第二幕レポ その3@「空ヲ刻ム者」松竹座での大千穐楽 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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ここら辺から時系列が若干あやふやになってまいりますが、舞台を思い出しながらレポ。

京。

オババは伊吹を手押し車に乗せて京を歩きます。双葉たち一団と遭遇して、十和とも会えました。

伊吹は腕の傷からばい菌が入ってすごい熱で死にそうな様。
それでも十和と伊吹は再会を喜ぶ。。。 

私、この2人のシーン、千穐楽が一番泣けました。最前列で観た時にも泣かなかったのに、なんだか千穐楽は泣けて泣けて仕方ありませんでした。
仏像なんか大っ嫌いだ!今だって仏像を彫っていない。ときっと思っているけれども言えない十和に、伊吹は語ります。
「十和様が笑うと、仏様も笑ってくれます。」 「お願いです、仏様を嫌いにならないでくださいね」 

十和は自分のせいで、もう鐫(のみ)を持つことのできない伊吹に謝ります。
「謝らないでください、私の腕はここにありますから」と十和の手を取る伊吹。
(千穐楽はいつもにも増して福士さんが台詞を大切に言ってらっしゃったようで、ぐっときました)

もう目も見えなくなっているのに、「十和様が彫った仏様が見たいなぁ・・・」 

(泣かせるなぁあ~~~~!!)
私、ほんとに千穐楽のこの件、ぽろぽろ泣いてしまいました泣く
千穐楽が一番泣けました。十和も、伊吹の頭を撫でてあげたりしていて(最初の頃は撫でてなかったと思います)、本当に大事な存在だとお互いが思っているのが伝わりました。いいシーンでした。

花道にスポットライトが当たり、なんと綺麗な笑三郎さん(十和の母親の菖蒲)が!
第一幕では笑三郎さんは病で死にそうな体なので、そういう化粧なのですが、この花道が見違えるように綺麗でした~!「元気だった、十和?」 

十和は相変わらず「貴族の仏は欲で満ちていて、あんなものに仏性は宿らない!」と。
「仏像に罪はないと思うんだけど」と菖蒲。

「仏像を壊してどんな気がした?(優しいトーン)」と訊かれて、やめてくれよ、と言わんばかりの気まずい十和は答えません。「どんな気がした?」 

仏像を壊してどんな気がしたかって
       聞いてんだよ歌舞伎隈取!!

いきなり修羅と化す菖蒲さん・・・あせる「え~!?うっそ~!?目」と思って、意表を突かれて、私はこの場面、すっごいニコニコして観てました。いきなり人が違っちゃって!最高~(笑)
これって、幽霊になったから人が変わったってこと? 
それともそんなにまで十和に怒っているってこと? 

それとも・・・十和の見ている夢?(千穐楽の時には舞台の十和(猿之助さん)は顔を下げたままで、眠っている風だったので、夢だったのかなと(笑)

この場面を見て、私は笑三郎さんに怪談の演目を演じていただきたくなりました。綺麗なままで、かつ怖さを出して・・・笑三郎さん、上手い役者さんですよね。前に相模を演じられた時も、私は観ていてボロ泣きしてしまいました。この花道の菖蒲もかなり難しいと思うんですが・・・素晴らしかったですキラッ笑三郎さんはやっぱり上手いです。

十和がまたヤケになって仏壊しに出かける!と言うとこで転換。

舞台上には長邦、稀久。花道に一馬。
門之助さんの出です~ラブラブ チグリ沼に盗賊がいるから討伐せよとの命を下すのです音譜
稀久(猿四郎さん)は、袖を内側に巻き込んで立っていて、独特の立ち姿。

「賊がいようといまいと、その村は焼き払え」と長邦。
なんと~ラブラブ ここまで門之助さんお勤めの長邦がいい人だと思ってきた人(初見の時の私とか)は、この台詞で「えっ!?あれっ?」と思うところでした。

それでは賊が逃げて農民が死んでしまいます、と反論する一馬。
「そうかもしれないが、自分たちのせいで村がひとつ焼かれるのだからいい見せしめになる」というようなことを言う長邦。

(えっ、あれっ?これってやっぱりちょっと悪い人なの?)

