11月20日、明治座 十一月花形歌舞伎 夜の部の「権三と助十」の観劇レポ+スケッチで~す。
皆さん、来月のお稽古や準備で、もしかして心ここにあらず?
そうでしょ?きっとそうでしょう
面白かったですよ。色んなハプニング続出で。
「まぁまぁ、どうしたのかしら今日は」って感じでした~♪
※これから楽日までに観に行く方は、読まないほうがいいかも。
ネタバレ?含みます※
私は3回目の舞台拝見になりますし、お目当ての門之助さんの出番は最後の最後のほうですし。と思って、それに舞台上も力が抜けている様子。(ハプニング続出なので色々面白かったですけどね)こちらも気が楽でしたので、紙を取り出してスケッチしたりしてました♪
あと、色々メモったりしてましたー。
笑也さんの
「にょろにょろした動き」
笑也さんの動きが随所で面白かったです。笑也さん、コメディいけるなぁ
右近さんが老け役メイク!
あばら骨まで描かれているのが仕込みが細かい。
この絵、けっこうよく描けました~。(※観劇中のスケッチにしては)
オペラグラスで覗きながら描きましたよっ
右近さんの手ぬぐい。澤瀉の文様でした。
こんな文様。
獅童さんがまず台詞をかんでしまって指を立てて「(もう1回)」と、言い直しw
助十との言い合いの時もいつもより舌が回らなかったらしく、「今日はうまくしゃべれないんだから!」って言ってましたw
すると今度は笑也さんが台詞が飛んでしまって、何やらつじつまの合わないことを喋り続けてらっしゃいました(なんて言ってたかな?)、そこで夫役の獅童さんが「お前まで何言ってるかわかんない」とツッコミ。 場内、もちろん笑いw
笑也さんのアドリブが随所に。
「お前さん、瓦版を読んだことあるかい?中村獅童っていう役者はね、それはそれは苦労をしてきたんだよ」みたいな台詞。夫役の獅童さんがそれを受けて「俺は中村獅童は大っ嫌いだ!あんな女ったらし」
場内爆笑w
笑也さんは面白かったですね~。「澤瀉屋一可愛い女形さん」のイメージが変わっちゃう?
新境地って感じで、こういうのも面白いですけどw。ちゃんと正統派なお役もできる方ですものね。
助十(松也さん)とハチ(弘太郎さん)の喧嘩を止めるところ。「喧嘩なんか良くないよ。一体どぉ~~したの」と歌舞伎口調な感じで割って入るところも面白かったです。それからイントネーションを軽~く言って、薄情な感じに聞こえて面白かったところは、獅童さんに「なんだその言い方」ってまたツッコまれてました。
猿弥さんの勘太郎は、なんと帯をはぎ取られてしまい!
(あれ?最初の頃に見た時にはそういう演出はなかったぞ~)
「待てよ!なんで着物を脱がせるんだ!」と。これはアドリブなの?新演出なの?
でもいきなり脱がされたわりには、ちゃんと刺青模様の薄い服(服というか、肩とか腕のところだけ刺青模様が入っているもの)を着てらっしゃいましたし・・・ 仕込み!?
で、勘太郎は権三と助十に縛られるんですが、縄が喰いこんで痛かったらしく
ほどかれた猿弥さんが「乳首が痛ぇよ!」と。(これはアドリブですよね~?)
そんなハチャメチャ?な状況でも颯爽と、顔色ひとつ変えずにキリリとしてらっしゃる門之助さん かっこよかった~~ 私のありったけの気持ちをこめて「瀧乃屋!」と言いました。もちろん大拍手。私の心からの拍手は、まず第一に門之助さんのためにあるんですもの
大好き、門之助さん
右近さんの家主さんも、ハチャメチャで収集がつかなくなりそうなアドリブの応酬の中で、話をもとに戻す役割をされてました。やっぱり締めるとこは締めますよね。みんながあっちゃこっちゃに行ってしまったら、本当に収集つかなくなってしまいますもの。
そんな感じだったので、こんなにアドリブが多くてハチャメチャな世話物は初めて見たなぁ、と(笑)
笑也さんのアドリブ、本当に面白いですけどね~。立派なコメディエンヌです!
