける七之助さん=お光。なかなかうまい手際。
お染は久松(中村扇雀さん)を訪ねてきました。
お光は久松の許嫁で、いきなりお染という女性に訪ねてこられて気が動転。
お染に「びびびびび~!」という七之助さんが愛らしかったです♪
これは、久松が二股をかけて、女性同士が鉢合わせたというシチュエーションですね!
久松、扇雀さんの立役姿は素敵だけれどとんでもない男だわ
坂東彌十郎さんは久作というお役で、お光の父親。娘の許嫁の久松に肩などマッサージしてもらったりしているのに、久松はお染に気づいて気もそぞろ。
お光が気に病んでいるようなので奥に一緒に引っ込む父・久作とお光。
この演目ってもしかして元が人形浄瑠璃なのでしょうか。本当に義太夫狂言で、なんとなく役者さんの動き方も人形浄瑠璃と重なりました。
久松に「逢いたかった~~!!」と駆け寄るお染。
(えぇ、許嫁と一緒に住んでいる家なのに勝手に入ってきちゃって・・・お染のことがちょっと嫌いになった私)
久松がお染に別れ話をすると、お染は剃刀で手首を切って自殺しようとするのです!
(うわ~、こういう女性、竜雲は嫌いだわ・・・)
別れ話を切り出すと、自殺すると脅す女性・・・現代の世の中でもよくある話ではあります。
私が男性ならドン引きしてしまうんですけど、この久松は「命に代えてそれほどまでに!添われぬ時は私も一緒に(死にますよ)」なんて言うんです。
(なんだかなぁ・・・ 二股男の話かぁ。ありえないでしょ、許せないわ~と、ちょっと冷ややかな目で見てしまってました。竜雲は完全にお光さんの味方ですね)
彌十郎さん=父親 久作が2人に別れるように諭します。
お染も久松も、お互いを思いきりますと宣言。
「やった!娘と久松の祝言だ!」と喜んでお光を奥から連れて来たら・・・
なんとお光は髪を降ろして尼形に!!
観劇中のらくがきです。
七之助さんは可愛かったです。
「全部聞いておりました。二人がそういう心ならば」と髪を降ろしたと。
えぇ~!!お光さんが可哀想。こりゃないわ。
親父様(彌十郎さんといえば颯爽としたお大名役が多いのですが、今回は老け役!本当にお爺さんに見えました)「許せ、娘よ~。夫婦にしてやりたいばっかりにしたことで花を散らしてしまった」と嘆くお父さん。
いや、別にお父さんは悪くないですし。悪いのは浮気男の久松よっと思った竜雲。
お染と久松はただうなだれるだけ。
このお話、理不尽過ぎませんか?
そこに登場するのはお光の母親。中村歌女之丞さんです。
病気のお母さんのために嘘をついて祝言すると言っていたけれど、娘の尼形に気がついて嘆く母。
「申し訳ないので、私は死にます」=お染
「死ぬなら私だ!」=久松
「死ぬのは私だ!」=久作(お父さん)
3人みんなで泣いて、軽く舞台上がカオスに・・・なんだかなぁ(笑)
そこに登場、片岡秀太郎さん=お常さん=お家様=お染の母親。
お染が妊娠していることを告げて、これを。と言ってお菓子の箱を差し出すと、中にはお金が!!
「娘の冥加として受けて欲しい」
ええ~。お金で解決なの~!?なんかドロドロだなぁ。。。
それで結局 お染と久松が所帯を持つことになります。
なんなんだ
「私は尼になったので、この浮世のことは別世界のこと」みたいな意味のことをお光は言って、2人を見送り、障子を閉めて引っ込みます。
不憫過ぎる!なんなんでしょう、このお話の展開は。理不尽すぎますよ。
でも一緒に行くと外聞が悪いので、お染は船で。
久松は駕籠に乗って行くことになりました。
駕籠に乗る扇雀さんに「成駒屋!」と大きな大きな大向こうがかかりました。
で、ここで駕籠かきが軽快なステップで花道を進み始めます。
駕籠かき、2人いるんですが1人は中村橋吾さんです
全然救いようのないお話で、「あ~あ。なんなの」と思っていた竜雲に、この駕籠かきの軽快なステップがどんなにありがたかったか・・・ 音楽もここではちょっと軽快です。
そして「暑いな~」と言って、なんと花道で駕籠かきが腰布以外は全部脱いじゃうんです
ほぼ真っ裸☆ きゃー
この、びっくりのサービスでどよめく場内(笑)
そしてコミカルな動きで汗を拭く動作をします。
そんなサービス満点な肢体で花道を引っ込んでゆく駕籠かきさんたち・・・
このお役って綺麗な体の人しかなれないのかな~なんてちょっと考えたり。どうなんでしょう(笑)
この演目で一番、場内(客席の心)が明るくなるところでしょう。
竜雲にとっては本当に救いのないお話(お光さん派なので)に、唯一の救いのように見えました。
そして舞台にはお光とお父さんの久作。
「ととさん・・・!!」と泣くお光。抱きしめる久作!
幕。
ひどい。なんて可哀想なお話なのかしら
男性の浮気によって、浮気相手に子供ができて、男性が浮気相手の方へいっちゃって、自分は一人この世に絶望して尼に・・・なんて気の毒なお話なんだろう。そして最後まで、お光さんには何の救いもなし。
なんなんでしょう、このお話は。
お光さんが可哀想結局、二股をかけた男性だけが幸せになるお話なんて、好きじゃありません
竜雲的には「ナシ」ですね、本当に「ナシ」!お話としてはキライです。
駕籠かきがいなかったら終始ドロドロの昼ドラみたいな展開です。。。
そっか、昼ドラが好きな人ならば好きかもしれないですか?この演目
皆さんはこの演目に対して、どのような感想を持ってらっしゃるのでしょうか。
竜雲は観劇後、「あの話はナイ!」と言って、ちょっと立腹しておりましたよ(笑)
ひどいお話だわ。
でも私、思うんですけど・・・
敢えて駕籠かきの明るい場面を入れ込んでいる時点で、このお話を作った人も、唯一それが救いだと思っていたからじゃないんですかねぇ。それともそういうアレンジにされたのは後世のことで、この演目が誕生したばかりの時は暗いだけのお話だったのかしら~~??なんて考えてしまいました。
どうなんでしょうね。
なんだかお話としては、イマイチなお話でした。
それをふっ飛ばすサービス・・・それにはお見それしました(笑)
これってそういう演目・・・ってことでいいのでしょうか?
(七之助さんは可愛かったですし、扇雀さんも彌十郎さんも秀太郎さんも児太郎さんも素敵でしたよ。
竜雲が不満なのは脚本です・笑)
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