おはようございます☆ 東京は曇り・・・最近の天気はおかしいですよね。日本で竜巻が頻発とか、異常過ぎますね。最近雨ばっかりですし。気持ち良く晴れて欲しいものですね。
さて、今日は今月イチオシの歌舞伎について書こうと思います♪
5月1日~25日まで新橋演舞場で上演されている
五月花形歌舞伎 「椿説弓張月」(夜の部)
こちらが本当におすすめです!
「椿説弓張月」は、あの「南総里見八犬伝」の作者の滝沢馬琴が原作で、今回上演されているのは三島由紀夫の脚本・演出による三島歌舞伎という・・・ 美味しくてたまらない演目なのです。
【歴史的には】
源為朝は、源為義(いま大河ドラマでは小日向さんが演じてらっしゃいますね)の八男です。平清盛によって伊豆に島流しされた源為朝は32歳で生涯を終えるのですが、この為朝が「吾妻鏡」では「無双の弓矢の達者」と書かれたほどの豪腕だったらしく、島渡りの伝説が生まれ伝えられるようになったそうです。
【お話】
・上の巻 伊豆国大嶋の場
この幕では一貫して「静」の演技。為朝は島の妻の死を知り、自分の子供の首を刎ねる(介錯)という悲運に見舞われる。息子の為頼が、子供であるのに武士としての道徳で物事を判断しているのが天晴れに思いました。しかし武士道とは現代の道徳で考えてしまうと残酷な面もあるなぁと思わずにいられません。
・中の巻 讃岐国白峯の場
肥後国木原山中の場
同じく山塞の場
薩摩海上の場
自分はこの中の巻が一番、見ていてワクワクしました。スペクタクルですよ!ファンタジーですよ!
中の巻が一番好きです。
特に素晴らしかったのは亡き崇徳院、為義、藤原頼長の霊が登場するところです!周りの方々はどう思っていたかわかりませんが一人で「おお~!すげ~!!!!」と感動していたものです。絵的にも綺麗。ただならぬものが降りてきた感じが伝わるのです。ここは必見かと。
場面が肥後国に移ると、ようやく初めてヒロイン白縫姫の中村七之助さんの登場です。
御簾が上がって七之助さんが出てきたところはパアッと華やぐ感じです。とはいえ浮かれた場面での登場ではなく、裏切り者を罰するため冷酷な面も見せる日本女性の残忍さが描かれるんですね~。
裏切り者をお付の人に処罰させながら、白縫姫は夫為朝との思い出の曲を琴で爪弾くという・・・
恐ろしいw
七之助さんが琴を弾かれるのにびっくりしました。歌舞伎をやってらっしゃる方はお琴や三味線なども当然のように嗜みとしているものなのでしょうか。
そして時が過ぎて、為朝と白縫姫、息子の舜天丸(すてまる)は海へ出るのですが、この海のスペクタクルが素晴らしい!! 実際に舞台には大きな船が揺れ、大魚まで出てくるんです!
大魚はかわいらしい感じですが、竹で体のしなやかさを作った小道具さんの力作だそう。
白縫姫は荒れ狂う海を鎮めるために入水するのですが、その魂が蝶になって飛び立つのです。そして後に息子が危機の時にその蝶が導いてくれるのです。よくある話のようで、ベタな話のようですが、私は感動してしまいました。
・下の巻 琉球国北谷斎場の場
北谷夫婦宿の場
運天海浜宵宮の場
琉球国(沖縄)が舞台です。
真ん中の場はスペクタクルはなく、「歌舞伎!」という感じの敵討ちものです。第2幕のままスペクタクルかと思っていたら面くらいました(笑)
最後の最後、源為朝は白馬(天馬)に乗って去って行くんですが、その去り際の花道での市川染五郎さんが映えますね~。為朝は主人公でありながら、そこまで大活躍しているイメージがない(イノシシを捕らえたりという見せ場はあるものの、海では翻弄され・・・琉球では敵討ちのサポート役)のですが、このラストの花道がめちゃくちゃ良いのです!かっこいい!
【いろいろ】
染五郎さんといえば、昨年ジゴロの役っぽいのばかり拝見していたのでw てっきりそういうカラーの役者さんかと思っていましたが(失礼) 4月の「仮名手本忠臣蔵」の大星由良之助に続き今回の源為朝で、すっかりそういうイメージもなくなりましたw
絵的には源為朝のビジュアル好きですね~。「椿説弓張月」の原作イメージのまんまで。
3F席からだけ見ればいいかなと思っていたのですが、これは良い席で見ておかないとと思ってまた見に行くことにしました♪
先日、新橋演舞場の帰りに子女が2人「すぐ切腹しちゃったね~」「ね~」と話してました。切腹した人・・・それは中の巻の片岡愛之助さんでした。彼女らは愛之助さんファンだったのですねw
歌舞伎はすぐ切腹によって途中退場があるので、出番が少なくて悲しい時もありますよね(笑)
椿説弓張月は、終わったのが21時10分くらいだったと思います。見に行かれる方はお時間に余裕を持ってゆっくり歌舞伎ナイトでお出かけくださいね~