(ネタバレがちょいちょいありますので、新鮮な気持ちで観劇したい方は読まないでくださいね~)
「龍虎」はあんまりぴんとこなかったんですが、「恐怖時代」は楽しんでまいりました~♪
初日に幕見して、すっかり気に入ってしまった「恐怖時代」
本日は3階の最前列からということで、「肉眼で見えるわ」という気持ちが大きくて、双眼鏡を忘れてしまいましたが、肉眼でも充分楽しめました 肉眼で観劇できるって素敵
今日のMVPはお殿様役(春藤采女正=しゅんどううねめのしょう と読むそうです!初めてわかりました)の中村橋之助さんかな。
殿が一段と残忍に、一段と狂気な様になっていました こんなお殿様の近くに仕えたくないですね~。
酒の肴にと何をさせられるかわからないんですもの!
橋之助さん、うまいなぁ!って本当に思いました。橋之助さん、いい感じに貫録がついてこられましたね♪いい演技を見ると、客席でこちらもワクワクです~♪
でもこのお殿さま、愛妾のお銀の方の命を取られそうになると、「(お銀の方を殺されるのはいやなので)銀のためなら、余が寿命を縮めよう。余の命を取れ」みたいに言ってしまうところ。まぶしいほどの御寵愛とはこういうことを言うのですね~「殿さま、気風もいい男だな」って、この台詞で思ってしまったんですが、そうではない?(笑)そう思っちゃダメですか?←間違ってるw
殿が残忍で「きゃー」と思ったのですが、よく台詞を聞くと、お銀の方が冒頭の方で「あまりわらわにつきまとってうるさいから、こうやって仮病を使っている。殿は例の癇癪を起こして、家来の者を3人手討ちにした」と言っていました。そういう殿さまですよこの采女正は!
それから、梅野(市村萬次郎さん)が殺される時も、流血してましたっけ?
初日あたりではしてなかったような気がするんですが、(してたかな?記憶があやふやなんです)
梅野が殺されてしまうところが一番「きゃ~~」でした。彼女は何の罪もないですからね~。
しかも恋をして、結婚の約束をしていた(と思っている)伊織之助に殺されるなんて可哀想
殿が残忍過ぎます・・・でも橋之助さんはかっこいい。
うわ~かっこいいんだけど、狂気で残忍!そんな忙しい感想を抱きながらの客席です(笑)
でもやっぱりかっこいい。
そんな橋之助さんのお弟子さんの橋吾さんは、やっぱり昨日もぱっと目立ってました。
伊織之助に負けてしまうお役ですが、無理もありません。このお話の中で、伊織之助だけが、誰よりも最強なんですから。。。そんなラスボス級の人と斬り合うお役なのです。
なよなよっとした伊織之助がそんなに強いなんて、反則ですよね~(笑)
中村七之助さんお勤めの伊織之助、お腰元たちがまるで「伊織之助様ファンクラブ」のようになってしまっているところが面白いです(笑)
伊織之助は、ト書きにも「女のような優しい口の利き方をする」と書かれているらしいですが、いつも女形が多い七之助さんにぴったりのお役です。
この「恐怖時代」、最初は薄暗い中でお芝居が始まって、殺しの場面が薄暗い中であって、次に幕が開いた時に初めてぱっと明るくなるのですが、そこで花道から登場なのが中村七之助さんなんですね。
ぱっと明るくなったっていうこともあって、この出は美味しい。殊更に美しく見えます。
ラストは七之助さん無双ですし、しかもめちゃめちゃ強いので、このお役はファンの方必見ですね~。
坂東彌十郎さんお勤めの靱負(ゆきえ)さんを殺して戻ってくるところが面白いですw
「えっ、そんな演出w」って思ってしまいます。伊織之助、強すぎ!
靱負(ゆきえ)さん、お銀の方が心変わりしてしまってから「恋路の邪魔者扱い」なんてかわいそう
きっと8年の間、いっぱい尽くしてきてあげていたんですよ~お銀の方のために!
ラスト、お銀の方と伊織之助が重なり合って亡くなってしまうところ。
「ロミオとジュリエットみたいでロマンチック~~きれい~」って思ってしまったんですが、それは間違ってますか(笑)?でも綺麗でしたよねぇ。
それから昨日もやっぱり「芝のぶ!」の方がいらしてました。
中村芝のぶさんお勤めのお由良が死んでしまうところ、本当に綺麗なんですよ~。血は出てますが、それでも綺麗 その綺麗なところで「芝のぶ!」の大向こうがかかってました。
初日もそうだったかな?って思ったところは、倒れる時にお父さんである珍斎の手を取って倒れていたところです。(「あっ、手を取った」と思ったんです)
昨日のお客様は、初めてご覧になる「恐怖時代」どんなものか!?と思っていた方が多そうな感じで、水を打ったように見ている方が多かった感じでしたが、この珍斎(中村勘九郎さん)のおかげで、かなり客席の空気も和らいで、笑いに包まれてました~。
このお話唯一のムードメーカーですものね。梅野(市村萬次郎さん)も可愛らしくて、ちょっとムードメーカー的ですが
片岡亀蔵さんは一癖あるお役がはまりますね~。
妙にクセがあって、お銀の方に8年前に痛い目に合わされている風ですが、でも色香に負けて「わたしを喜ばせてくださいよ」なんて言い始めてしまう・・・懲りない人だなぁ。
だから死んじゃうんですよ~!
お銀の方の扇雀さんの「えっ、こんなの歌舞伎で着た人いるの、という色の衣装」は、薄いエメラルドグリーンのパールみたいな艶の入った衣装のことですね、きっと。中国の楊貴妃とかをイメージするようなお色でしょうか。
私が「えっ、こんなの歌舞伎で着た人いるの」と思った色は、梅野(萬次郎さん)の着ていたパールピンクの衣装です(笑)あらあら、ピンクですよ。しかもパールピンクですよ( ´艸`)と思いました。
恋する梅野が、恋しい伊織之助様に会いにゆく時がこのピンクです☆ 恋する女性はピンク色のイメージってことなのでしょうか
「私は歳が10も上で母親のような年齢だけど、ほんとにいいの?」なんて、かわいい~(≧▽≦)これぞ恋する女性の心理ですね!この台詞はなかなかリアルだなって思いました(笑)
幕が開いてから随分残忍ですが、実は可愛い女性ですよね(だから配役が萬次郎さんなのか~)
お銀の方は、台詞回しを少し変えられていたような。より歌舞伎的、より歌舞伎の花魁みたいな言い回しにされていたかも。
そして上演時間は5分ほど短縮されてました。舞台転換がよりスムーズになったのでしょうか?
視覚的にはほんとに、「この演目、ずっと薄暗いまま進むのかなぁ」と思っていた人をぱっと光に包む、春藤家奥庭が一服の清涼剤みたいで綺麗ですね♪
私はこの「恐怖時代」を妙に気に入ってしまいましたが、そういえば私はクエンティン・タランティーノの映画が大好きでした!
悪役が残忍なんだけどもかっこいい、いっぱい血も出る、ユーモアもある、最後はみんな死んじゃったりもする。時には主役も死んでしまったりする。
とってもタランティーノ的ではないですか!?
タランティーノの映画が好きな方は「恐怖時代」もきっと気に入ると思います♪
それでは~
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