(5-20)愛の告白
| 「深く深く考えていくうちに、本当の理由を告げていいのかどうか分からなくなった」 |
「嘘の別れる理由を言っても、勘の鋭い君なら間違いなく見抜くだろう」 「また僕が目に涙を一杯ためて、君が嫌いになったから別れるんだと言っても、まず信用しないだろう」 「当然、本当のことを教えてと聞いてくるだろう」 |
「苦しかった」 「何日も解決の道を探したけれど、二人が別れなければならない理由をどう説明したら君が納得できる かの答えは結局、見つからなかった」 「だから別れの時に何も言えなかった」 |
| 「ごめんね」 |
「でもこれだけは知ってほしい」 「改めて言う」 「決して君を嫌いになったわけじゃない」 「心の底から好きだったから、あんな行為になった」 |
「苦しんでいる時、僕は蜘蛛の糸のような一筋の光を見つけた」 「今は結婚できないが、20年後30年後なら可能性は低いが、君と一緒になるチャンスがある」 「それに賭けようと君に相談しないで、一人で決めた」
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| 目の前の女性はあふれ出そうな涙を必死に抑えて、無言で聞いていた。 |
「あっちゃん、君に最後まで言わなかった言葉を今言うね」 |
| 冷めたコーヒーを一口飲んだ。 |
| 気持ちを入れなおして、愛しい女性を見つめながら言った。 |
「愛していました」 「真剣に君を愛していました」 |
「この言葉を言うのに十数年も掛かった」 「付き合っている時に聞きたかったと思う」 「遅くなってごめんね」 |
| 「あの時の僕は人を好きになることと、人を愛することの違いが分からなかった」 |
「一年後に再会した時から好きから愛する感情に変化したことを今、ようやく分かった」 僕は涙が目に浮かび、声は震えていた。 その震えた声を聞いた瞬間、彼女の目からも今まで抑えていた涙が流れ始めた。
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次回は(5-21)無垢の乙女です。お楽しみに
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