(5-5)ヨーダ
既に述べた高校時代、同じ女性に6回ナンパして振られた経験で、自分は女性に好かれるタイプでないと 認識していたが、その半年後例外があった。 高校時代、自分でも呆れるくらい勉強しなかったので、当然の如く予備校通いとなった。 待合室で列車が来るのを待っていた。 二人の女子高生が現れた。 その時不可解な行動をとった。 突然一人が後ろを振り向き、もう一人は僕を見ている。 そして怯えた声で言った。 |
「今付き合っている人はいるんですか?」 驚いた。 生まれて初めて具体的に目に見える形で女性から声が掛かった。 |
| 「いませんよ」と当然の如く言った。 |
| 「女性と付き合いたいと思いませんか?」と尋ねられた。 |
「ええ、まあ」と答えた。
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| 「よかったね」と後ろを向いていた女性に言った。 |
「んっ」意味が分からなかった。 後ろを向いていた女性が僕のほうを振り返り、前歯が二本ほど欠けた口でにたっーと笑った。 先ほどから話をしていた女性が「この子です、後は二人でよろしく」と言って去ってしまった。 |
| スターウォーズのヨーダのような顔をした女の子が後に残った。 |
| 騙された。 |
狡猾なやり方だった。 話をするのは、普通の女性、実際付き合う子はヨーダ、こんな悪魔のような企みを考え出す女性が恐ろ しくなった。 すぐに逃げ出したい気持ちになったが、ここで逃げたら、この女子高生の心に生涯傷が残る。 今日だけは我慢をしようと思い、一緒に列車の席に着いた。
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正面からヨーダの顔を見た。 どう表現したらよいのだろう。 可哀想なくらい酷かった。 ヨーダから話しかけてきた。 昨日見た歌番組を話しているようだった。 脈絡の無い支離滅裂の話は聞くに堪えなかった。 暫らくして、多度津駅で乗換えとなった。 高松行きの列車に乗り換える為、ヨーダの後を付いていった。 何か視線が気になったので、列車の窓を見た。 ヨーダの同級生が20人ほど窓から顔を出し、キャーキャーと言って僕たちを見ていた。 |
ヨーダが彼女たちにVサインをしてにやにや笑っていた。 その光景があまりにショックだったので、視線を下に向けた。 恥ずかしく、情けなかった。 10分後、ヨーダと別れた。 目茶目茶嬉しかった。 |
次の日からヨーダに会わないようにするために乗る時間をランダムにした。 そんな努力が実って二度と会わずに済んだ。 その代わり二ヶ月間、無言電話が二日に一度あったらしく、そんな電話を母は気味悪く思い、電話を取 るのが嫌だったと、後から聞いた。 |
次回は(5-6)電話の意味です。お楽しみに