政岡@「伽羅先代萩」について | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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絵師のはしくれ、西本竜雲のブログです。自分で描いた歌舞伎役者絵をこちらでご紹介させていただきます。ほぼ毎日歌舞伎関連のことを綴ってます♪★励ましのお便り、歌舞伎の役者絵(油絵)のご依頼等はryuun . kabuki . pictures@gmail . com まで♪←スペースなしで

現在、京都南座の「五月花形歌舞伎」の夜の部で上演されている「伊達の十役」の中に「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)というお話が入っております。

お殿様のご子息の鶴千代君(つるちよぎみ)を育てているのが乳母の政岡という女性で、この政岡は女形の歌舞伎役者さんにとってはけっこうな大役なのですって。「乳母政岡(めのとまさおか)」とか「政岡(まさおか)」と呼ばれていたりします。

名女形の五代目 中村歌右衛門さんの当たり役でもあるのです。
お話としても有名なんですよ。

皆さんはこの政岡っていう役の女性は好きですか?私は、特に政岡好きというわけでもありません。

政岡は竹に雪が積もった模様の着物を着ている役です。
この柄を見ると「ああ政岡だな」と思います。

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参考画像:坂東玉三郎さんの政岡
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もひとつ参考画像
六代目 中村歌右衛門さんの政岡(ちょっと可憐かも)

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今回の「伊達の十役」ではこの政岡も十役のひとつなので海老蔵さんが演じられています

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この演目は鶴千代君、千松(せんまつ)という2人の子供が可愛いです音譜 
2人とも「おなかがすいた」「ひもじい」というところから始まりますw 

鶴千代君は、雀の子が親から食べ物をもらっているのを見て「あ~ 雀の親が子に何かを与えよる。世もあのようにままが食べたい」と雀の子を羨むところが可愛いのです(笑) (お殿様の子が雀の子を羨むとはw)

で、 政岡は自分の子に『お殿様のためならお毒見役を進んでするのですよ』、と常々教えて育てているのです。「お衆のためなら喜んで毒も食べます」というような ことを言う千松を政岡が「強いぞ」と誉めるのですが、それをきいた鶴千代君が「千松よりわしが強い」と言うのもまた面白くて可愛いのです(笑)

お家転覆を狙う悪者が仁木弾正(にっきだんじょう)という妖術使いなのですが、その妹が八汐(やしお)といって、やはりお家転覆を狙う悪役。
八汐も難役なのです!今回の「伊達の十役」の中では市川右近さんが演じられてます。

途中に栄御前が管領家からの上意を伝えるために屋敷にやってきます。
そして管領家からのお菓子を出すのです。空腹の鶴千代君が食べようとすると止める政岡。
「なぜ止めた。管領家からのお菓子を疑うのか」という栄御前。

そこへ政岡の子の千松がやってきてお菓子をむしゃむしゃ食べてしまいます!
そのお菓子には毒が入っていて、千松が苦しみだすのですが、お家転覆の毒殺計画がばれてはいけないと八汐が問答無用で千松の喉に刀を突き立ててしまいます。

「将 軍家からの菓子を食べたからだ。お家のことを考えた八汐の忠義です~ ほ~ほ~ は~は~(←笑っています)」と言って悪魔のように笑います。(こわい)  そして政岡には「これでも何ともないのか~」と言って、政岡の目の前で千松をなぶり殺しにするのです。(ひどい話なんですよ)

それでも政岡は顔色ひとつ変えずに鶴千代君を守ります。

政岡は、後でひとりになってから立派にお毒見役を勤めた子供の千松を誉めるのですが、やはり我が子を失った母親としての気持ちが表れて子供の亡骸を抱きしめて泣くのです。この辺りが政岡の見せ場なのではないかと・・・ 

海老蔵さんも「伊達の十役」の中でお勤めでしたが、多分この役って難しいお役なんだろうな~~と思いながら見ておりました。普段外に外に出す演技の立役の方には、内に押しとどめた女形の更に胸に秘めた感じは全然違うではないですか。普段やり慣れないお役は、難しいですよね。

「政岡かわいそう、泣けちゃった」。そこまでいくのはかなりのレベルの女形ではないかと思います。そう思うと、同じ義太夫狂言で昨年夏の澤瀉一座巡業(もちろん我が君様もご出演ラブラブ)で相模を演じられた市川笑三郎さんはうまかったのではないだろうか。私は号泣しておりましたから。もちろん「熊谷陣屋」のお話は反則と思えるほど泣けるお話なのですが(笑)

(※この人の政岡が良かったよ、っていう情報などございましたら寄せていただければ幸いです音譜

政岡というのは随分男らしいきっぷの役柄だと思っているのですが、実際はどうなのかしら。
女形の大家が演じられても、政岡は男前な女性なのかしら?

男前の政岡が、子供の亡骸を抱きしめて泣くところで、それまでのギャップを楽しむのが観客の醍醐味なんだろうか~~。いきなり儚い女性の顔になって泣かれたら、見ごたえがあるのかな?鉄の女が一人になると弱さを見せて泣いてしまう、なんて・・・映画でもそんな場面を何回も見たような(笑)
「政岡がかわいそうで涙が出ちゃった」いつかそんな「伽羅先代萩」を見てみたいものです。

我が君様、いつか政岡やってくださらないかしらハート
(門之助さんは「熊谷陣屋」の相模も演じられたことがあるのですって。義太夫狂言の嘆き役もうまくていらっしゃるのではないかとラブラブ(私はその相模も拝見できていないので、ぜひそういうお役も見たい!)期待しながら待ってま~す) 

(※ブログ主はひたすら門之助さんに惚れてますので、勝手な願望を書いておりますが、皆様、どうぞ許されよ~~音譜

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