アメリカ大統領選挙の予備選挙ステージ(United States Presidential Primary, say the primaries)。そのアイオワ州共和党党員集会(Caucus)の結果とそれに対するアメリカ市民の反応を現地で眺めてきました。それは、両国国技館での大相撲の初日結びの一番を正面升席から取り組みの結果とともに向こう正面のお客さまの表情も目に焼きつけたというところ。コロナ騒動の頃の閑雲野鶴じゃなかった「小人閑居して不善をなす」まではなかったにせよ無為徒食の日々も遠くなった気がします。

 

一斑を見て全豹を卜す。畢竟、そんな類いのことはもちろん時期尚早にせよ、トランプさんは真面目に強い。八年ぶりにウィスコンシンで「定点観測」したのですが、その八年前に比べてもーーリベラル系アメリカメディアの苦々しげな論調とは違ってーー歓迎とまでは言いませんが、当然という受け止めが赤青(共和党支持者と民主党支持者)を問わず、加之、所謂「無党派層」を含めアメリカの有権者(the citizen ↖️この「citizen」は集合名詞、「有権者たるアメリカ国民」のことですよ❗️)の正直なところ、鴨。

 

United States of America は「合衆国」か「合州国」か

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/0a8d56362d8776e8555e35e4fe83a0ac

 

英文読解 one パラ道場:英語教材として読むトランプ大統領就任演説(英文全文)

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2b023b24c6f7644fa8473ce785df03ac

 

「評価する歴史上の政治指導者ランキング」の無意味さ有害さ及び意義と楽しさについて
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/1f57bce118f82e0885e37a15a41aeb8d

 

と、帰国も近くなり次のニューハンプシャーの予備選挙(Primary Election)まで滞在できるはずもなく、これまた元同僚の誘いでミネソタのとある大学に移動。用意していただいたゲストハウスで行李を解き終えたときふと(💀長年の慣行は恐ろしい💀)今年の共通テストの問題が気になったた(笑) 

 

でもって、遅い朝食(ブランチ)をいただきながらーーだって、外は気温❄️マイナス30度❄️だもの、ホテル➡️空港➡️大学キャンパスの移動の間、食事をとるのはほぼ不可能だったのですもの✨ーー古巣の某予備校のサイトで斜め読みで確認🐙🐙🐙 

 

而して、サンドイッチとトマトジュースをいただいているそのとき、突然、軽い既視感を覚えました。正確に言うと20数年前の当時の同僚諸氏とのあるやり取りがくっきりと思い浮かんだ。ということで本稿はここから始まります。ちなみに、そのやり取りのテーマは「試験直前の生徒さんから英語長文問題について最後になにをすればいいか?」と聞かれたらなんと答えるか、です。

 

 

その日、愛知県豊田市にある某自動車メーカー出張の帰りに勤め先の名古屋支社に寄りました(別にSKE48のイベント参戦のついでではありませんから、為念)。そうすると、上に書いたテーマを巡って米日の主任インストラクターさんたちと教務カウンセリングスタッフさんが夜間クラス前の時間のこととてサンドイッチを食べながらのミーティングの最中でした。

 

懐かしい英語教材(9)『GRE :Big Book』

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2d91c4246c52d1219cfca00cb429832b

 

尚、その「直前の試験」はまさか「共通テスト」や「センター試験」でもあるはずもなく、確かーー翌年秋入学の出願に間に合う最後の、米英のビジネススクール(NMB48じゃなかったMBA)アプリカント、他方、プロフェッショナルスクール以外の一般の大学院アプリカントに要求される適性テストであるーーGMATかGREのことだったと思います。ということで、試験日の前日とかにフルセットの本試験問題を何セットか解いていみるのは当然として

 

(Aインストラクター曰く)

単語とイディオム、なにより「句前置詞と前置詞句:Compound Preposition and Prepositional Phrase」を見直すことをすすめます

(Bインストラクター曰く)

過去問で「設問(文)に答えるための情報が課題長文のどこに分布しているか」を確認してみることをおすすめします

(Cカウンセラー曰く)

なにやっても手遅れ。ならば、課題長文と設問文を音読して英語のリズムを体内に取り込むこと。そうすすめます

(Dカウンセラー曰く)

課題長文自体の理解度をこの期におよんで大幅にあげるのは無理。ならば、本試験会場で焦って実力からは本来とれる問題を落とさないようにする。具体的には「設問文」だけをひたすら読んでみること。その際にC先生がおっしゃったように音読や暗唱してみるのもいいですよ、と答えます

 

*本稿では「マークシート方式の長文読解問題(Reading Comprehension Questions)」を想定しています。それは米英日ともに、[1]課題長文、[2]設問文、[3]選択肢の三要素によって構成されているタイプのものを考えているということです。

 

 

と、支社長でもあるC女史が取締役(↖️そんなことはどうでもいいのですが、まずいことに、逃げられないことに😢兼任)教務部長でもあったわたしに突然⚔️矛先⚔️を向けられた❎ 「If you were to answer this question, what would you say? KABU-Sensei?【Don't let me down.(ちゃんとこたえろよ、このタコ取締役🐙】♥️:KABU先生ならどう答えますか♥️」 ・・・支社なんかに寄らずまっすぐ🚅東京に帰れば🚅良かった😢

 

と、逃げるわけにもいかず、さりとてーー問題作成サイドのETSスタッフが遵守しているはずの制作ルールにはあまり関心がないーーこんな「真面目な英語屋」さん相手に「侮辱された❗️」と逆恨みされかねない受験指導的には間違いなく「正解」の、例えば、「消化のよいものを食べて温かいお風呂に入って早寝早起き、そうやって本試験の時間帯に体内時計的にベストコンディションになるようにしましょう。なぁーに、企業派遣留学や人事院枠公費留学に失敗したところで死にゃーせんです。人生すべからく笑顔が一番😸」と答えます。とかで許される雰囲気ではなかった。ということで、次善の解答・回答を話しました。すなわち、「D先生のアドバイスに近いのですが」と、

