甲状腺がん(「人間生物」学期末レポート)

(注:読みやすいように 直訳でなく 説明も加えて、かみくだいて書いてあります。オリジナルの英文も最後に添付してありますので、英語で医者と話さなきゃ〜、という場合に お使いください。)

 

4. 「甲状腺がん」の種類

 

甲状腺がんは、一般的に以下の分類に 分けられます。(*これ以外の分け方もあります。)

 

➀ 乳頭 (にゅうとう) がん 

papillary thyroid cancer (PTC)

(乳頭 papillary というのは、「乳頭状」の細胞、つまり形のことです。

この形を示す「乳頭」という言葉は 体の他の部分にも使われていて、

例えば心臓にも「乳頭筋」というのがあります。)

 

➁ 濾胞(ろほう) がん 

follicular thyroid cancer (FTC) 

(第1章で お話した 濾胞細胞の濾胞ですね。)

 

➂ 髄様がん (ずいよう) がん 

medullary thyroid cancer (MTC) 

 

➃ 未分化 (みぶんか) がん 

anaplastic thyroid cancer

 

 

乳頭がんは、一番症例の多い甲状腺がんで、

甲状腺がんの70-80%は、乳頭がんです。

 

乳頭がんも

濾胞(ろほう)細胞のがんです。

 

乳頭がんは、進行は遅いのですが

近くのリンパ節に

転移してしまうことが多いそうです。

 

ただ、転移していたとしても

比較的、予後(よご)はいい(治る確率が高いということ)

とのことです。

 

 

濾胞(ろほう)がんは、

甲状腺がんの10% - 15%を占めます。

 

通常、リンパ節への転移はありませんが、

血管へ浸潤(しんじゅん:がんが広がること)することがあって、

そこから体の他の部分、

肺や骨などにも広がることがあります。

 

濾胞がんは

乳頭がんほどではないですが、

ほとんどの場合は 予後がいいようです。

 

濾胞がんの中には、

好酸性 (こうさんせい) 細胞型 

Hurthle cell carcinoma 

というものもあります。

 

これは、発見が難しく、

他の濾胞がんよりも 

進行が早い可能性があります。

 

また、「治療方法」の章で述べる

アイソトープ治療 (RAI)は

この種のがんには

効果的でないようです。

 

ただし、好酸性細胞がんは

欧米人に多く、

日本人には あまりみられないそうです。

 

 

乳頭がんと濾胞がんは

他の「未分化がん」に対して

「分化がん」と言われることもあります。

第1章でお話したように、がんでは細胞がどんどん増えていきますよね。

「分化」とは、「細胞の分化」のことで、

細胞が増えるときに、分かれてしっかり成長していくことです。

きちんと成熟した細胞は 分化度が高い、つまり「高分化」で、

それ以外は「低分化」「未分化」などと言われいます。

分化度が低い方が、細胞がそれだけ活発に増えているということで、

アブナイそうです。)

 

 

髄様がん (ずいよう) がん 

medullary thyroid cancer (MTC) 

乳頭がんと濾胞がんは、濾胞細胞のがんですが、

髄様がんは 第1章で説明した

C細胞(濾胞傍細胞)のがんです。

 

C細胞は カルシトニンを作って

カルシウムの量を調整しますから、

血液中のカルシウムの量が

通常より多い場合

髄様がんが疑われます。

 

 

このタイプの甲状腺がんは、

乳頭がんや 濾胞がんよりも 進行が早く

リンパ節や 体の他の部分への

転移の可能性も 高くなっています。

 

髄様がんは

遺伝的な要因が 大きいそうです。

 

また、乳頭がんなどと異なり、

症例に 男女間の差は

みられません。

 

 

最後に、未分化がんですが、

これは、あまり見られないタイプで、

甲状腺がんの症例のうち 

2%ぐらいです。

 

未分化がんに かかる方は

主に 65歳以上の方です。

 

進行がとても早く

浸潤(しんじゅん)型で

治療も難しいとされていますぐすん

 

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第4章はここまでです。

第5章は「治療について」

です。

 

音譜「甲状腺がん」が分かったら...

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4. Types of Thyroid Cancer

 

Thyroid cancers are classified as papillary thyroid cancer (PTC), follicular thyroid cancer (FTC), medullary thyroid cancer (MTC), and anaplastic thyroid cancer.  PTC is the most common cancer, affecting 70-80% of thyroid cancer patients. It develops from follicular cells in the thyroid. PTC grows slowly but often spreads to lymph nodes.  Even when it spreads to lymph nodes, PTC can be treated successfully. FTC is another cancer develops from follicular cells, and it makes up 10% - 15% of thyroid cancer. FTC does not spread to lymph nodes but may invade blood vessels and spread to  lungs and bones. Prognosis of FTC is not as good as that of PTC but still very good in most cases. Hürthle cell cancer is a variant of FTC but it is hard to find and potentially more aggressive than other types of FTC. PTC and FTC are sometimes called “differentiated thyroid cancer”. 

Medullary thyroid carcinoma develops from C cells, and higher level of calcium in blood may indicate MTC.  It is more aggressive than papillary or follicular cancers, and more likely to spread to lymph nodes and other parts of the body. This form of thyroid cancer is often genetic and it affects both male and female.  Anaplastic thyroid cancer is very rare, affecting about 2% of thyroid cancer, usually age 65 and older. It is very aggressive and invasive, and difficult to treat.