甲状腺がん(「人間生物」学期末レポート)

(注:読みやすいように 直訳でなく 説明も加えて、かみくだいて書いてあります。オリジナルの英文も最後に添付してありますので、英語で医者と話さなきゃ〜、という場合に お使いください。)

 

5. 治療について➂

 

アイソトープ・ヨウ素 治療

 

さて、甲状腺が ほぼ無くなったら、

アイソトープ治療(RAI, radioactive iodine treatment) 

が 可能になります。

 

アブレーション治療とも言います。 

アブレーションは

焼灼(しょうしゃく)とか 切除とかいう意味。

 

焼き尽くしたり、すっかり取ることで、

後でもお話しますが、

甲状腺がんの治療方法で

放射能を使わない

他のアブレーション治療もあります。

 

なので、区別するために ここでは

アイソトープ治療と呼ぶことにします。

 

 

これは、放射性のヨウ素を(Radio Active Iodine)を

「飲む」治療です。

 

ちなみに、甲状腺がんの10-20%を占める

「繊維性皮膜を有する濾胞型乳頭がん」

(要するに皮膜に覆われているから

浸潤、そして転移の心配がないということ)

 

別名 EFVPTC ( encapsulated follicular variant 

of papillary thyroid cancer) に関しては、

10年後、20年後にも 再発する症例が全くないため、

2016年に「がんではない」ということになりました。

 

新しい診断名は「がん」ではなく「腫瘍」がついた

「非浸潤性甲状腺濾胞性腫瘍」

(つまりは逡巡しない濾胞細胞系の異常、って感じ?

(っていうか、12字熟語?医療用語、勘弁してくれ〜滝汗)

 

別名 NIFTP (noninvasive follicular thyroid neoplasm 

with papillary-like nuclear features) だそうです。

(*Jeffrey R. Garber, et. al. Empower vol.8 issue 3 summer 2016)

 

ですので、この場合は

アイソトープ治療は行いません。

転移しないから、必要ないんです。

 

 

話は逸れましたが、アイソトープ治療について。

 

甲状腺を全摘した後も 体の他の部分に 

甲状腺がんの細胞が 転移しているかもしれません。

 

アイソトープ治療は

そういった残りの甲状腺がん細胞を

全て やっつけてしまうための治療です。

 

 

第1章で説明したように

甲状腺は サイロキシンを作るために

ヨウ素を必要としますが、

 

アイソトープ治療では

まず、体からヨウ素を

排除します。

 

そうすると ヨウ素がなくて

飢えた 甲状腺細胞が

放射性ヨウ素が 体内に入った時、

「待ってました!」とばかりに 

取り込みます。

 

ところが、そのヨウ素は

放射能を持っているので

取り込んだ後、がん細胞は死んでしまう、

という仕組みです笑い泣き

 

 

アイソトープ治療で使う ヨウ素は

I-131というもので、

小さいカプセルに 入っています。

...と簡単に言いましたが、

放射能ですから、かなりの危険性を伴うので

ものものしい感じでした。詳しくは、こちらで!

 

 

アイソトープ治療をするには

治療に備えて

しっかり準備をしなきゃいけません。

 

まず、体にある普通のヨウ素を

体から 排除するために

治療前2週間は

ヨウ素制限食生活をします。

 

ヨウ素が豊富で有名なものは 

昆布ですが、

昆布を始め、海のものは ヨウ素が豊富なので、

低ヨウ素食の間は

一切食べられませんえーん

 

それから、市販のもので 塩が入っているものは

どんな塩を使っているか わかりませんので、

アウトです。

 

そう思って、食品の材料表示を読むと

塩って何にでも入っているんですね〜。

 

ジュースにさえ 塩が表示されていて

びっくりしました。

 

料理には 普通の塩は使えず

唯一 ユダヤ教の食事規定にあった、不純物の入っていない

コーシャー(日本ではカシェル、コセル、コシェルとも言う)ソルト

のみ OKです。

 

つまりは、口に入れるもの全てを

手作りしなきゃいけないってこと。

 

(お腹がすいて スタバに寄った時に

何も食べられるものがなくて、

しかたなくバナナを買って食べました。

あのときは、悲しかったな〜バナナ

 

甲状腺患者の会で会ったおじさんも

「パン焼き器買って、

ちゃんと毎日自分でパン焼いたよ〜」

って言ってましたほっこり

 

ま、時間はひじょーにかかりますが、

結果的に とてもヘルシーな食生活になるはずですので、

がんと闘うための

免疫力アップにも役立つ! と思って

頑張るしかないです。

(詳しくは、ヨウ素制限食生活のブログを見てくださいね。)

 

 

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第5章➂はここまでです。

次回は、第5章の最後、「治療について」➃

です。

 

 

音譜「甲状腺がん」が分かったら...

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Radioactive Iodine Therapy (RAI)

 

Radioactive Iodine Therapy (RAI)

Even after total thyrodectomy, there might be thyroid cancer cells that metastasized in other part of the body.  RAI is used to destroy any remaining thyroid cancer cells.

 

Radioactive Iodine Therapy (RAI) is a treatment that takes advantage of the fact that thyroid needs iodine to synthesize thyroxine.  In RAI, normal iodine is first removed from the body so that thyroid is thirsty for iodine, then radioactive iodine is administered so that thyroid effectively absorb the radioactive iodine, which kills the cells by radiation.  In RAI, a type of radioactive iodine called I-131 is given in a form of liquid or a capsule.    

 

There are two important preparations needed for RAI. First, in order to remove regular iodine from the body, a patient needs to follow a diet low in iodine (low-iodine diet) for at least two weeks prior to the treatment.  Low-iodine diet includes, no consumption of seafood or any other products from the sea, no commercial product that contains salt, and use of Kosher salt instead of regular salt. That means cooking everything from scratch and it is time consuming, but this diet forces you to have a healthy diet that might help boost your immune system to fight against cancer.