旅空 ~そらとあおいの世界大冒険~
カンボジア プノンペン編(2015.3/6~3/13)
※長文&少し重いテーマになります。写真は優しいのだけ載せます。
シェムリアップからバスで初の陸移動。
交通事情が悪く車やバイクが両車線からお互いに抜きまくるので、センターラインで何度も正面衝突しそうになった。
ガンガン飛ばすのでバスの一番前の席は怖いながらも見晴らしは良かった。
まるでゲームの世界のようだったが、そのうち慣れて家族全員で爆睡した。
7時間のバス移動はなんだかんだ刺激的で楽しかった。
旅に出てから初めてのイオンへ行った。
子供達はキッズコーナーで大興奮。地元の子供達とも仲良くなりたくさん遊び、連れてきて良かった。
公園で嫁が葉っぱで何かを作り出し、子供達のヒーローになった。
俺もエアーズロックでしげさんに貰った魔法のわりばしでマジックをして、ヒーローになったぜ。
子供達が純粋無垢で最高に可愛かった。
カンボジアは悲劇の国なので、これからその笑顔を絶やさず、元気に平和に育って欲しいと願った。
今回プノンペンに来たのは、「トゥールスレン」と「キリングフィールド」に行くのが目的だった。
行くと決めてから、映画やDVDを購入して見て学んできた場所だ。
世界史で習ったかもしれないが、詳しくは知らなかった情報なので簡単に説明します。
ポルポトが1974年から1978年の4年間、理想とするぶっ飛んだ原始的共産主義を作ろうとして
知識のある邪魔者を大量虐殺した話です。
その数800万人の人口に対し200万人。1/4の罪のない普通の人々が犠牲になった。
日本で例えると、1億3000万の人口なので3000万以上殺された計算の比率になる。
どの家庭も、家族・親戚で殺されていない人はいないレベルだ。
医者、教師、外国語話せる人など知識がある人は皆殺され、しまいにはメガネを掛けているから
頭が良さそうという理由だけで、沢山の知識ある大人が殺された。
ポルポト政権崩壊後の人口比率が本当に異常で、15歳未満の人口が85%の国になっていた。
それだけ全く罪のない大人がイカれた思想で罪人とみなされ殺された。
こんな事、日本人はあまり知らないんじゃないかな。。
同じ東アジアの国でこんなにも恐ろしい悲劇があった事を。
しかも遠い昔ではなく、俺が生まれてから起こった40年以内の出来事。
4年間のうち罪のない人々を20,000人以上収容したトゥールスレンという刑務所があり、
そのうち生きて帰ってこれた人はたったの7人でした。
実際の場所は空気が非常に重く、拷問部屋では身震いする程の悪寒が走った。
写真では沢山の子供も写ってあり、希望ある目をした少年を見て胸が張り裂けそうになった。
ここに連れてこられた人は残酷な虐待の末、キリングフィールドに行き殺された。
カンボジア人がカンボジア人に対し行った事実です。
同胞を殺すなんてありえないが、殺さないと自分も殺されるという地獄の末の恐怖の出来事らしい。
※簡単でもう少し詳しいもの。写真等閲覧注意。
http://burabura.uchiyamahiromi.com/?eid=33
「キリングフィールド」
カンボジアには300程のキリングフィールドがある。
罪のない人が大量に殺された場所だ。
ここでは音声ガイドが2時間近くあり、当時の事を深く知る事が出来た。
聞きながらあまり広くない敷地を歩き、実際目の前にすると、その事実に胸が押しつぶされそうだった。
未だ地面に埋まっている人骨や服の切れ端を見ながら、これが人間の行った事なのかと深く深く心が傷ついた。
この地球上で同じ様な悲劇は絶対に繰り返してはならないと天に願った。
※簡単でもう少し詳しいもの。
http://sekainotabi.jugem.jp/?eid=182
この場所に行ってから平和とか生きる事等を深く深く考えさせられた。
当時の人達は明日の事なんて考えられなかったと思う。
今日生きれた、今日生き延びる事が出来た。と今日の事しか考えられなかったと思う。
自分や日本人のあまりに恵まれている環境を考えると、
今日をもっともっと本気で生き切らなければならないと深く思った。
毎日の積み重ねが人生であり、人は過去にも未来にも行くことができない。
いつだって一番大切なのは「今」、今なのだという事を強く考えさせられた。
このタイミングで今の俺なりに色々考えさせられた事は本当に意味があった。
俺の人生のターニングポイントになった場所と言っても過言ではない。
言葉で伝える事は難しいが、今日生きる事の有難さを痛感させられた場所だった。
そらとあおいには悪いポリスが沢山の人を殺してしまった場所だと教えた。
子供達なりに空気で色々感じたと思う。
二人にはいじめをする事もされる事もなく、優しい人間に育って欲しい。
もう二度と同様な事が世界で起きりませんように。深く深く願う。
そらとあおいの冒険は続く・・・
<スタッフ編集後記>
読んでいて、もし自分がその立場だったら、、と想像して胸が苦しくなります。
文中の写真に、飾られた太い木があります。
赤ちゃんや幼い子ども達は、母親の目の前でこの木に何度も何度も頭を打ち付けられて殺されたそうです。
もう、気がおかしくなって言葉にならない叫び声を上げてしまいそうになります。
人を人として扱う。
こんな当たり前のことが、異常な環境によって麻痺してしまう。
とてもとても、怖いことです。
人間の身体の中で、一番騙しやすいのは、脳みそだと脳科学でも証明されていますが
通常では考えられないことが追い詰められた精神状態によって変わってしまうということが
本当に本当に怖い。
平和な国では、人は幸せを探します。
どうすれば幸せになれるのか、想いを馳せ幸せを掴みとるために手を伸ばす。
でもこの渦中にいた方達は、今を生き延びるのが精一杯だった。
というより、’生きる’という当たり前に与えられている権利が、苦しかったかもしれません。
幸せって、してあげるものでも、してもらうものでも、
探すものでも、掴み取るものでもなく、
結局幸せは日常の当たり前の中に存在しているのだと
気づかされます。
この方達の魂が、どうか、次に生まれてくる時には
優しい世界でありますように。