この記事はその執筆時期からみて、

>平成31年+令和の御代6年=37年

の現在では、

到底「How to」ものの記事とは言えないものです。

けれども、このブログでも時々記すように、

 

古代史は人間社会の普遍史

 

要するに、為替の変動なり、リーマンショックなり、

ウクライナとガザの事態の先に見えてくるかもしれない

第三次世界大戦(a third World War)の勃発なり、

EUの解体なりの表層の出来事を貫いて妥当する、

より本質的な事柄をはからずも描いていた、鴨。

そう思い令和六年の御代もゴールデンウィーク

前に現在の事態を準備した平成の御代の

思い出に敢えて再録させていただきます。

 

🍎進路指導ー余滴:文系と理系? あのー、ご両親、わたし「占い」は専門じゃないんですよ❗️

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/a32c70ace1aa198c573e4d56603a9263

🍎銀座アスターに久し振りに行った。感慨深かった。

「変えてはならないものを守るための変わる」努力を感じたから

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/a4497ddf10f91a5bcc834862a0dd118a

 

 

🍎草稿・科挙としての留学の意義と無意味

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/3d2bc3378bcef0da078a1b30c9681d79

🍎英会話学校の破綻と米国留学の減少は日本の成熟か衰退か https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/3c36e88f9315ee1f41f4dc711ebd411d

 

 

 

 

2005-06-12 11:29:39

 

英米の大学院留学を志望する方は「英米の上位校合格のためにはスコアよりも何よりもエッセーが大切だ」という話を聞かされていると思います。1984年-1998年、2000年-2010年、2013年ー2017年のあしかけ27年間、英米+愛豪の大学院留学指導と企業・官公庁・地方自治体・大学をクライアントとする留学研修制度設計に携わってきた経験から断言します。

 

英米愛の多くの大学院と日本企業・大学との共同研究提携契約の仲介をしてきた体験から断言します。その情報は、Yes/No だよ、と。「ふにゃー、何ですかその回答は」ですって? 私は嘘は申しません、とは言わないが、自分のブログでは(笑)嘘はつきたくありません。ですから、正直にYes/Noなのです。ではハーバード/スタンフォード/オックスフォード/ケンブリッジ/ダブリン大学の合格&留学&卒業・学位取得とその後のご活躍を祈っております。日本のためにもご自分のためにも頑張ってください。

てなアドヴァイス(?)では世間は納得しないでしょう。よって、何故、エッセーがスコアよりも重要なのか。エッセー(Essay/Statement of Purpose;志望理由や自己紹介をまとめた小論文)は何を聞いているのか/何を書けばよいのかのアウトラインを説明したいと思います。

ただ最初に断っておきますが、エッセー指導はファデユーシャルとまでは言わないけれど極めてコンフィデンシャルな(confidential if not fiducial/with fiduciary relationship
)作業であり、合否を分けた(と思われる)事項について具体例を出して説明すればそのモデルになった方が特定されかねません。よって、以下の記述は(いつにもまして)抽象的かつ一般的なものになります。

 

また、エッセーが各種スコア(TOEFL, IELTS, GMAT, GRE, LSAT等々の適性テストと大学時代の成績たるGPA)より重要といえども、それは各種スコアでの所謂「足きり」を通過した方において初めて言えることです。

 

懐かしい英語教材(9)『GRE :Big Book』

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2d91c4246c52d1219cfca00cb429832b

 

TOEFLやGMATやGREの基準点もクリアせずにエッセーやインタビュー対策に重点を置くなどは(厳しく言えば)愚の骨頂です。『北斗の拳』でもないけれど、それは「もうお前はすでに死んでいる」ではなく「貴殿はまだ土俵にあがってもいない。両国の駅に下車してもいない」事態なのです(➡️どの時点でエッセーにどれくらい時間を割くべきかについては、留学の経験者なり信用のある大学院留学予備校に相談されることをお勧めします)。では参ります。

 



