動物福祉の5原則(Animal Welfare Council)に「5つの自由」というものがあります。
①不適切な栄養管理からの自由
②不適切な生活環境からの自由
③身体的苦痛からの自由
④精神的苦痛からの自由
⑤その動物種らしく行動する自由
これは、ペットだけでなく、家畜を含む人間が飼育するすべての動物に関する福祉基準です。
動物病院で働く私たちが見るペットたちは、④、⑤が守られていないケースが意外と多いのです。
販売のために早くに親兄弟から離されてしまい、
不安傾向が強く神経質に育ってしまうケースもあります。
動物病院に来ることがストレスで、処置中に怖すぎて失禁脱糞してしまう子もいます。
場合によっては、通常では使わないのにその子のストレス対応のために、
鎮静剤を使用して処置をすることもあるのです。
ペットショップでチワワが「お散歩しなくても飼育できますよ。」と言われ
つい可愛くて迎えたけれど、実際犬にとっては刺激不足です。
一日中室内で過ごしたり、充分な運動の機会を与えられない場合には
ストレスから無駄吠えや
常同障害(体の異常がないのに、自分の尾を追いかけまわす、手足を舐め続けるなど)を
起こすこともあります。
本来、その動物はどんな習性があって、どのように過ごす動物でしょうか?
ぜひ「5つの自由」を意識してみましょう!