「綺麗な手のままで大事を成し遂げられると思うな!もっと先を見ろ!!」
らぶ1 門之助さん、声を荒げて、なんてか~っこいい~~~ラブラブ恋の矢

「(戸惑って返事をしない一馬に苛立って)時子から聞いておろう。私がこの先何をしようとしているか・・・汗 
どうだ、時子は?あれはいい女だろ~~顔(門之助さんはこの時点では既に『怪演』の域に達していらして、本当に素晴らしいキラッ) そう・・・思わぬか?」(この辺まで『怪演』でした)

(うわ~ 悪~~いキラッでも素敵~~キラッ

思います、と一馬。

「わかったらすぐに支度にかかれ!(←そんな感じ。うろ覚え) 全ては民のためだァ!!
と、この台詞で表情も一気にかっこいいボスになるのですから、門之助さんは本当に素晴らしい。怪演の時のお顔とは別人のよう。素敵だわ~。芸達者だわ~顔文字

か~っこいい~~~らぶ1恋の矢 「全ては民のためだァ!」迫力にホントにしびれましたね。立ち去る姿もか~っこいい!!私が惚れた方ですもの~ラブラブと、ファン冥利ですよ(笑)鼻高々って感じでしたエヘ 

門之助さんの、こんなに色んな表情が見れるなんて~ハート
そりゃ~遠征をするわけですよね(笑) 私は今回を逃してはならないと思いました。このように美味しいお役は、本当に逃してはいけません。本能的にそう思ってました。門之助さんが美味しいお役だったので、私はこんなにも何回も観に行ったのですよ~チョキ 

門之助さんにとっては、初の大敵役で、「悩みながらやってる」ってことでした。
お役がどんどん進化していく様子も、ずっと見守って、ずっと楽しんで、ずっと声援を贈っておりました。
普段の歌舞伎だと型がありますし、自分でお役に自由に色付けをされることもないですものね。それだからこそ、私も今回は本気応援、全力応援でしたよチョキ(いつもが手を抜いているってわけじゃないですけども・笑)そうしたかったのです。

クラッカー瀧乃屋~~!!クラッカー (大拍手)


私、やっぱりここまで展開を覚えてますね・・・それはなんでかといいますと、門之助さんの出の前はこう、引っ込まれた後はこの場面、というのが映像として、それからBGMなども含めて記憶にインプットされているからなんですチョキ そう、門之助さんを中心にしているから覚えているというわけなんです☆

オタクって素晴らしいキラッ そう思いませんか?
大好きな門之助さんのことだとこんなに覚えているんですね~ラブラブ(のろけですか?)

門之助さんの出と引っ込みという核があって+その前後というインプットの仕方でした。記憶術の参考になるかと記しておきます(笑) 

場面変わって、十和と双葉がひょいっと顔を出したところ・・・それは・・・ 

仏師 九龍(くろう=右近さん)の工房でした☆
十和と大切な師との出会いはもうすぐです!

で、こうやって書いてみると、ぴょこんといきなり頭を出した風の十和と双葉ですが、その前の出番で「仕事に行く!」「またヤケになってるね!」と言ってい るので、つながっているんですよね!書きだしてみて「おお、つながっているんだ!」と思いました。舞台で観ているだけだと、場面転換がけこう多くて時系列 がはっきりしないような錯覚を受けるんですが、ちゃんとつながっているんだ~目

右近さんが口上で「自分の出番は第2幕の第9場」と言ってらっしゃいました、確か。
なので、次のレポは第2幕第9場からです(笑)

というわけで、切りがいいのでこの辺で~

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