日本への提言

日本への提言というタイトルですが、ニュース等を中心に日本人が進むべき道についての個人的な考えを述べさせて頂きますので、よろしくお願いします。

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日本陸連の女子マラソン選考について

本日、名古屋ウィメンズマラソンが行われ、リオデジャネイロ五輪選考レースが全て終了した。


リオデジャネイロ五輪女子マラソン代表の最終選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンは13日、ナゴヤドーム発着で行われ、2位に14年横浜国際女子を制した田中智美(28=第一生命)、3位に小原怜(25=天満屋)が入った。

リオデジャネイロ五輪の女子マラソンの枠は3。昨夏の世界選手権で日本人最上位入賞の7位に入った伊藤舞(大塚製薬)は内定。1月の大阪国際を2時間22分17秒の好タイムで制した福士加代子(33=ワコール)も有力候補。国内選考会は、さいたま国際、大阪国際、名古屋ウィメンズの3レースで各大会日本人3位以内が対象。日本陸連の設定記録(2時間22分30秒)を破った選手は優先的に1人選ばれ、他は総合的な判断で選出される。


これで事実上、内定者は伊藤舞(31)・福士加代子(33)・田中智美(28)の3人に決まった。そうすると早速、伊藤舞を外して小原怜(25)を入れるべきだとか様々な意見が出ている。しかし、これはふざけた意見で、決して言ってはならないし、言わせている日本陸連にも問題がある。元々は日本陸連の選考基準が明確でない事が問題なのだ。大体、気候だとか、レース展開とか、出場選手の力関係とかも加味して総合判断する事が問題なのだ。

伊藤舞は昨夏の世界陸上(北京)の選考レースとなった一昨年の横浜国際では優勝。しかし、レース内容、2時間26分57秒のタイムなど順位以外を理由に代表から漏れていた。 当時は日本陸連の酒井強化副委員長が「優勝は評価するが内容は問題」と説明。男女選考レースで唯一の優勝者だった田中が代表漏れする自体となり、記者会見ではマラソン解説者の増田明美さんが陸連幹部に理由を問いただす場面があった。

選考レースで優勝して世界陸上に出られないというような理不尽な事をするから日本陸連は批判されるのである。選考レースの優勝者は全てに優先されるべきで、タイムも日本記録とかなら分かるが、少々の差は展開によってどうにでもなる。優勝しても出られないなら選考レースをやる意味もないし、どうもスポンサーや影の勢力がちらちら見え隠れする。選考委員に増田明美・高橋尚子・野口みずき等を入れて選手の意見を多く取り入れるべきである。

中にはオリンピックは1発勝負だから1つのレースに絞れという無責任な意見がある。そもそも世界選手権は出場者が限られるから選ばれなかった人はその時点でアウトになってしまう。女性は生理的な問題もあって国内の3レースも選考レースがあるのは有難いと思っていると思う。また、国内レースを1~2レースに絞れという意見もある。私も2レースもあれば十分だとは思うが、もしそうなったら外れたレースは閑古鳥が鳴くだろう。

これ以上増やすのは問題外として、そう簡単に減らせるものではないし、次々出て来る若手にチャンスを与えるという意味でも3レース位あってもいいと思う。現に今回、若手で初マラソンの清田真央(22)・桑原彩(22)・竹地志帆(25)の3人が上位に入っているし、岩出玲亜(21)も上位に入っている。選考レースはオリンピック出場内定者を出す為だけでなく、若手有望選手発掘の場でもある。

大阪国際後、福士サイドが選考基準上は不可能な内定を望んだ際、福士よりタイムが悪くても内定していた伊藤に対して、一部で批判的な声があった。そもそも夏と冬のマラソンのタイムを比べることはナンセンスである。世界選手権7位での内定は選考基準通りで、高橋尚子さんは「伊藤さんはルールの通りクリアに選ばれている。何か言って苦しめて、決まった選手の足を引っ張ることはしてほしくない」と強い口調で訴えた。リオ選考要項は13年6月に方針が示され、15年7月に正式発表された。世界選手権で日本人最上位入賞で内定することについて、「狙おうと思えば、全員が狙えた。後付けで決まったことではない」と話した。

どう説明しても文句言う人はいなくならないし、無くす事はできない。しかし、問題は日本陸連の選考基準の曖昧さに起因するのだからそこはコロコロ変えるのではなく、しっかりとした基準を設けて文句が出にくい選考基準を確立する義務と責任がある。そこで日本陸連の選考基準とその問題点を探ってみたいと思います。