◆エッセーは何故重要なのか?
前にこのブログでも書きましたが、英米の大学院は自分の所に役に立つと思うからこそ(自国の入学希望者の席を何割か割いて)外国人を受け入れるのです。だから、日本国内の大学受験予備校にとっての良い講師とは来年度もその予備校に多くの生徒を入学させてくれるような講師(それは大学の合格実績であり、嘘でも本当でも「あの先生の講義を聞いて成績が上がった」「あの科目が好きになった」「この科目についての自信は一生の財産だよな」「こんど浪人するいとこ/彼女の弟にも薦めよう」という印象を多くの予備校生に与えられる講師)であるのと同じように、英米の大学院にとって合格させたい日本人出願者とは<その大学院に役に立つであろう出願者>なのです。

では、<役に立つであろう出願者>とはどんなタイプの出願者か? それは、(0)退学処分(kick out)を喰らうことなく、(1)授業やキャンパスやドミトリーで他の(特に、その大学院プログラムのある国の)学生によい刺激とよい情報をもたらすであろう出願者であり、(2)卒業/学位取得後、世間で活躍して(notoriousでもinfamousでもなくfamousになって)その大学院プログラムの知名度のアップに(prestigiousのアップに)貢献するであろう出願者、そして、(3)将来、出願者本人かその関係者が寄付なんかもどんとしてくれる(donate)かもしれないタイプの出願者です。

ですから、出願者のアカデミックな優秀さはその出願者が<役に立つであろう出願者>であることの必要条件ではあるかもしれないが、十分条件ではない。必要条件と十分条件との乖離は、Ph.dコースや入学時にそれなりの専門性を要求される一部の人文科学や基礎研究分野の自然科学ではそう目立ちませんが、エンジニア系の大学院プログラムやMBA、そして、ロースクールでは合否を分けるクルーシャルポイントになっています(★)。

 

そして、この<役に立つであろう出願者>かどうかを判定する情報がエッセー(や推薦状とインタビュー)なのです。MBA等の上位校では(0)「退学処分を喰らうことなく卒業」できるであろう日本人出願者だけでも日本人枠(★)の数倍に達しますから、実に、エッセーはMBA等の上位校では各種スコアよりも重要と語られるのも不思議ではないのです。

★註:MBA(+LLM≒ロースクール)学生への誤解
日本ではいまだにMBA(ビジネススクール)に留学していると言えば「かっこいい」と思われ、それが、トップ10のMBAとでもなるとちょっとした騒ぎになるようです。まさか、「末は博士か大臣か」ではないが、留学というか合格が決まった段階でその出願者は「ビジネスエリート」と目される傾向はまだ存在していると思います。

 

はっきり言います。日本人にとっては留学が認められた/留学していることによる、異文化体験というか英語力の向上という付加価値があるにせよ、英米の人々にとっての英米のMBAは「今は偉くない人が、今後偉くなるために、しかたなく高い授業料を払って通っている場」なのです。例えば、大昔の話ですけれど、バブル期の真っ盛り、ある巨大金融機関の若手幹部がトップ5クラスのMBAに出願した所、「あのー、うちは将来、運がよければ貴殿がいまお持ちになっている権限を持てるようになりたいものだよな、というレヴェルの学生が来る所なんですよ。それでも、出願しますか」という丁寧な問い合わせが帰ってきたことがあるくらいです。

 


★註:全定員>外国人定員>東アジアからの留学生定員>日本人の定員
本文ので「日本人枠」という大学院留学業界のジャーゴンを思わず使ってしまいました。賭けてもいいですが(I can bet you all amount of my money!)、米国の大学院に「お宅には日本人の留学生枠はありますか?」と聞いたら、どこも「そんなんあらしまへんがな」と即答されると思います。しかし、5年・10年・20年とある大学院の日本人入学者数(そして合格者数)を定点観測する場合、社会学的には明らかに<日本人枠>は存在します。要は、米英の大学・大学院留学の競争において「日本人出願者の金平糖じゃなかったコンペティターは日本人」ということです。

 

