海馬之玄関amebaブログ



くじらが安くなって昔の様に食べられたら
なつかしい日本にもどれるのかな
日本のこころがキラキラ輝いていた時代



日本の調査捕鯨を巡ってアメリカの連邦控訴裁判所が極めて妥当な決定(ruling)を下しました。三人の裁判官全員一致の判断。要は、日本の調査捕鯨を妨害する/妨害してきたシーシェパードやグリンピースの活動は「海賊行為:piracy」以外の何ものでもなく、シーシェパードやグリンピースは「海賊:pirates」に他ならない、と。而して、サンフランシスコに拠点を置くこの連邦第9巡回控訴裁判所は、その「差止請求:injunction」(正確には、本訴の前の「予備的差止:preliminary injunction」 )の訴えを拒絶した連邦地裁の判断を覆して日本側の訴えの正当性を認め、もって、事実審理(trial)をやり直すべく連邦地裁に差し戻しました。

加之、この控訴審決定には、日本側の訴えを退けた連邦地裁のある戯けた裁判官は「この差し戻し審理に関与してはならぬ」という異例の厳しい注文が(この部分は、Milan Smith判事が反対して三人の裁判官が2対1に割れたものの:Judge Milan Smith dissents from the reassignment portion of the opinion.)付けられており。正に、この決定は「文化帝国主義」に対する日本の捕鯨関係者の地道な戦いの地味ですが全面勝利と言えるものだと思います。

而して、この決定を受けて日本の林芳正農水大臣は、AFPのインタビューを通して、捕鯨推進の日本の立場を再確認し、もって、「So why don't we at least agree to disagree? We have this culture, and you don't have that culture.:少なくとも、我々の間には合意がなされていないという認識については最低限合意したらどうでしょうか。日本は捕鯨の文化を持っており、欧米の多くの国の人々は捕鯨の文化を持っていない。と、それだけのことではないですか」と適切なコメントを世界に向けて発信したとのこと。流石、林大臣、泡沫候補とはいえ自民党総裁選に立候補しただけのことはある、鴨です。

もっとも、現在の時点では、シーシェパードには連邦最高裁に上告する道も残されているにはいます。けれども、これだけ法の意味が明々白々な法律問題について連邦最高裁が上告を受理する可能性はほぼゼロ%というかゼロだと私は考えます。年平均7千件~8千件ある上告申し立ての中で、上告が認められ連邦最高裁判決が実際に下されるのは1%程度にすぎませんから。連邦最高裁も忙しいんです。


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この全面勝利の決定の原文は下記の連邦第9巡回控訴裁判所のサイトで閲覧できます。


冒頭のお茶目な書き出し「あなたの片足が義足でなくとも、もしくは、片眼に眼帯をしていなくても、・・・のようなことをするというのなら、間違いなく、あなたは海賊なのですぞ:You don’t need a peg leg or an eye patch,When you ・・・, you are, without a doubt, a pirate」は何度読んでも笑えるけれど。

けれど、その上質のウィットの裏面には、けっして長いとは言えない全18ページの法廷意見(opinion of the court)は、①法的な「海賊の定義」および②「海賊行為に対して課せられるべき法的制裁の内容」、更には、③「南極海における日本の調査捕鯨がオーストラリア法に違反するらしいことの本件における法的意味」(It is for Australia, not Sea Shepherd, to police Australia's court orders.:オーストラリアの裁判所の命令を遵守させオーストラリアの実定法秩序の権威を維持するべきはオーストラリア政府であり、その役割はシーシェパードのものではない)。

これらについて法廷意見は要を得て簡潔にまとめられており一部の隙もない。かつ、その法廷意見が参照する法規・判例も妥当であり、洋の東西を問わず、裁判所の良質な判断の見本のようだよ。と、そう私は感じました。


ちなみに、この裁判は損害賠償を求めるコモンロー上の訴えとは異なり、「差止請求:injunction」を求めるエクイティー上の訴えですから、連邦地裁の事実審(trial)においても、おそらく、陪審は関与しないものと思われます。ならばこそ、(上級審の判決が下級審を拘束するだけではなく、)戯けた連邦地裁判事を外せた段階で、万が一にも、差し戻し審で日本側が負けることはないでしょう。

б(≧◇≦)ノ ・・・正義は勝つ~!

・Institute of Cetacean Research v. Sea Shepherd Conservation Society
  (9th Cir. - Feb. 25, 2013)
 http://cdn.ca9.uscourts.gov/datastore/general/2013/02/25/1235266.pdf


ということで、以下、この決定を報じたAP記事の紹介です。出典は「Sea Shepherd anti-whaling protesters are pirates:反捕鯨の抗議団体シーシェパードは海賊ですよぉー」(Feb. 26, 2013)です。尚、捕鯨を巡る私の基本的な立場と認識については下記拙稿とそこにリンクを張っている拙稿をご参照いただければ嬉しいです。

・書評☆星川淳『日本人はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』(1)~(4)
 http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/51056253.html



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▽Sea Shepherd anti-whaling protesters are pirates
A ruling of the 9th Circuit Court of Appeals labels the Friday Harbor-based
Sea Shepherd Conservation Society as pirates.
Their supporters call them heroes. The Japanese government calls them terrorists.
Late Monday, the United States’ largest federal court labeled them pirates.

In doing so, the 9th U.S. Circuit Court of Appeals castigated Paul Watson and members of the Friday Harbor-based Sea Shepherd Conservation Society he founded for the tactics used in their relentless campaign to disrupt the annual whale hunt off the dangerous waters of Antarctica.

“You don’t need a peg leg or an eye patch,” Chief Judge Alex Kozinski wrote for the unanimous three-judge panel. “When you ram ships; hurl glass containers of acid; drag metal-reinforced ropes in the water to damage propellers and rudders; launch smoke bombs and flares with hooks; and point high-powered lasers at other ships, you are, without a doubt, a pirate, no matter how high-minded you believe your purpose to be.”


▽反捕鯨の抗議団体シーシェパードは海賊ですよぉー
ワシントン州のFriday Harborを拠点にしているシーシェパードを
連邦第9巡回控訴裁判所の決定が海賊に分類
支持者からはヒーロー扱いされ、日本政府からはテロリスト認定を受けてきたシーシェパード。
月曜日【2013年2月25日】遅く、アメリカ最大の連邦裁判所は海賊と看做した。


そのような認識を明らかにした決定の中で連邦第9巡回控訴裁判所は、シーシェパードの創設者であり首魁のPaul Watson氏と、Watson氏が、南極大陸の危険な周辺海域で毎年繰り広げられている捕鯨を混乱させるための無慈悲な作戦行動の便益のために創設したそのシーシェパードのメンバーを激しく批判している。

連邦第9巡回控訴裁判所の首席裁判官 Alex Kozinski はこの審理に関与した三名の裁判官を代表して法廷意見でこう述べている。「船に体当たりしたり、酸の詰まった容器を放り投げたり、金属線で補強したロープを海中に投じ引きずることで相手船舶のスクリューや舵に実害を与えたり、ご丁寧にフックの付いた発煙筒や火花の出る発煙弾を打ち上げたり、他の船舶に対して強力なレーザー光線を照射したりするのなら、あなたの片足が義足でなくとも、もしくは、片眼に眼帯をしていなくても、または、たとえ、それらの行為の目的をあなた自身がいかに高潔なものであると信じていようとも、あなたは海賊なのです」と。


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<続く>