現在の選考基準

①世界選手権で日本人トップで、なおかつ入賞で内定

②さいたま国際、大阪国際、名古屋ウィメンズの3レースで各大会日本人3位以内が対象。日本陸連の設定記録(2時間22分30秒)を破った選手は優先的に1人選ばれる。

③他は総合的な判断で選出される。


問題点と改善案

①の問題点は入賞で内定という点だろう。勿論伊藤舞は内定で何の問題も無いが、今後の選考では日本人トップで、なおかつメダル獲得で内定だが、入賞では内々定くらいに留めるのがいいのではないだろうか?

世界選手権は狙おうと思えば、全員が狙えたのであるから、そんなに世界選手権が有利だと考えるなら皆そこを目指すべきだ。世界選手権に出場できただけでも他の選手より、多少有利になるのは当たり前の事だ。


②の問題点は選考レースで優勝して日本陸連の設定記録を上回ったのに内定が出ない点だ。これも普通に考えておかしいが、極端な例で最後のレースで2人、野口みずきの日本記録を破った場合だろう。

もしこんな事になったら福士加代子を出す訳にはいかないだろうし、日本記録が3人だったら伊藤舞を出すのも非難ごうごうだろう。つまり、普通では考えられない事も想定しなければならないから日本陸連の苦悩がある。


結論を言えば、内定とは決定ではないのだから以下の場合は内定が取り消される場合があると、一言添えればいいだけの話である。

①世界記録を出せば全てに優先し、全員内定とする。

②日本記録を出せば全員内定とする。

③世界選手権で日本人トップで、メダルを獲得したら内定とする。

④国内選考レースで日本人トップで、設定記録を上回れば内定とする。

⑤内定者が3名を超える場合は①から順に優先して決定する。

⑥内定者でも体調やコンディションによっては内定取り消しとなる場合がある。


こうすれば福士加代子のみが内定し、他の有力選手は内々定となり、総合的な判断に委ねられる事になる。世界選手権はオリンピック並みにレベルが高いのだから多少優遇されて当然だし、③の基準があれば安心して国内レースを頑張れるし、諦めもつく。唯一の恐れは世界記録等のとんでもない記録が出た場合だけだから①②の条件をつけていいだけである。

ここでも問題になるのは日本記録に1秒足りない場合だろうが、そんな記録なら国内レースでは優勝しているだろうし、大した問題にはならないだろう。日本記録が出た時に自分の内定や内々定が取り消される場合があるという事を事前に知らされていれば諦めもつくだろう。それでも設定記録と日本記録の間にグレーゾーンは残るが、そこを突き詰めて日本陸連と選手が歩み寄れる基準を決めればいいと思う。

いづれにしろ、レース展開やコースの違い等の話をしたらややこしくなるだけなので、単純に上記の基準でタイム重視で決めればいいと思う。女子の設定記録に関しては結果的に上回ったのが福士加代子だだ一人だった事からも絶妙の設定だったと思います。男子の設定記録のように2時間6分30秒という高すぎる目標だと意欲自体が出ない恐れもある。福岡国際で総合3位(日本人1位)の佐々木悟の2時間8分56秒が今回の最高記録なのだから2時間8分30秒くらいでいいし、2時間8分台でもいいと思う。

どうせ日本人トップのみしか内定にならないのだから、少々緩めないと14年も破られていない高岡寿成(現カネボウ化粧品監督)の2時間6分16秒に近い記録を目標にしても意味はない。もし男子がそうするのなら女子も野口みずきの2時間19分12秒に近い2時間19分30秒に設定すべきである。大体男女とも日本記録を破れば日本実業団陸上競技連合が1億円のボーナスを出すのである。できもしない高い目標を掲げるより、頑張れば1人くらいは届くところに設定すべきである。

確かに女子の力の方が世界との距離が近いからそうしているのだろうが、東京オリンピックが迫る中、若者が挑戦したいと思える設定記録にすべきだ。上回るものが出てきたら毎年見直して、徐々に引き上げればいいだけの話した。競馬にはハンデ師という重要な役割をする人がいるが、日本陸連の決める設定記録は正しく非常に重要なハンデだと思う。目先の勝ち負けも大事だが、東京オリンピックに向けて若者が夢を持てるマラソン界であって欲しい。



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