甲状腺がん(「人間生物」学期末レポート)

(注:読みやすいように 直訳でなく 説明も加えて、かみくだいて書いてあります。オリジナルの英文も最後に添付してありますので、英語で医者と話さなきゃ〜、という場合に お使いください。)

 

5. 治療について➁

 

甲状腺 全摘手術

 

甲状腺全摘術とは、

文字どおり甲状腺を「全部」取っちゃう手術です。

 

...と言いたいところですが、

実は、たいてい 

ほんの少し残すんだそうです。

 

というのも、第1章で書いた様に

甲状腺には

副甲状腺(parathyroid)というのが

四つ ついています。

 

カルシウムの量を調整する 副甲状腺ごと

甲状腺を全部 取ってしまったら

体内のカルシウムに 影響がでてきます。

(カルシウムは、歯や骨だけでなく

神経系など、あらゆる体の機能に関わる

大切な栄養素です。)

 

なので、副甲状腺が取れないように

その部分の甲状腺を

少し残すんだそうです。

(四つのうち一つあれば大丈夫らしいです)

 

それから、手術の際、

もし甲状腺の近くに 

肥大したリンパ節が 見つかれば

それも一緒に取ってしまうこともあります。

(私はたまたま取ったリンパ節に

転移が見つかりました)

 

 

ちなみにこの手術、かなり難しいとか。

 

副甲状腺を残すのも大変だし、

近くに声を出すための神経(反回神経といいます)もあるから

間違ってそれを傷つけると

声が嗄れてしまうし...ぐすん

 

日々、手術をしてくださる

甲状腺外科医の先生方、

ありがとうございます!

 

 

さて、アメリカでは

全摘手術も 

やっぱり 日帰りです。

 

ただ、なぜか 二度目の方が 一度目の手術より

体力的にも ずっと楽でした。

 

同じ様に二度手術した 知り合いの方も

そう言ってました。

 

だから、安心して

お家で ゆっくり回復してください〜。

 

 

当たり前ですが、

全摘手術を行うと

甲状腺の機能は 

基本的になくなります。

 

体が 甲状腺ホルモンを作れなくなっちゃうので、

手術以降は 甲状腺ホルモン剤

飲むことになります。

...一生。えーん

 

でもほら、

生きていけるんだから、ね!

 

 

アメリカで よく使われる薬は、

 

人口的に合成されたもの(synthetic)では、

レボチロキシン ナトリウム (Levothyroxine sodium)を使った

  • シンスロイド(Synthroid)
  • レボキシル(Levoxyl)
  • レボスロイド(Levothroid)
日本では、チラーヂンSですね。
 

 

レボチロキシンに アレルギー反応が出る人もいるので、

上記の薬が合わない人、または自然派の人には

豚か牛の甲状腺から作られた

  • Armor Throid
  • Nature-Throid

などがあります。

 

日本では、同じ様に豚から作られた「乾燥甲状腺」薬で、

「チラーヂン末」という薬があったそうですが、

2014年に発売中止になったそうです。

 

 

私は個人的な好みから 

Nature-Throidを使っていますが、

合成がいいか、自然がいいかは

一概には言えません。

 

自然のものは

薬の内容物に偏りがあるから

合成の方が安心、

という人もいます。

(ま、一錠で決まるわけじゃないから

多少ムラがあっても

大丈夫じゃないかと思いますが)

 

また、自然のものは

合成に比べて 供給にもばらつきがあり、

手に入りにくい時もあります。

 

日本で販売中止になった理由は

おそらく供給の難しさにあるのではないかと

勝手に思っています。

 

 

それから、レボチロキシンはT4(1章参照)のホルモンですが、

T3 はT4 から作られるので、

通常、問題はありません。

 

ただ、まれに、

T3 が別に必要となるケースもあるようです。

(どうも薬が合わない、という人は

血液検査でT3も見てもらった方がいいそうです)

 

その場合は、

リオトリックス(liotrix)ベースの

サイロラー(Thyrolar)という薬であれば

T3もT4も両方入っています。

 

日本のT3製剤は「チロナミン」

というそうです。

 

 

薬は、絶対に切らさないように〜。

ちょっと少なくなったら、

ちゃんと次のをもらって

「あ”〜!もうない〜!」

という事態には ならないようにしてくださいね。

 

薬が切れて 一週間ほど

そのままにしていた人を知っていますが、

思考力、判断力などが鈍ってしまい

車を運転していて

あやうく事故になるところだったそうですゲッソリ

 

とっても危険なので

薬は必ず毎日飲み、

キチンと 常備しておきましょう!

 

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第5章➁はここまでです。

次回は、第5章の最後、「治療について」➂

です。

日本語版追加時 参考サイト:

https://www.kuma-h.or.jp/disease/158/

https://kampo.jp/column/parathyroid/#top

 

音譜「甲状腺がん」が分かったら...

ひとりで考え込んでいないで、よかったらお話しませんか。Skype でもお電話でもチャットでも、お好きな方法でお話しましょう。お気軽にメッセージをお送りください。私は「甲状腺がん患者の会」で、先輩方とお話ができて、とてもありがたかったです。オンラインで「バーチャル甲状腺がん患者の会:日本語版」が持てたらな〜、なんて思います(^^)ドキドキ

 

Total Thyroidectomy

Total thyroidectomy is removal of all or nearly all thyroid. In most cases, surgeon leaves small rims of thyroid tissue around parathyroid glands to preserve them.  During the surgery, the surgeon may remove enlarged lymph nodes near thyroid as well. Total thyroidectomy is also an outpatient surgery. Once a thyroid is removed, the body cannot make any thyroid hormone. Thus, after thyroidectomy, a patient needs to take thyroid hormone replacement pills daily for the rest of life.  Common pills include synthetic medication, such as levothyroxine and natural medication using thyroid from pigs. 

あらあら、元の英語版、こんなに短かったのね〜。

日本語版、余計なことをたくさん書いてしまいました。すみません〜!