ただし、米国や英国の名誉のために言えば(また、我がこの豊葦原之瑞穂國の現状を慷慨して言うに)、この<日本人枠>は固定したものではない、実際、他の東アジアや南アジア諸国から優秀な出願者が増えるにともない(全体の傾向としては)この20年間では確実に減ってきています。この枠は人種差別的な学生集団の構成原理というより、あくまで、米国や英国の大学院が自国社会への貢献を極大化するための一種のパラメーターだと考えるべきだと私は考えています。


◆エッセー作成の心構えのようなもの
苛政は虎よりも本当に猛かどうかは知らないが、入学時にそれほどの専門性を要求されない分野の英米大学院留学に限定すれば(特に、上位校の場合には)、エッセーはスコアより本当に重要です。では、どんなエッセーが良いエッセーなのでしょうか? 

 

簡単です。それは、合格者のエッセーです。スコアの面では自分より遥かに高い他の日本人出願者の群れを出し抜いて合格をもたらしたエッセーです。スコア的にも申し分がないが(強い時の貴乃花や千代の富士や北の湖のように憎らしいほど)番狂わせを起こさせず上位出願校のパーフェクト合格を勝ち取ったエッセーです。過去の<良いエッセー>から私が抽出したポイントを以下簡単に説明しましょう。でも、先ずは基本の再確認から。

●基本の確認
英米の大学院は<役に立つであろう出願者>を合格させようとします。それは、以下の3個(4個ではあるが、上位校の場合は(0)は必要条件なので3個)でした。

(0)退学処分を喰わず卒業できる
(1)他の学生によい刺激とよい情報をもたらす
(2)卒業後、活躍する
(3)将来、寄付金をしてくれる/寄付金を集められる


●エッセーを審査するアドミッションオフィサーの思考の流れ
エッセーを審査するアドミッションオフィサーは次のような三段階のチェックポイントをもうけてエッセーを読み進めると私は考えています。それは、

 

(A)この出願者の大学院留学の(特に、「当校」に入学したいという)決意は合理的で、かつ、情熱的なものだろうか。(B)この出願者の動機は合理的で情熱的だとして、この出願者は、入学後、他の学生に良い刺激と貴重な情報を与えるタイプの留学生になるだろうか。そして、(C)この出願者が動機の点でも能力や他の学生への貢献度の点でも申し分ないとして、しかし、彼女/彼は大学院を卒業後に社会で活躍するだろうか、まあ、うちの大学院の卒業生という「成功へのパスポート」を持って卒業するんだろうから活躍するのは間違いないとして、その活躍は社会の倫理にも適い我が校の名誉を高めるタイプの活躍だろうか、と。

業界の専門用語を使えば、(A)Objective, (B)Achievement, (C)Contributionの三者を私は英米大学院におけるエッセー審査の際の思考枠組みだと考えています。最後に、本物のエッセーテーマを題材に確認しましょう(いずれも2005年度の米国MBAから選びました)。では頑張ってください。

 



・Harvard University
1. Describe a significant change that you brought about in an organization and its impact on your development as a leader. 
2. What are your three most substantial accomplishments, and why do you view them as such? 
3. Provide a candid assessment of your strengths and weaknesses. 
4. How do you define success? 
5. What are your career aspirations, and how can an MBA help you to reach them? Why now? 
6. What do you wish the MBA Admissions Board had asked you? 

▼#1は(B)、#2は(B)、#3は(C)、#4(B)と(C)、#5(A)、#6は出願者のタイプにより有利な題材が分かれるが通常は(A)か(C)


・Stanford University 
Essay A: What matters most to you, and why? 
Essay B: What are your short-term and long-term career aspirations? How will an MBA education further your development? Why does the academic experience offered at the Stanford GSB appeal to you? 

▼#Aは(C)と(A)、#Bは(A)。但し、スタンフォードは(B)に関しては客観的な情報をエッセーとは別に出願書類の中で披露しなければならない

 

 


今日も朝ごはん食べて英語頑張りましょう❗️