門松さんは、やっぱり美味しい役どころだと思えます。
ピヨピヨ鳴く猿は、権三(獅童さん)と女房のおかん(笑也さん)の喧嘩で、背負った台から落とされてました。お猿さんも美味しい役どころ。あの猿の声、どうなっているのかなぁ。どこで出ているの?
でも、全体的に見た時に、どうしてこういう感じになったのかな?
門之助さんとか右近さんとか弘太郎さんとか門松さんとか笑三郎さんとか、長屋の人たちはみんなきちっとお役をこなされていたと思う。
権三と助十は・・・もともとのキャラ設定がわかりません(笑)
『獅童さん&松也さん』に見えましたw
アドリブも多かったですしね。この点については、脚本だけだと面白味の少ないお芝居になってしまうので、膨らませていこう!っていう改変だと思ってます。
門之助さんのお役も、元々の脚本だけだと「それ、引っ立てい!」が最後の台詞で、かっこいいキメ台詞の「お前ら・・・やるじゃねぇか」っていう台詞はないんですよね。膨らませてくれてありがとう、と実は思っております
きっと全体を通して、各所にそういう演出を含んでいる(サービス心溢れた)今回の明治座だと思います。
それがどんどん勝手に育っちゃって育っちゃって・・・かな。
舞台は生き物といいますが、もう果てしなく膨らんでますものね!(笑)
正統派の歌舞伎が好きな方は「見てられない」かもしれません。
役者さんの素がちょっと見えるっていう意味では、ファンにとってはある意味嬉しい舞台?? その辺の評価は分かれると思います。
あと猿弥さんも黒だか白だか判らないお役、本当にうまかったですし、きちっとこなされてました。ちょっと怖い感じを漂わせつつ、口ではいいことを言うんですよね。なかなか難しいお役だと思うんですけど、そのさじ加減が上手いです。
それから『コメディエンヌとして開花した笑也さんを堪能する』目的なら、超面白いですし、超貴重な舞台です☆
市川笑也さんて、お見かけする限りは真面目そうな素顔ですが、実は面白い方なんだろうか!?面白い人にしかあんなに面白い動きはできないでしょう?
(笑也さんファンの方もきっと嬉しいかな。いつものお姫様のお役柄とは別の顔が見れる演目、そしてアドリブが多いとくれば・・・)
でも、全体的にはなんだかシッチャカメッチャカな印象だったのは、心ここにあらずだからではー!?
なんて思っちゃいました。
だからといって決してこれは辛口批評ではありません。
こちらも気楽に見てましたので。だからこそ「そうだ、スケッチしよう~」って気になりましたし♪
でもなんていうのかな。まるで「初日」の舞台を観ているような、皆さんのトチリ様
あれあれ、今日はどうしたのかしら~?って感じでした。
歌舞伎の世話物、新歌舞伎というよりは、なんでしょうね?
歌舞伎役者さん勢ぞろいの新喜劇?みたいな。
なんだろう。
主役2人のライトさから、こういう軽~~い感じのお芝居になったのかな?
(獅童さんも松也さんも、『重厚』な雰囲気の方ではないでしょう?)
これ岡本綺堂の作品ですよね。
「小栗栖の長兵衛」は、市川中車さん主役で拝見したことがあります。
皆さんご存知のとおり、中車さんは本当に真剣に初めて勤める歌舞伎の舞台に取り組まれて、「小栗栖の長兵衛」もちゃんと新歌舞伎になってました。最後に拝見した時なんて立派なものでしたね~。
「権三と助十」は、過去に上演されたことあるのかなぁ?
過去に演じられた舞台はどのようなものだったんだろう?
たとえば中村勘三郎さんが権三なり助十なりを演じてらっしゃったらどんな風になったのだろう?
な~んて考えたりして。
歌舞伎には珍しく、自由な舞台で御座いました。
ある意味、新鮮。ある意味、びっくりでしたよ! (笑)
こんなに皆さん(全員じゃないですよー)が気楽に演じられている舞台が、歌舞伎では他にあっただろうか!?ビックリマーク!!
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