カーペット専門家のカーペット専門記事
「CARPETS TIPS」:カーペットに関するヒント
カーペットのコト・ハウツーなどをご紹介しています。

 

 

Ⅲ.防音とは

 

 

 

音が伝わる経路には、空気を伝わるものと地面や建物のような個体を伝わるものがあります。

そこで、静かな生活環境を作るには屋外からの音を可能な限り室内に入れないように、また室内で発生する音をできるだけ小さく(音圧を小さく)し、しかもその音が隣接する部屋に伝わらないように工夫することが必要になります。

 

そのためには音の伝わる経路を遮断することと、音をたてない工夫が大切です。そうすることが広い意味での ″防音″​​​​​​ であり、具体的には次のような方策が考えられます。

 

 

 

1.音の発生を小さくする

 

物と物が強く接触すると運動エネルギーに変換され、発熱したり音を出したりします。

私たちが経験的に固い物同士がぶつかるほど音のエネルギーが大きくなり、大きな音が発生することを知っています。

したがって、歩行時の足音や、物を落とした時に床で発生する音を小さくするためには、床材として具備すべき条件を満たすかぎり、ソフトな床材を使用することが賢明です。

 

 

 

2.吸音率を高くする

 

音は物体に当たると当たった音の一部を吸収したり、通過させたり、反射させたりする性質を持っています。
反射する量が多いほど室内はやかましく感じます。
また、通過する量が多いほど外部へ音を伝えることになり、周りに迷惑を掛けることになります。したがって、吸収する量をできるだけ大きくすることが防音効果を高めることになります。
 

 

3.遮音性をよくする

 

遮音とは音を透過(通過)させないことです。壁、床、天井などの遮音性能は使用材料の単位面積当たりの重量によって決まります。重量が大きいほど遮音性は向上します。
したがって、遮音性を高めるためには壁や床や天井を より重く″より厚く″ することが必要となります。
 
壁や床の遮音性を5dB増すためには2倍の厚さに、10dBでは、4倍の厚さにすることが必要になります。
したがって、建物で防音効果を2倍にしようとすれば、その費用は約4倍になると云われております。
そこで、壁や、窓を二重にする多重構造にして遮音効果を高める方法がよく採られています。
 
また、音は空気の振動ですから空気の通路になるスキ間があると、そこから音が漏れますので遮音性能を高めるためには 音の通り道となるスキ間を完全にふさぐことも必要になります。
 

 

4.残響時間を短くする

 

部屋の中で音の発生源を停止しても部屋の吸音率が小さい場合には、反響音のためしばらく静かになりません。
この静かになるまでの時間(正確には音のエネルギーが音源を停止した時の10-⁶になるまでの時間)を残響時間と呼びます。
 
残響時間が長いと真の声と残響音とが混じって話が聞き取りにくく、また音楽は乱れて聞こえます。
したがって、音楽室やコンサートホールなど特殊な場合を除き、一般の生活では残響時間を短くするために吸音率の高い材質の物を使う工夫が必要となります。
 

 

5.共振しない構造にする

 

重くて固い材料はコインシデンス効果(共振)と呼ばれる現象が生じ、特定の周波数え著しく透過損失が低下します。
したがって、固有振動を押さえるために複合材料を使用するか、あるいは軟質の材料を使用することが防音効果を高めるためには賢明です。
 
 
以上のように部屋の防音効果を高めるためには、いろいろな方法がありますが、繊維の集合体である軟質材料のカーペットの使用は、いずれの点からみても極めて有効で、しかも非常に簡単に使用できる防音材質であることがわかります。
 
 
次回はそのカーペットの記述を致します。
 
 

 

 
 
 

 

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