日本への提言 -4ページ目

原子力発電について

原子力発電について


【1】原子力発電所建設メーカー

主に3つの大きなグループに分かれるが、全てに日本のメーカーが関わっている。

①フランスのアレヴァ(三菱重工業と業務提携)
②東芝(アメリカのウェスティングハウスECを買収)
③GE日立ニュークリアエナジー(日立製作所とアメリカのGEの原子力部門を統合)


【2】海外における日本企業による原子力発電所建設

①2009年に地球温暖化対策として、鳩山元総理による鳩山イニシアテイブが策定され、将来発電所から生じる電気料金などの収入で投資額を回収方式で、ベトナムの2基を受注、トルコも受注見込みである。

②東芝の子会社ウェスティングハウスECによる中国の原子力発電所1基が建設予定である。


【3】世界の原子力発電所

2014年1月1日現在、世界の原子力発電所は426基あり、3億6,800万kwの電力を賄っており、総電力量の約20%を占める。

主な保有国はアメリカ100基・フランス58基・日本48基・ロシア29基・韓国23基・インド20基・カナダ19基・中国17基・イギリス16基等となっている。

建設中の原子炉は1992年以降最多の81基を数えるなど、世界の原子力開発は拡大している。特にアジアは中国の31基を筆頭に世界の6割強を占めている。新たに着工したのは中国以外ではアメリカ4基、韓国1基、UAE1基、ベラルーシ1基等がある。

※日本原子力産業協会の資料に基づくデータです。


【4】日本の原子力発電所

日本には2010年段階で54基の原子力発電所がありましたが、2011年3月11日の東北大震災による福島原発の被害等により、その多くが停止や破棄になった。現在稼働中は九州電力川内原発1号機の1基のみであり、廃棄予定の原子力発電所を除くと44基に減っているようである。


【5】反対派の主な意見

①戦争やテロによる攻撃に世界の原子力発電所を守る方法は事実上ない。
②どんなに対策をしても世界中の原発が地震・津波などの大災害から逃れる方法はない。
③汚染物質の処理コストは天文学的に高額であり、功利主義の立場からも原子力発電は元が取れない技術だ。
④原子炉から出る汚染物質である高レベルの放射性廃棄物は、人間の健康に害のない状態になるまでに10万年を要する。


【6】賛成派の主な意見

①すぐに安価に莫大なエネルギー源を確保できる。
②CO2をあまり出さないので、地球温暖化対策に有効である。
③日本は自然災害大国だが、世界には地震も津波も全く無い地域も多い。
④デメリットもあるが、メリットの方が大きいから世界では今も増え続けている。


【7】私の意見

①寿命に到達した原子炉は順次、廃炉にする。
②安全性が確保できた原子炉は順次、再稼働する。
③放射性物質を出さない原子力発電所の研究が進められている。
④宇宙に安全に放射性廃棄物を廃棄できる方法が確立されるかもしれない。
⑤危険極まりないのは多くの人が知っているので、新規建設は全て中止する。
⑥自然災害が多い日本が原子力発電所の安全性を高める為に率先して立ち向かうべきだ。
⑦日本の企業が原子力発電に深く関わっている以上、安全性を高める努力を続ける必要がある。
⑧世界各国で原子力発電所が、まだ増え続けているのが現状であり、日本はそれに大きな責任を持つ国である。
⑨世界で唯一の被爆国として、核全廃を訴えるのは重要だが、現実には増え続けている現状だから核の制御技術を向上させなければならない。


【8】結論

安全な原子力発電所ができない限り、現在ある日本の原子力発電所は徐々にフェードアウトしていく。しかし、世界の原子力発電所は増加の傾向にあり、日本の関りが大きい為、数基は残して新たな安全性の高い原子力発電所の研究を続けるべきである、というのが私の意見である。


即廃止しろという意見もあるが、これは善悪2元論の典型で、いわゆる理想論者である。賛成の例として平和・安全・信頼・福祉等があり、反対の例として戦争・暴力・詐欺・貧困等がある。

例えば戦争を望む人なんか殆どいないのに戦争反対と叫ぶし、安全保障関連法を戦争法案と言い、安倍内閣打倒を叫ぶ。世界から戦争が無くなれば軍隊もいらないし、戦争兵器もいらない。しかし、戦争は無くならないのが現実だ。だから戦争を仕掛ける事はしないが、仕掛けられた戦争には対処できるように常に準備しなければならない。

ドイツが即原子力発電所全廃を発表した事を例に日本もやろうと思えばできるという人もいる。でも実際はドイツは自国の原子力発電所を廃止してもフランスから原子力エネルギーを供給して貰っているのである。島国だとピンとこないかも知れないが、ヨーロッパは国を名乗っているが実質EUという同じ国なのである。東京電力が原子力発電所を撤廃し、代わりに関西電力美浜原発の電気を買うような話である。

例えば戦争反対という人も軍事技術の恩恵を受けている。1例を上げればインターネット・パソコン・光通信・携帯電話網・ロケット・カーナビ・バイク・エアーバッグ等は全て軍事技術の転用である。もっと身近なものでは電磁調理器・電子レンジ・高級デジカメ・太陽電池パネル・ジョイスティック等もそうである。更に身近な物ではチョコレート・ナイロンストッキング・懐中電灯・トレンチコート・セーラー服・ランドセルも同様である。

電子レンジはナチスドイツがユダヤ人虐殺の為に考えた技術の転用です。フォルクスワーゲンもヒトラーが国民車を作れと命令してできました。今は当たり前になっている車の流線形と言われる空力ボディは弾丸を効果的に回避するためにフォルクスワーゲンに採用されたのが最初です。日本人の夢を乗せているロケットも北朝鮮が何度も挑戦しているが、長距離弾道ミサイルの研究のお蔭です。

勿論、戦争がなくてもこういう技術はやがては得られたかもしれません。しかし、究極の生きるか死ぬかの時に考え出された技術の中には未だに得られなかった技術も多いかもしれません。だからと言って戦争を肯定しているのではなく、全ての事象には善悪や功罪が同居していると考えています。一方的に批判するのではなく、広い視野で物事を捉え、よりベターな方向に進むように行動すべきだと考えます。