 

①市販の模擬問題集(a mock workbook)で課題長文の和訳と、②過去問で英文の本物の英文の設問文をひたすら読むようにすすめます、と。

 

これに対して全員爆笑🤭🤩🤩🤭

 

あのー、これKABUの真面目な回答だったのですけれどもね。夜のレッスンも近かったのか、ちょうどサンドイッチもなくなったこともあったのか皆さん微笑みながらもさらに説明を求めることはなくミーティングはそのまま終了。わたしの方は「And yet it moves.:それでも地球は廻っている」と心の中で呟いて栄のSKE48劇場じゃなかったJR名古屋駅に向かったのでした。拳拳服膺。そして、この回答が先週「共通テスト」を見ていて既視感を覚えたことと通底している、多分。どういうこと?

 

 

これを読んでいただいている皆さんは共通テストの英語長文読解問題ご覧になったことおありでしょうか? 外交辞令抜きにーー(1)「学習指導要領」の範囲を逸脱してはならないという制約を鑑みるに、また、(2)前身のセンター試験が結果的にせよ知識の量を判定するテストであったのに対して、共通テストは、知識の量のみならず知識を組み合わせるスキルおよび運用する知識自体を選択するスキルをも判定する、すなわち、被験者の英語でのコミュニケーションスキルを判定できるものにしたいという、公表されている健全かつ野心的なその作成指針から見てもーーよくできた作品コンテンツだと思います。

 

では、先週の日本の「共通テスト」と20数年前の「アメリカの大学院出願時に求められる適性テスト」のどこに「既視感」をわたしは感じたのか? それはまた、①課題長文を和文訳で読むこと、②設問文(だけを課題長文や選択肢は無視して❗️)を本物の英文で読むことというアドバイスとどう関係しているのでしょうか? 簡単な話です。

 

【壱】特定の受験生に有利になる課題長文は失格

海外経験豊富な受験生なら英語力に関わらず課題長文のコンテクストが理解可能なもの、あるいは例えば、動物福祉の活動や無農薬での雑草退治活動なりの経験者にしか理解しづらいコンテクストが貫徹する課題長文は失格。そんな作品が出題されることはありません。

 

TOEIC公式問題集Vol.7はコロナくんとの共働制作のせいかこれまでの公式問題集の最高傑作、鴨。

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/358d3065751fde4b46c4173f4f95e643

↗️この記事の終わりの方に【壱】を敷衍する情報を書いています。

 

【弐】設問文が問う質問は極めて限られている

上記をクリアする「長文テキスト」は、しかし、ーー学習指導要領の制約なりその社会に横たわる「PC, or political correctness」等々の忌避の規範を遵守するにしてもーー無限に作成できます。寧ろ、制約は「設問文でなにを問うか」の方にある。これこそご自分で現物を確認していただきたいのですが、それはAKB48グループの「48」どころか1ダースあるかないかなのです(もちろん、その「問い」を尋ねる設問文たる「疑問文センテンス:the interrogative sentences)のバリエーションは6ダースほどあるにしても)。だって、誰しもが正しく課題長文の該当箇所を読んだら「正解が1択」になるような問いは極めて限られてくるから

 

【参】課題長文を日本語で理解して設問文パターンを熟知するに如かず

最早、説明は余計でしょう。どんなタイプやジャンルの題材が課題長文に盛り込まれるのかの情報は日本語で理解しておいて、設問文の「専門家」になる。これが、今さら英語の読解力をのばせない本番直前の次善の時間の使い方であることの。

蓋し、共通テストは、一方で「英語でのコミュニケーションスキルの判定」という野心的目標を掲げたために、【壱】【弐】の制約がGMATやGREはもとよりセンター試験よりも遥かに強く働いていると思います。だから、ならば、共通テストの英語長文読解問題対策に設問文を読む以上の英語学習は不要ということ👀‼️ ↖️全国の高校生の皆さん、ここ冗談ですからね、為念。

 

 

本稿の結論に入ります。わたしは上記でなにを言いたかったのか? 英語なんて勉強するなとか? まさかです。実は、上記のことは「今さらじたばたしてもどうしようもない本試験直前」に当てはまるものであると同時に、誰にでもご利益のある事柄だとわたしは思っています。

 

畢竟、全体のコンテクストの理解がなければ個々のセンテンスの理解はできず、さりとて個々のセンテンスの理解なくして全体の理解などできるはずもない。ならば、英語でのコミュニケーションスキルの開発増進は<螺旋階段>を登るように語彙と文法とリスニングと発話のスキルを向上させつつ全体のストーリーの理解、換言すれば、経験値と教養を積み上げることに他ならない。

 

要は、大学院卒の英語のネーティブスピーカーも当該のコンテクストを前提に英文センテンスやパラグラフを読み音声を聞いている/聴いているということ。日本語の母語話者が「水戸黄門」や「忠臣蔵」の各場面をそのフルのストーリーを念頭に楽しんでいるのとパラレルに。

ならば、繰り返しになりますけれども、本試験直前ではないのなら自前の「設問文のパターン」を増やすこと、ならびに、「コンテクスト」や「ストーリー」を正確に理解できる英語力を今のうちに身につけること。これが、やはりファイナルアンサーでしょう。

余計なお世話ながらわたしはそう思います。

 

おそまつさまでした。

 

以上

 

 

ブログの画像:記事内容と関係なさそうな「美人さん系」が少なくないことの理由はなんだろう?

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/c566c210ad11db94fc1d87a5fddcf58e