前回のハービー山口氏の写真展の続きです。

http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20120827.html

一人の少女とバレーボールがこちらに向かってくるような一枚写真。それが氏が写真家を志すきっかけになった一枚だということです

氏は昔から病気で、子供の頃は引きこもりがちな生活だったとか。大好きなブラスバンド部の活動も出来ず、友達もできず、鬱屈した日々を送っていたそうです。そんな氏に向けられる同級生や先生の目線は常に冷たい印象だったと。

ある時、氏が何気なく公園で遊んでいるのを見かけた少女に「1枚写真を撮らせて欲しい」とお願いし「いいよ」と快諾してもらったとのこと。その少女が遊んでいる瞬間を撮ろうとしたその時、ボールが思わぬ方向に飛んでいって、氏に当たりそうになった

その瞬間に撮れた一枚。この少女は「あ、危ない」と氏を気遣うような優しい目を見せてくれた。こんなに優しい目を今まで見たことがない。同時に、こんな見る人を優しい気持ちにさせる写真を撮って、どんどん皆に見てもらいたい。そういう気持ちが氏に写真家を志望させたきっかけになったそうです。

ちなみに、もう一度この少女のような瞳を撮りたいと思っているものの、未だに出会えていないそうです。叶うなら、もう一度だけでもあの瞳を撮りたい、とのこと。

氏の作品はほとんどの被写体が「人」です。そして、その表情は必ず笑顔・・・というわけではありません。本当に自然な、それは喜怒哀楽以外の無の表情だったり、何気ない日常の一枚を切り抜いた作品がズラリ。写真の中には格好を付けたりすることなく、「その時を生きている人間」の姿がありました。

それから、安保闘争の時代だったことから安保の際の写真や、近くの神社で行われた祭りの写真、学校の中で楽しく学生時代を過ごす生徒達の姿、沖縄返還の際の沖縄の写真・・・などなど、様々な作品が展示されていました。(つづく)