とにかく、今月の国立劇場は本物の親子でいらっしゃる松本幸四郎さんと市川染五郎さんが熊谷次郎直実と熊谷小次郎直家の親子を演じられる点が、めちゃくちゃツボです!
親子のための演目には「連獅子」が一番に挙げられますが、「一谷ふたば軍記」も親子で上演されると殊更に良いですよ (内容が悲しいものなのでお祝い演目には向きませんけれどもお祝いは連獅子でいいですよね)
「熊谷陣屋」は親の気持ちを味わう演目ですね。
私は誰の親でもありませんが、それでも相模(母親)と次郎直実(父親)の気持ちを思うと泣けて泣けて仕方ないのですよー。
先日の鑑賞の時も、オペラグラスで舞台を見ながら涙がはらはら止まりませんでしたもの!
私は、この演目は涙なしでは見れません
何回見ても泣いちゃって・・・
特に可哀想なのは妻の相模です。
息子を追って100里歩いて陣屋にやってきて、ご対面したと思ったら首だけと変わり果てている姿なのですもの。そんな可哀想なお話はありません!! 愛おしく息子の首を抱いて嘆くところはたまらないですよ。
そして今回は澤瀉屋さんの型ではありませんので、直実と相模は一緒に引っ込まないのですよ。
直実は僧形になり、ひとりで花道をひっこみます!
「あれあれ!?相模は!?置いてっちゃうの!?」と思いました。
息子をいきなり失ったばかりか、夫までもいきなり僧になって去ってゆく・・・ いきなりこんな重大事件が立て続けに起こるなんて、全く相模が気の毒でたまりません。その後が心配になってしまう終わり方でしたよ。友達も「ひとりで去って行くなんてありえないね!ひどい!」って言ってました。
澤瀉屋さんでは夫婦一緒に引っ込みという形にしていますが、観客の心もそれで随分救われていたのだなあと思いました。多分、直実も相模も救われてました。
まあ、従来どおりの今回の型だと、熊谷次郎直実の悲しさ、寂しさも強調されているので、そういう意味で直実の心を思うと余計に泣けたのですが。
息子の首を自分の手で刎ねてしまった悲しさを一人で背負うっていうのが強調されるので、松本幸四郎さんおひとりの引っ込みも泣けて泣けて仕方ありませんでしたよ。「十六年はひとむかし~ 夢であった」も一際身につまされました。花道の場面で、また私は涙していました。
そうですね、熊谷次郎直実の心に泣きたいならば、ひとりの引っ込みのほうがインパクトはあるかも。
でも相模を思うといたたまれないので(泣)かわいそ過ぎますよ!
「それはないよ~。相模は!?」と絶対思ってしまいます。ご覧になられた方はどう思われましたでしょうか。その点、気になります。
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