🍎わが家の愛読書シリーズ最新刊の紹介です🍎

https://www.iwasakishoten.co.jp/special/majyo/

https://www.iwasakishoten.co.jp/special/contents/04569/

 

 

もう、4行も書けばネタばれ(❎)になってしまいそうなので3行だけ紹介(↖️手抜き?)。

>おばあちゃんから由緒正しいティールームをひきついだふたごの魔女のお話しです

>2人とも「ティールームの由緒正しさ」を大切にしたい気持ちは全く同じだけれど

>時流や自分たちの個性にあわせてメニューとか制服とか少し変えるかどうかで対立

・・・さてさてどうなりますか?

*「Twin:ふたご」には少し注意が必要、鴨です。「ふたごの1人」「そのふたごのお二人」はそれぞれ「the/a twin」「the twins」。だから「いま話題にしている方」と「他のもう1人」は「the twin」と「another twin/one」または「the other twin/one 」。尚、これはそもそも「sister(s)」「brother(s)」自体そうなのですが、年齢差を含意する「姉妹」と「twins」は別物です。そこもおさえて本書を楽しんでください。あんびるさんはこの点もきちんと踏まえておられますから。

 

ちなみに、あんびるさんの「なんでも魔女商会 の世界は、日本人がそれとなくイメージする、というか「理想化」するーーアガサ・クリスティー先生の作品世界にも通じる第一次世界大戦前後までの古き良き由緒正しいーー「イギリス社会の風景」かもしれません。そういうこともあってイギリス好きのわが家は本シリーズの大ファンなのであります。

 

イギリス英語の入門書紹介――役に立つのにお洒落で楽しい「イギリス英語」の招待状のようなもの

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2387050ede4ca0a2947e1c5783157128

スリーピングマダー:アガサ・クリスティWORLDの基盤はスタイルズ荘ではなくてヒルサイド荘に眠っていた

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/2210d92a14d9e375094aa27281b6866d

山の日と言えば「イギリス人からきく日本で得た「山」という言葉の印象の変化」を連想してしまいます

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/980f83ece791b70b09c85a02290f226d

 

蓋し、その作品シリーズ舞台の延長線上で、今回のお話しは弊ブログの基盤である「保守主義」の実践シュミレーションとも言うべきものでした。よって、楽しむだけではなく本書にはおおいに学び考えさせられました。そして、結論は(いつもと同様❗️)著者のあんびるさんに「同意」です。

 

畢竟、このブログでもしばしば記している「定義」ですけれども、--所謂「バークの保守主義」なるものは思想の博物館の陳列品でしかないでしょうから--わが家は現在における保守主義を、

 

1)自己の行動指針としては自己責任の原則に価値を置く、そして、2)社会統合のイデオロギーとしてはーー「持続可能な世界」とか「アトム的な個人なるものを前提とするタイプの民主主義」とか「その規範内容の想定に際して国境や民族の価値観を無視する傲岸不遜な人権論」とかを含むーーあらゆる教条に疑いの眼差しを向ける、

 

よって、3)社会統合の機能を果たすルールとしては、さしあたり、その社会に自生的に蓄積された伝統と慣習に専ら期待する、換言すれば、その社会の伝統と慣習、文化と歴史に価値を置く態度を好ましいと考える--白黒はっきり言えば、伝統と慣習の中には(もちろん、その領域は時代と共に変動するのでしょうけれど)社会的非難という道徳的強制のみならず国家の実力を発動してなされる法的な強制によっても維持されるべき領域が存在すると考える--立場。

 

ならば、4)その社会の伝統と慣習、歴史と文化に価値を置く態度や心性がその社会のスタンダードな態度であり心性であることを認めリスペクトするような<外国人たる市民>に対しては、逆に、--古来、日本が「帰化人」の人々に対してそうであったように--彼等の伝統と慣習、歴史と文化を<国民>の方も尊重しリスペクトするべきだと考えるタイプの社会思想である、と。

 

思想の内容面ではなく、思想の形態面から「保守主義」をこのように定義しています。

要は、保守主義とはーー「資本論」とか「社会契約論」、「アメリカ独立宣言」とか「フランス人権宣言」とかのーーなにか具体的の教典があるタイプの思想ではなくてーー伝統の恒常的な再構築という営みにその人々を向かわせる指針でありそのような営みをあたりまえのこととして朗らかに日々推進する人々の心性以外のなにものでもない。そうわたしは考えます。而して、本書「なんでも魔女商会 ーーナナのバッグのメタモルフォーゼ」の読後感はそんなわたしの保守主義と親しいものでした。機会があればご一読をお薦めいたします。

 

 

風景が<伝統>に分節される構図(及びこの続編)
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/87aa6b70f00b7bded5b801f2facda5e3

保守主義-保守主義の憲法観
https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/18b7d4f888aed60fa00309c88637f9a3

<再論>保守主義の再定義・・・占領憲法の改正/破棄の思想的前哨として

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/141a2a029b8c6bb344188d543d593ee2

 

 

 

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